バスカヴィル家の犬27

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シャーロックホームズシリーズ
アーサーコナンドイルの作品です。句読点以外の記号は省いています。

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問題文

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(まずさいしょに、ばりもあがほんとうにここにいるかをかくにんするため、きみがろんどんから)

まず最初に、バリモアが本当にここにいるかを確認するため、君がロンドンから

(おくった、あのかくにんでんぽうだが、すでにせつめいしたように、ゆうびんきょくちょうのしょうげんから)

送った、あの確認電報だが、すでに説明したように、郵便局長の証言から

(はんだんして、このてすとはやくにたたず、はっきりしたしょうこをえられなかった。)

判断して、このテストは役にたたず、はっきりした証拠を得られなかった。

(わたしがさーへんりーにこのはなしをしたところ、かれらしいすとれーとなやりかたで、)

私がサー・ヘンリーにこの話をしたところ、彼らしいストレートなやり方で、

(すぐにばりもあをよび、でんぽうをじぶんじしんでうけとったかとたずねた。ばりもあは)

すぐにバリモアを呼び、電報を自分自身で受け取ったかと尋ねた。バリモアは

(そうしたといった。しょうねんはおまえにちょくせつでんぽうをてわたしたのか?)

そうしたと言った。「少年はお前に直接電報を手渡したのか?」

(さーへんりーはたずねた。ばりもあはおどろいたようにみえた。そしてすこし)

サー・ヘンリーは尋ねた。バリモアは驚いたように見えた。そして少し

(かんがえこんだ。いいえ かれはいった。そのときなやにいたので、つまから)

考え込んだ。「いいえ」彼は言った。「その時納屋にいたので、妻から

(うけとりました じぶんでへんとうしたのか?いいえ。わたしがへんとうないようを)

受けとりました」「自分で返答したのか?」「いいえ。私が返答内容を

(いいましたので、つまがおりていってへんじをかいたはずです ゆうがたになって、)

言いましたので、妻が降りて行って返事を書いたはずです」夕方になって、

(ばりもあはこのはなしをじぶんからむしかえした。けさ、だんなさまがおたずねになった)

バリモアはこの話を自分から蒸し返した。「今朝、旦那様がお尋ねになった

(しつもんのいとが、よくりかいできませんでした、さーへんりー かれはいった。)

質問の意図が、よく理解できませんでした、サー・ヘンリー」彼は言った。

(わたしがだんなさまのしんようをうしなうようなことをしたといういみではないと)

「私が旦那様の信用を失うようなことをしたという意味ではないと

(しんじていますが?さーへんりーは、そんなことではないとなっとくさせるために)

信じていますが?」サー・ヘンリーは、そんなことではないと納得させるために

(ろんどんでかったふくがぜんぶとどいたあと、ふようとなったじぶんのふくをたくさんわたして、)

ロンドンで買った服が全部届いた後、不要となった自分の服を沢山渡して、

(なだめなければならなかった。ばりもあふじんはきょうみぶかい。かのじょはにくつきがよく、)

なだめなければならなかった。バリモア夫人は興味深い。彼女は肉付きがよく、

(がっしりした、ひかえめでひじょうにじょうひんなじょせいだ。ときにはせいきょうとてきにみえる。)

がっしりした、控えめで非常に上品な女性だ。時には清教徒的に見える。

(これほどかんじょうをおもてにださないしようにんはほかにかんがえられないくらいだ。しかし)

これほど感情を表に出さない使用人は他に考えられないくらいだ。しかし

(ここにきたさいしょのよる、かのじょがくるしくすすりなくのをきいたのは、すでに)

ここに来た最初の夜、彼女が苦しくすすり泣くのを聞いたのは、すでに

(かいたとおりだ。それいこうも、わたしはなんどかかのじょのかおになみだのあとをみつけた。なにか)

書いた通りだ。それ以降も、私は何度か彼女の顔に涙の跡を見つけた。何か

など

(ふかいかなしみがかのじょのこころをさいなんでいるようだ。わたしは、かのじょがつみのいしきに)

深い悲しみが彼女の心をさいなんでいるようだ。私は、彼女が罪の意識に

(とらわれているかもしれないとおもうときもあり、おっとがぼうぎゃくなのかもしれないと)

捕らわれているかもしれないと思う時もあり、夫が暴虐なのかもしれないと

(うたがうときもあった。わたしはずっと、このおとこのせいかくにはなにかみょうなうたがわしいものがあると)

疑う時もあった。私はずっと、この男の性格には何か妙な疑わしいものがあると

(かんじていた。しかしさくやのできごとで、わたしのぎねんはちょうてんにまでたっした。それでも、)

感じていた。しかし昨夜の出来事で、私の疑念は頂点にまで達した。それでも、

(できごとじたいはたいしたことではないとおもえるかもしれない。きみはわたしのねむりが)

出来事自体はたいした事ではないと思えるかもしれない。君は私の眠りが

(そうふかくないことはしっているはずだ。そしてわたしはこのいえではきんちょうしているので)

そう深くないことは知っているはずだ。そして私はこの家では緊張しているので

(いぜんにもましてねむりはあさくなっていた。さくやごぜん2じごろ、わたしはへやのまえを)

以前にも増して眠りは浅くなっていた。昨夜午前2時頃、私は部屋の前を

(こっそりととおるあしおとでめがさめた。わたしはおきあがり、とびらをあけてそとを)

こっそりと通る足音で目が覚めた。私は起き上がり、扉を開けて外を

(のぞきこんだ。くろくながいかげがろうかにのびていた。それはてにろうそくをもって)

覗き込んだ。黒く長い影が廊下に伸びていた。それは手にろうそくを持って

(しずかにろうかをあるいていくおとこがなげかけるかげだった。おとこはずぼんとしゃつを)

静かに廊下を歩いていく男が投げかける影だった。男はズボンとシャツを

(きていたがあしにはなにもはいていなかった。わたしはおとこのりんかくしかみえなかったが、)

着ていたが足には何も履いていなかった。私は男の輪郭しか見えなかったが、

(せのたかさから、それがばりもあだとわかった。かれはひじょうにゆっくりとしんちょうに)

背の高さから、それがバリモアだと分かった。彼は非常にゆっくりと慎重に

(あるいていた。そしてぜんたいのようすは、いいようもなくうしろめたくひとめを)

歩いていた。そして全体の様子は、いいようもなく後ろめたく人目を

(はばかっているようにかんじられた。すでにせつめいしたとおもうが、ろうかはひろまを)

はばかっているように感じられた。既に説明したと思うが、廊下は広間を

(いっしゅうするばるこにーでくぎられているが、はんたいがわがまたろうかになっている。)

一周するバルコニーで区切られているが、反対側がまた廊下になっている。

(わたしはかれがみえなくなるまでまって、それからあとをつけた。ばるこにーのところに)

私は彼が見えなくなるまで待って、それから後をつけた。バルコニーのところに

(きたとき、かれははんたいがわからろうかのはしにとうちゃくしていた。そしてひらいたとびらから)

来た時、彼は反対側から廊下の端に到着していた。そして開いた扉から

(もれるひかりで、かれがひとつのへやにはいっていったのがみえた。このへんのへやはぜんぶ、)

漏れる光で、彼が一つの部屋に入っていったのが見えた。この辺の部屋は全部、

(かぐもなくあきべやになっていたので、ここにやってきたりゆうはよけいになぞに)

家具も無く空き部屋になっていたので、ここにやってきた理由は余計に謎に

(おもえた。まるでかれがじっとたちすくんでいるかのように、ひかりはたえまなく)

思えた。まるで彼がじっと立ちすくんでいるかのように、光は絶え間なく

(かがやきつづけていた。わたしはできるかぎりおとをたてずにろうかをしのびより、とびらのすみから)

輝き続けていた。私は出来る限り音を立てずに廊下を忍び寄り、扉の隅から

(なかをのぞきこんだ。ばりもあはろうそくをがらすにむかってかかげて、ひとつのまどに)

中を覗き込んだ。バリモアはろうそくをガラスに向かって掲げて、一つの窓に

(かがみこんでいた。かれは、こうやのくらやみをのぞきこんでおり、はんぶんこちらのほうに)

かがみこんでいた。彼は、荒野の暗闇を覗き込んでおり、半分こちらの方に

(むけられたよこがおは、なにかをよきしてかたまっているようにみえた。すうふんかんかれは)

向けられた横顔は、何かを予期して固まっているように見えた。数分間彼は

(ねっしんにそとをみながらたっていた。そのあとかれはふかいためいきをもらし、)

熱心に外を見ながら立っていた。その後彼は深いため息を漏らし、

(いらだったようなみぶりであかりをけした。わたしはすぐにじぶんのへやにもどった。)

苛立ったような身振りで明かりを消した。私はすぐに自分の部屋に戻った。

(そしてそのすぐあとに、こそこそしたあしおとがもういちどやってきて、とびらのまえを)

そしてそのすぐ後に、こそこそした足音がもう一度やってきて、扉の前を

(よこぎってもどっていった。それからずいぶんたって、わたしがうつらうつらしていたとき)

横切って戻って行った。それからずいぶんたって、私がうつらうつらしていた時

(どこかでかぎがまわるおとがした。しかしそのおとがどこからきたかはわからなかった。)

どこかで鍵が回る音がした。しかしその音がどこから来たかは分からなかった。

(いったいぜんたい、これになんのいみがあるのだろうか?そうぞうもつかない。しかし、)

一体全体、これに何の意味があるのだろうか?想像もつかない。しかし、

(このいえのやみのなかでなにかうさんくさいことがおこなわれている。いずれ、われわれでかいめいしよう。)

この家の闇の中で何か胡散臭い事が行われている。いずれ、我々で解明しよう。

(きみがただじじつだけをほうこくするようにとしじしたから、わたしはじぶんのかんがえをかいて、)

君がただ事実だけを報告するようにと指示したから、私は自分の考えを書いて、

(きみのじゃまはしないよ。わたしはけさ、さーへんりーとながいあいだはなしあい、さくやの)

君の邪魔はしないよ。私は今朝、サー・ヘンリーと長い間話し合い、昨夜の

(わたしのかんさつにもとづいてこうどうけいかくをねった。それについて、こんかいのてがみでは)

私の観察に基づいて行動計画を練った。それについて、今回の手紙では

(かかないが、つぎのほうこくをたのしみにまっていてくれ。)

書かないが、次の報告を楽しみに待っていてくれ。

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