バスカヴィル家の犬17

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プレイ回数2130難易度(4.2) 5843打 長文 かな 長文モード可
シャーロックホームズシリーズ
アーサーコナンドイルの作品です。句読点以外の記号は省いています。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 いも 5773 A+ 5.8 98.4% 989.0 5801 91 81 2024/03/13

関連タイピング

問題文

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(いえ、なにもおしらせするようなことはありません もーてぃまーはかせは)

「いえ、何もお知らせするようなことはありません」モーティマー博士は

(ほーむずのしつもんにこたえてこういった。ひとつだけまちがいなくいえるのは、)

ホームズの質問に答えてこう言った。「一つだけ間違いなく言えるのは、

(このふつかかんつけられていなかったということです。わたしたちはでかけるとき、いつも)

この二日間つけられていなかったという事です。私たちは出かける時、いつも

(まわりをしっかりみはっていました。だれもみのがすはずがありません)

周りをしっかり見張っていました。誰も見逃すはずがありません」

(あなたがたはいつもいっしょだったんですね?きのうのごごはべつです。)

「あなた方はいつも一緒だったんですね?」「昨日の午後は別です。

(わたしはまちにきたとき、いつもいちにちをじゅんすいにたのしみにつかうんです。ですから、わたしは)

私は街に来た時、いつも一日を純粋に楽しみに使うんです。ですから、私は

(げかだいがくはくぶつかんですごしました わたしはこうえんにいってひとをみていました)

外科大学博物館で過ごしました」「私は公園に行って人を見ていました」

(ばすかヴぃるはいった。しかしなにももんだいはおこりませんでした)

バスカヴィルは言った。「しかし何も問題は起こりませんでした」

(だとしても、それはけいそつです ほーむずはあたまをふってひじょうにしんこくそうに)

「だとしても、それは軽率です」ホームズは頭を振って非常に深刻そうに

(いった。さーへんりー、ひとりではであるかないようにおねがいします。)

言った。「サー・ヘンリー、一人では出歩かないようにお願いします。

(もしひとりでいくと、たいへんなことになるかもしれません。もうひとつのくつは)

もし一人で行くと、大変な事になるかもしれません。もう一つの靴は

(でてきましたか?いいえ、みつかりませんでした なるほど。)

出てきましたか?」「いいえ、見つかりませんでした」「なるほど。

(それはひじょうにきょうみぶかい。では、おきをつけて かれはれっしゃがぷらっとほーむを)

それは非常に興味深い。では、お気をつけて」彼は列車がプラットホームを

(すべりだしたとき、こうつけくわえた。さーへんりー、もーてぃまーはかせが)

滑り出した時、こう付け加えた。「サー・ヘンリー、モーティマー博士が

(よんでくれたきみょうなふるいいいつたえのいっせつをわすれないでください。そしてあくまのちからが)

読んでくれた奇妙な古い言い伝えの一節を忘れないで下さい。そして悪魔の力が

(こうようするくらいじかんにはこうやをさけてください わたしはぷらっとほーむが)

高揚する暗い時間には荒野を避けてください」私はプラットホームが

(はるかこうほうにちいさくなったとき、うしろをふりかえった。せのたかいきびしいかおの)

はるか後方に小さくなった時、後ろを振り返った。背の高い厳しい顔の

(ほーむずが、じっとたったままれっしゃをみおくっているすがたがみえた。)

ホームズが、じっと立ったまま列車を見送っている姿が見えた。

(たびはじゅんちょうでたのしかった。そしてわたしはふたりのどうこうしゃとよりしんみつなかんけいをむすぶことや)

旅は順調で楽しかった。そして私は二人の同行者とより親密な関係を結ぶ事や

(もーてぃまーはかせのすぱにえるとあそぶことにじかんをついやした。ほんのわずかのじかんで)

モーティマー博士のスパニエルと遊ぶ事に時間を費やした。ほんの僅かの時間で

など

(ちゃいろのだいちはあかみをおび、れんがのいえなみはかこうがんのやまはだへとへんかしていった。)

茶色の大地は赤みを帯び、煉瓦の家並みは花崗岩の山肌へと変化して行った。

(そしていけがきできちんとかこわれたのはらでは、あかいめうしがぼくそうをはんでいた。)

そして生垣できちんと囲われた野原では、赤い牝牛が牧草を食んでいた。

(そのあおあおとしたぼくそうと、それいじょうにこいみどりのしょくせいをみるとしつどはたかいが、)

その青々とした牧草と、それ以上に濃い緑の植生を見ると湿度は高いが、

(よりみのりおおききこうがかんじられた。ばすかヴぃるせいねんはねっしんにまどのそとを)

より実り多き気候が感じられた。バスカヴィル青年は熱心に窓の外を

(みつめていた。そしてかれがでぼんしゅうのゆうめいなとくちょうにきづいたとき、かんせいをあげた。)

見つめていた。そして彼がデボン州の有名な特徴に気づいた時、歓声をあげた。

(わたしはここをでていってから、せかいのあちこちにいきました、わとそんせんせい)

「私はここを出て行ってから、世界のあちこちに行きました、ワトソン先生」

(かれはいった。しかしここにひってきするばしょはみたことがありません)

彼は言った。「しかしここに匹敵する場所は見たことがありません」

(おくにじまんをしないでヴぉんしゅうのひとはみたことがありませんね わたしはいった。)

「お国自慢をしないデヴォン州の人は見たことがありませんね」私は言った。

(しゅうもそうですが、おなじくらいけっとうにいぞんしますね もーてぃまーはかせは)

「州もそうですが、同じくらい血統に依存しますね」モーティマー博士は

(いった。こちらのゆうじんをちょっとはいけんしますと、けるとのまるいあたまがはっきり)

言った。「こちらの友人をちょっと拝見しますと、ケルトの丸い頭がはっきり

(みわけられます。そのなかにはけるとのじょうねつとあいちゃくのちからがひめられています。)

見分けられます。その中にはケルトの情熱と愛着の力が秘められています。

(さーちゃーるずのあたまはひじょうにまれなたいぷで、はんぶんげーるじん、)

サー・チャールズの頭は非常にまれなタイプで、半分ゲール人、

(はんぶんげんあいるらんどじんのとくちょうをもっていました。ところで、ばすかヴぃるかんを)

半分原アイルランド人の特徴を持っていました。ところで、バスカヴィル館を

(さいごにみたのはひじょうにわかいときだったはずですね?ちちがしんだとき、わたしは)

最後に見たのは非常に若い時だったはずですね?」「父が死んだ時、私は

(じゅうだいでした。そしてちちはさうすこーすとのちいさないえにすんでいたので、わたしは)

十代でした。そして父はサウス・コーストの小さな家に住んでいたので、私は

(やかたをみたことがありません。そこからわたしはまっすぐあめりかのゆうじんのところに)

館を見たことがありません。そこから私は真っ直ぐアメリカの友人の所に

(いきました。わたしにとって、すべてがわとそんはかせとおなじようにしんせんです。)

行きました。私にとって、すべてがワトソン博士と同じように新鮮です。

(はやくあれちをみたくてほんとうにわくわくしています そうですか?)

早く荒地を見たくて本当にワクワクしています」「そうですか?

(そののぞみなら、かんたんにかなえられますよ。あれがあなたのはじめてみるこうやの)

その望みなら、簡単にかなえられますよ。あれがあなたの初めて見る荒野の

(けしきです もーてぃまーはかせはきゃくしゃのまどからそとをゆびさしながらいった。)

景色です」モーティマー博士は客車の窓から外を指差しながら言った。

(しかくくくぎられたぼくそうちとなだらかなもりのむこう、はるかかなたに、きみょうに)

四角く区切られた牧草地となだらかな森の向こう、はるか彼方に、奇妙に

(ごつごつしたいただきをもったはいいろのいんうつなおかが、うすぐらくぼんやりとゆめのなかのきみょうな)

ゴツゴツした頂を持った灰色の陰鬱な丘が、薄暗くぼんやりと夢の中の奇妙な

(こうけいのようにそびえたっていた。ばすかヴぃるはそれをじっとみつめてながいあいだ)

光景のようにそびえ立っていた。バスカヴィルはそれをじっと見つめて長い間

(すわっていた。そしてわたしはそのねっしんなかおから、かれにとって、ばすかヴぃるけの)

座っていた。そして私はその熱心な顔から、彼にとって、バスカヴィル家の

(にんげんがひじょうにながいあいだしはいし、おおきなえいきょうをあたえてきたこのきみょうなちをはじめて)

人間が非常に長い間支配し、大きな影響を与えてきたこの奇妙な地を初めて

(めにすることが、どれほどいぎぶかいことなのか、うかがいしることができた。かれは)

目にする事が、どれほど意義深いことなのか、うかがい知ることが出来た。彼は

(ついーどのすーつをきたあめりかなまりのせいねんで、ありふれたきゃくしゃのいっかくに)

ツイードのスーツを着たアメリカ訛の青年で、ありふれた客車の一角に

(すわっていた。しかしいろぐろのひょうじょうゆたかなかおをみると、かれがねっけつでたけだけしい)

座っていた。しかし色黒の表情豊かな顔を見ると、彼が熱血で猛々しい

(しはいしゃとしてながいれきしをもったかけいのまつえいであることを、それまでいじょうに)

支配者として長い歴史を持った家系の末裔である事を、それまで以上に

(かんじずにはいられなかった。かれのふといまゆ、しゅうかくのするどそうなはな、そしておおきな)

感じずにはいられなかった。彼の太い眉、臭覚の鋭そうな鼻、そして大きな

(はしばみいろのひとみには、ほこり、かかんさ、つよさがあった。もしあのちかづきがたいこうやに)

ハシバミ色の瞳には、誇り、果敢さ、強さがあった。もしあの近づき難い荒野に

(こんなんできけんなぼうけんがまちかまえているとしても、かれはすくなくとも、ゆうきをもって)

困難で危険な冒険が待ち構えているとしても、彼は少なくとも、勇気を持って

(そのこんなんをわかちあえる、かれのためなら、あえてきけんをおかしてもよいとおもえる)

その困難を分かち合える、彼のためなら、あえて危険を冒してもよいと思える

(どうしだった。れっしゃはちいさなろかたのえきにとまり、わたしたちはぜんいんこのえきで)

同志だった。列車は小さな路肩の駅に停まり、私たちは全員この駅で

(おりた。そとにでると、しろいろのひくいふぇんすのむこうに、にとうのこっぶうまに)

降りた。外に出ると、白色の低いフェンスの向こうに、二頭のコッブ馬に

(ひかれたむがいばしゃがまっていた。わたしたちがこのちにくるのはどうやらおおきな)

引かれた無蓋馬車が待っていた。私たちがこの地に来るのはどうやら大きな

(じけんだったらしい。えきちょうとぽーたーたちがにもつをはこぶためにあつまって)

事件だったらしい。駅長とポーターたちが荷物を運ぶために集まって

(きたからだ。そこはかんじのよいそぼくないなかのえきだった。しかしわたしはもんのよこに、)

きたからだ。そこは感じのよい素朴な田舎の駅だった。しかし私は門の横に、

(くらいいろのせいふくをきたぐんじんふうのおとこがふたりたっているのをみておどろいた。わたしたちが)

暗い色の制服を着た軍人風の男が二人立っているのを見て驚いた。私たちが

(とおりすぎるとき、かれらはみじかいらいふるじゅうにもたれかかりながら、するどいしせんを)

通り過ぎる時、彼らは短いライフル銃にもたれかかりながら、鋭い視線を

(なげかけた。むひょうじょうでしわだらけのこがらなぎょしゃが、)

投げかけた。無表情でしわだらけの小柄な御者が、

(さーへんりーばすかヴぃるにけいれいした。そしてすうふんご、わたしたちのばしゃは)

サー・ヘンリー・バスカヴィルに敬礼した。そして数分後、私たちの馬車は

(とぶようなそくどで、ひろくしろいみちをかけていた。りょうがわには、ぼくそうちがなだらかな)

飛ぶような速度で、広く白い道を駆けていた。両側には、牧草地がなだらかな

(きふくでうえにむかっていた。そしてふるいはふづくりのいえが、ゆたかなみどりのはのあいだから)

起伏で上に向っていた。そして古い破風造りの家が、豊かな緑の葉の間から

(のぞいていた。しかしひのひかりがさすへいわないなかのふうけいのむこう、くれはじめたそらには)

覗いていた。しかし日の光が差す平和な田舎の風景の向こう、暮れ始めた空には

(ごつごつしたぶきみなおかのてんざいするいんうつなこうやが、うねるようにひろがり、)

ゴツゴツした不気味な丘の点在する陰鬱な荒野が、うねるように広がり、

(くろくそびえたっていた。ゆうらんばしゃはがくんとゆれてよこみちにはいった。)

黒くそびえ立っていた。遊覧馬車はガクンと揺れて横道に入った。

(そしてばしゃはかーぶをきって、なんせいきものあいだしゃりんにふまれてくぼんだこみちを)

そして馬車はカーブを切って、何世紀もの間車輪に踏まれて窪んだ小道を

(のぼりはじめた。みちのりょうがわはみずをしたたらせるこけとこうにわたりしだがうっそうとしげった)

昇り始めた。道の両側は水を滴らせるコケとコウニワタリシダが鬱蒼と茂った

(たかいどてになった。ぶろんずいろのわらびとはんてんのついたいばらが、しずむたいようの)

高い土手になった。ブロンズ色のワラビと斑点のついたイバラが、沈む太陽の

(ひかりにかがやいていた。ばしゃはほそいかこうがんのはしをこえ、あわをたてながらはいいろのきょせきの)

光に輝いていた。馬車は細い花崗岩の橋を越え、泡を立てながら灰色の巨石の

(あいだをいきおいよくおちていくそうぞうしいながれのわきをとおり、ちゃくじつにじょうしょうしていった。)

間を勢いよく落ちていく騒々しい流れの脇を通り、着実に上昇して行った。

(みちもかわのながれも、すくらぶおーくともみがうっそうとしげるたにをとおり、まがりくねり)

道も川の流れも、スクラブオークと樅が鬱蒼と茂る谷を通り、曲がりくねり

(ながらのぼっていた。ばしゃがほうこうてんかんするたびに、ばすかヴぃるはあたりをねっしんに)

ながら登っていた。馬車が方向転換する度に、バスカヴィルはあたりを熱心に

(みまわし、つぎからつぎへとしつもんをしながらかんせいをあげた。かれのめにはすべてがうつくしく)

見回し、次から次へと質問をしながら歓声を上げた。彼の目には全てが美しく

(みえるようだった。しかしわたしには、はっきりとあきのおとずれをつげるいんうつなしきちょうが、)

見えるようだった。しかし私には、はっきりと秋の訪れを告げる陰鬱な色調が、

(いなかのふうけいにのしかかっているようにみえた。きいろいははみちをしきつめており、)

田舎の風景にのしかかっているように見えた。黄色い葉は道を敷き詰めており、

(ばしゃがとおるとかれはがひらひらとまいおりてきた。しゃりんのがたがたいうおとも、)

馬車が通ると枯葉がひらひらと舞い降りてきた。車輪のガタガタ言う音も、

(くさったはのふきだまりをぬけるときはきこえなくなった。わたしにはこれが、)

腐った葉の吹き溜まりを抜ける時は聞こえなくなった。私にはこれが、

(ばすかヴぃるけのそうぞくにんがかえってくるばしゃのまえに、しぜんがなげかけるものさびしい)

バスカヴィル家の相続人が帰ってくる馬車の前に、自然が投げかける物寂しい

(おくりものにみえた。おい!もーてぃまーはかせがさけんだ。あれはなんだ?)

贈り物に見えた。「おい!」モーティマー博士が叫んだ。「あれは何だ?」

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