バスカヴィル家の犬28
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問題文
(だいきゅうしょう わとそんはかせからのだいにのほうこく)
第九章 ワトソン博士からの第二の報告
(こうやにさすひかり ばすかヴぃるかん 10がつ15にち ほーむずどの)
荒野に指す光 バスカヴィル館 10月15日 ホームズ殿
(わたしがこのにんむをはじめたとうしょ、きみのおおくのじょうほうをていきょうできなかったとしても、)
私がこの任務を始めた当初、君の多くの情報を提供できなかったとしても、
(そのきかんのうめあわせをしようとしていることをひょうかしてほしい。)
その期間の埋め合わせをしようとしている事を評価してほしい。
(いまや、わたしたちのまわりでさまざまなできごとがはっせいして、じたいはきゅうそくにうごきはじめた。)
今や、私たちの周りで様々な出来事が発生して、事態は急速に動き始めた。
(ぜんかいのてがみは、ばりもあがまどべにいたというきんぱくしたばめんでおわった。)
前回の手紙は、バリモアが窓辺に居たという緊迫した場面で終わった。
(そのあと、わたしはすでにかなりのじょうほうをにゅうしゅしている。よそうがおおきくくるっていなければ)
その後、私は既にかなりの情報を入手している。予想が大きく狂っていなければ
(きみはそうとうおどろくとおもう。じたいはわたしがよそうもしなかったほうこうにてんかいした。)
君は相当驚くと思う。事態は私が予想もしなかった方向に展開した。
(この48じかんでかなりめいかくになったぶぶんもあるが、これまでいじょうにふくざつに)
この48時間でかなり明確になった部分もあるが、これまで以上に複雑に
(なってきたぶぶんもある。しかしこれからぜんぶかくので、はんだんはきみに)
なってきた部分もある。しかしこれから全部書くので、判断は君に
(まかせることにしよう。あのじけんのつぎのひ、わたしはちょうしょくのまえにろうかをあるいていって)
まかせることにしよう。あの事件の次の日、私は朝食の前に廊下を歩いて行って
(さくやばりもあがいたへやをしらべた。かれがあれほどねっしんにめをこらしていた)
昨夜バリモアがいた部屋を調べた。彼があれほど熱心に目を凝らしていた
(にしのまどは、ほかのまどにはないがとくちょうがあることがわかった。そのまどからは、こうやの)
西の窓は、他の窓にはないが特徴がある事が分かった。その窓からは、荒野の
(ごくちかいぶぶんをみわたせるのだ。にほんのきのあいだにすきまがあり、このちてんからなら)
ごく近い部分を見渡せるのだ。二本の木の間に隙間があり、この地点からなら
(まっすぐにこうやをみわたすことができる。ほかのまどはどれも、ただとおくのふうけいしか)
真っ直ぐに荒野を見渡す事ができる。他の窓はどれも、ただ遠くの風景しか
(みえない。ということは、ばりもあがこのまどをえらんだのは、こうやのなにか、)
見えない。ということは、バリモアがこの窓を選んだのは、荒野の何か、
(もしかするとだれかをみるためだったにちがいない。そのよるはひじょうにくらかったので、)
もしかすると誰かを見るためだったに違いない。その夜は非常に暗かったので、
(なぜばりもあがひとかげをかくにんできそうだとかんがえたのか、わたしにはそうぞうも)
なぜバリモアが人影を確認できそうだと考えたのか、私には想像も
(できなかった。もしかすると、じょせいもんだいがおこっているさなかかもしれない。)
できなかった。もしかすると、女性問題が起こっている最中かもしれない。
(これなら、かれがひとめをしのぶようにあるいていたりゆうもわかるし、かれのつまが)
これなら、彼が人目を忍ぶように歩いていた理由も分かるし、彼の妻が
(じょうちょふあんていになっているせつめいもつく。このおとこはなかなかのおとこまえで、じゅうぶんに)
情緒不安定になっている説明もつく。この男はなかなかの男前で、十分に
(いなかむすめのこころをつかめるから、このりろんはかなりゆうぼうにみえる。へやにもどったあとに)
田舎娘の心をつかめるから、この理論はかなり有望に見える。部屋に戻った後に
(きこえてきたとびらがあくおとは、もしかするとかれがみっかいにでかけたということかも)
聞こえてきた扉が開く音は、もしかすると彼が密会に出かけたということかも
(しれない。そのあさ、わたしはこんなふうにかんがえていた。きみは、わたしがこういうぎねんを)
しれない。その朝、私はこんな風に考えていた。君は、私がこういう疑念を
(もっていたことをあらかじめいっておこう。けっかてきに、そのぎねんにはまったく)
持っていた事をあらかじめ言っておこう。結果的に、その疑念にはまったく
(こんきょがなかったとはんめいしているが。しかし、わたしはばりもあのこうどうのしんいが)
根拠がなかったと判明しているが。しかし、私はバリモアの行動の真意が
(はっきりするまで、さくやのじけんをひみつにしておくというぷれっしゃーには)
はっきりするまで、昨夜の事件を秘密にしておくというプレッシャーには
(たえられなかった。わたしはちょうしょくのあと、さーへんりーとしょさいではなしをし、みたことを)
耐えられなかった。私は朝食の後、サー・ヘンリーと書斎で話をし、見たことを
(ぜんぶはなした。もっとおどろくかとおもったが、かれはわりにおちついていた。)
全部話した。もっと驚くかと思ったが、彼はわりに落ち着いていた。
(ばりもあがよるにあるきまわっていることはしっていたから、そのことについてかれと)
「バリモアが夜に歩き回っている事は知っていたから、その事について彼と
(はなそうかとおもっていた かれはいった。ちょうどきみがいったじこくごろだ。)
話そうかと思っていた」彼は言った。「ちょうど君が言った時刻頃だ。
(に、さんど、とおりすぎてはまだもどるあしおとがろうかからきこえてきた もしかすると)
二、三度、通り過ぎてはまだ戻る足音が廊下から聞こえて来た」「もしかすると
(かれはまいばん、あのまどにいっているのかもしれない わたしはいった。そうかも)
彼は毎晩、あの窓に行っているのかもしれない」私は言った。「そうかも
(しれないな。もしそうなら、こんどばりもあのあとをつければ、なにをしているのか)
しれないな。もしそうなら、今度バリモアの後をつければ、何をしているのか
(かくにんできるだろう。もし、ほーむずさんがここにいれば、かれもそうしたのでは)
確認できるだろう。もし、ホームズさんがここに居れば、彼もそうしたのでは
(ないかとおもうが きっとほーむずも、いまきみがいったようにするはずだ)
ないかと思うが」「きっとホームズも、今君が言ったようにするはずだ」
(わたしはいった。かれはばりもあをつけ、なにをしているかかくにんするだろうな)
私は言った。「彼はバリモアをつけ、何をしているか確認するだろうな」
(ではいっしょにやってみよう しかし、きっとあしおとをきかれるぞ あのおとこは)
「では一緒にやってみよう」「しかし、きっと足音を聞かれるぞ」「あの男は
(ちょっとみみがとおいんだ。どちらにしてもおもいきってやってみるべきだ。こんや、)
ちょっと耳が遠いんだ。どちらにしても思い切ってやってみるべきだ。今夜、
(わたしのへやでおきていて、かれがとおりかかるのをまとう さーへんりーは)
私の部屋で起きていて、彼が通りかかるのを待とう」サー・ヘンリーは
(うれしそうにてをこすりあわせた。かれがちょっとたいくつなこうやのせいかつのいきぬきとして)
嬉しそうに手をこすりあわせた。彼がちょっと退屈な荒野の生活の息抜きとして
(このぼうけんをかんげいしているのはあきらかだった。じゅんだんしゃくはさーちゃーるずのけいかくを)
この冒険を歓迎しているのは明らかだった。準男爵はサー・チャールズの計画を
(りつあんしたけんちくかや、ろんどんのうけおいぎょうしゃとれんらくをとりあっている。したがって)
立案した建築家や、ロンドンの請負業者と連絡を取り合っている。したがって
(すぐにここもおおきくかわるだろうとおもう。ぷりますからそうしょくぎょうしゃやないそうぎょうしゃが)
すぐにここも大きく変わるだろうと思う。プリマスから装飾業者や内装業者が
(きているので、さーへんりーがじぶんのかけいのいげんをふっこうするために、てまも)
来ているので、サー・ヘンリーが自分の家系の威厳を復興するために、手間も
(かねもおしまず、だいきぼなかいしゅうをけいかくしているのはまちがいない。いえがしゅうりされ)
金も惜しまず、大規模な改修を計画しているのは間違いない。家が修理され
(かいそうされれば、たらないのはつまだけになる。ここだけのはなしだが、もしあのじょせいが)
改装されれば、足らないのは妻だけになる。ここだけの話だが、もしあの女性が
(くびをたてにふれば、これにもきたいがもてそうなじょうきょうになっている。)
首を縦に振れば、これにも期待が持てそうな状況になっている。
(さーへんりーはうつくしいりんじんのすていぷるとんじょうにむちゅうになっている。あれいじょう)
サー・ヘンリーは美しい隣人のステイプルトン嬢に夢中になっている。あれ以上
(じょせいにたいしてまいあがっているおとこにはおめにかかったことがない。げんざいのじょうきょうを)
女性に対して舞い上がっている男にはお目にかかったことがない。現在の状況を
(かんがえれば、なんらしょうがいはないとおもえるかもしれないが、しんのあいのみちゆきはけわしい。)
考えれば、何ら障害はないと思えるかもしれないが、真の愛の道行きは険しい。
(たとえばきょう、おもわぬはらんがおきて、さーへんりーははげしくとうわくし、いらだった。)
例えば今日、思わぬ波乱が起きて、サー・ヘンリーは激しく当惑し、苛立った。
(わたしがばりもあのはなしをしたとき、さーへんりーはぼうしをかぶってでていくよういを)
私がバリモアの話をした時、サー・ヘンリーは帽子を被って出て行く用意を
(した。もちろん、わたしもおなじようにした。なんだ、わとそん、くるのか?かれは)
した。もちろん、私も同じようにした。「何だ、ワトソン、来るのか?」彼は
(わたしをきみょうなめでみると、こうたずねた。きみがこうやにいくつもりか)
私を奇妙な目で見ると、こう尋ねた。「君が荒野に行くつもりか
(どうかによるが わたしはいった。そうだ、こうやにでかける では、わたしがどんな)
どうかによるが」私は言った。「そうだ、荒野に出かける」「では、私がどんな
(しじをうけているかしっているだろう。でしゃばってもうしわけないが、ほーむずが)
指示を受けているか知っているだろう。でしゃばって申し訳ないが、ホームズが
(きみをひとりにしないように、とくにこうやへはひとりでいかせないようにと、どれほど)
君を一人にしないように、特に荒野へは一人で行かせないようにと、どれほど
(ねっしんにいっていたか、きみもきいていたはずだ さーへんりーはにこやかに)
熱心に言っていたか、君も聞いていたはずだ」サー・ヘンリーはにこやかに
(ほほえんでわたしのかたにてをおいた。わとそん かれはいった。ほーむずがいくら)
微笑んで私の肩に手を置いた。「ワトソン」彼は言った。「ホームズがいくら
(かしこくても、わたしがこうやにきてからおきたようなちょっとしたことまでよそくしていた)
賢くても、私が荒野に来てから起きたようなちょっとしたことまで予測していた
(わけじゃない。わかるだろう?きみがぜったいにやぼなまねをするような)
わけじゃない。分かるだろう?君が絶対に野暮な真似をするような
(にんげんじゃないとしんじているよ。わたしはひとりでいくひつようがあるんだ わたしはひじょうに)
人間じゃないと信じているよ。私は一人で行く必要があるんだ」私は非常に
(きまずいたちばになった。なんといえばよいか、どうしたらよいかわからなかったが)
気まずい立場になった。何と言えばよいか、どうしたらよいか分からなかったが
(わたしがまよっているあいだにかれはつえをもってでていった。しかし、じっくりとげんざいの)
私が迷っている間に彼は杖を持って出て行った。しかし、じっくりと現在の
(じょうきょうをかんがえなおしたとき、どんなりゆうがあったにせよ、かれをわたしのめのとどかない)
状況を考え直した時、どんな理由があったにせよ、彼を私の目の届かない
(ところにいかせたことがひじょうにうしろめたくなった。わたしは、もしきみのしじを)
ところに行かせたことが非常に後ろめたくなった。私は、もし君の指示を
(かろんじたためにふこうなじたいがはっせいすれば、どんなかおをしてきみにそれを)
軽んじたために不幸な事態が発生すれば、どんな顔をして君にそれを
(ほうこくすればいいのか、そうぞうしてみた。これをかんがえると、わたしはかおがあつくなるのを)
報告すればいいのか、想像してみた。これを考えると、私は顔が熱くなるのを
(かんじた。いまからでもまだかれにおいつけるかもしれないとおもったので、)
感じた。今からでもまだ彼に追いつけるかもしれないと思ったので、
(わたしはすぐにめりぴっとはうすのほうこうにしゅっぱつした。)
私はすぐにメリピット・ハウスの方向に出発した。
(さーへんりーのすがたはすでにどこにもなかったが、わたしはこうやのみちがえだわかれして)
サー・ヘンリーの姿はすでにどこにもなかったが、私は荒野の道が枝分かれして
(いるところにくるまでぜんそくりょくでみちをかけた。ここまできたとき、わたしはもしかしてちがった)
いる所に来るまで全速力で道を駆けた。ここまで来た時、私はもしかして違った
(ほうこうにきているのではないかとふあんになり、あたりをみわたせるおかに)
方向に来ているのではないかと不安になり、あたりを見渡せる丘に
(のぼった、 くらいいしきりばがほられたおかだ。すぐにさーへんりーのすがたがみえた。)
登った、―暗い石切り場が掘られた丘だ。すぐにサー・ヘンリーの姿が見えた。