バスカヴィル家の犬47
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問題文
(あがっていくか?ああ、これいじょうかくれているりゆうはない。しかしそのまえに)
「上がっていくか?」「ああ、これ以上隠れている理由はない。しかしその前に
(いっておきたい、わとそん。さーへんりーにいぬのことはなにもいうな。せるでんの)
言っておきたい、ワトソン。サー・ヘンリーに犬の事は何も言うな。セルデンの
(しについては、すていぷるとんがぼくたちをだまそうとしたはなしのままでいいだろう。)
死については、ステイプルトンが僕たちを騙そうとした話のままでいいだろう。
(あしたしれんがまっているかれには、そのほうがせいしんじょうたいにとっていいはずだ。もしぼくが)
明日試練が待っている彼には、その方が精神状態にとっていいはずだ。もし僕が
(きみのほうこくをただしくきおくしていれば、さーへんりーはすていぷるとんきょうだいと)
君の報告を正しく記憶していれば、サー・ヘンリーはステイプルトン兄妹と
(いっしょにしょくじをするやくそくをしていたな そのとおりだ ではきみはいいわけをして)
一緒に食事をする約束をしていたな」「その通りだ」「では君は言い訳をして
(かれひとりでいかせるようにしてくれ。それはかんたんにやれるだろう。それから、)
彼一人で行かせるようにしてくれ。それは簡単にやれるだろう。それから、
(ごうかなゆうしょくにはおそすぎるとしても、おたがいすぐにかるいしょくじにありつきたいじょうきょう)
豪華な夕食には遅すぎるとしても、お互いすぐに軽い食事にありつきたい状況
(じゃないかな さーへんりーはしゃーろっくほーむずのすがたをみて、おどろくよりも)
じゃないかな」サー・ヘンリーはシャーロックホームズの姿を見て、驚くよりも
(かんげいした。かれは、さいきんのできごとでほーむずがろんどんからくるのではないかと、)
歓迎した。彼は、最近の出来事でホームズがロンドンから来るのではないかと、
(ここすうじつきたいしていたからだ。しかし、ほーむずがにもつをなにももっていないのに)
ここ数日期待していたからだ。しかし、ホームズが荷物を何も持っていないのに
(きづき、てぶらのりゆうもせつめいされなかったので、いぶかしそうなひょうじょうを)
気づき、手ぶらの理由も説明されなかったので、いぶかしそうな表情を
(していた。すぐ、ほーむずにひつようなものをじゅんびし、それからおそいゆうしょくをとりながら)
していた。すぐ、ホームズに必要な物を準備し、それから遅い夕食をとりながら
(わたしたちは、さーへんりーにこんやのできごとをひつようさいしょうげんのはんいでせつめいした。)
私たちは、サー・ヘンリーに今夜の出来事を必要最小限の範囲で説明した。
(しかしそのまえに、わたしにはばりもあとそのつまにせるでんのしをほうこくするという、)
しかしその前に、私にはバリモアとその妻にセルデンの死を報告するという、
(いやなにんむがあった。このしらせは、おっとにとってはかんぜんなへいあんをもたらしたかも)
嫌な任務があった。この知らせは、夫にとっては完全な平安をもたらしたかも
(しれないが、つまはこれをきいて、えぷろんにかおをうめてくるしくないた。)
しれないが、妻はこれを聞いて、エプロンに顔を埋めて苦しく泣いた。
(せかいにとってかれははんぶんけものではんぶんあくまの、きょうぼうなおとこだ。しかしかのじょにとって、かれは)
世界にとって彼は半分獣で半分悪魔の、凶暴な男だ。しかし彼女にとって、彼は
(いつまでもしょうじょのころにじぶんのてにしがみついてきた、ちいさないたずらずきの)
いつまでも少女の頃に自分の手にしがみついてきた、小さないたずら好きの
(しょうねんのままだった。ほんとうのあくまでないかぎり、じぶんのためにないてくれるおんなが)
少年のままだった。本当の悪魔でない限り、自分のために泣いてくれる女が
(ひとりくらいはいるものだ。わたしはわとそんがあさでかけてから、いちにちじゅういえで)
一人くらいはいるものだ。「私はワトソンが朝出かけてから、一日中家で
(ぶらぶらしていました じゅんだんしゃくはいった。わたしがやくそくをまもったことを、ほめて)
ぶらぶらしていました」準男爵は言った。「私が約束を守った事を、誉めて
(もらってもいいとおもいます。もしひとりでであるかないとちかっていなかったら、わたしは)
もらってもいいと思います。もし一人で出歩かないと誓っていなかったら、私は
(もっとおもしろいよるをすごせたかもしれません。すていぷるとんからしょうたいをうけて)
もっと面白い夜を過ごせたかもしれません。ステイプルトンから招待を受けて
(いましたのでね まちがいなく、もっとおもしろいよるをすごせたでしょうね)
いましたのでね」「間違いなく、もっと面白い夜を過ごせたでしょうね」
(ほーむずはひにくっぽくいった。ところで、わたしたちは、あなたがくびをおられて)
ホームズは皮肉っぽく言った。「ところで、私たちは、あなたが首を折られて
(いるのをなげきかなしんでいたんですが、それをちゃんとりかいされていない)
いるのを嘆き悲しんでいたんですが、それをちゃんと理解されていない
(ようですね さーへんりーはめをまるくした。どういうことです?あわれな)
ようですね」サー・ヘンリーは目を丸くした。「どういうことです?」「哀れな
(あくとうはあなたのふくをきていました。ばりもあがあなたのふくをせるでんにわたした)
悪党はあなたの服を着ていました。バリモアがあなたの服をセルデンに渡した
(ことで、けいさつとやっかいなことにならないかとしんぱいです それはないとおもいます。)
ことで、警察と厄介な事にならないかと心配です」「それはないとおもいます。
(わたしがしっているかぎりあのふくのどれにもしるしはついていませんでした それは)
私が知っている限りあの服のどれにも印はついていませんでした」「それは
(かれにとってこううんでした、 じつは、あなたがたぜんいんにとってこううんでした。みなさんは)
彼にとって幸運でした、―実は、あなた方全員にとって幸運でした。皆さんは
(このけんでほうをおかしています。わたしがげんかくなたんていであれば、まっさきにここのかぞく)
この件で法を犯しています。私が厳格な探偵であれば、真っ先にここの家族
(ぜんいんをたいほすべきだとかんがえなくてよいのか、ちょっとなやむところです。)
全員を逮捕すべきだと考えなくてよいのか、ちょっと悩むところです。
(わとそんのてがみはだいいっきゅうのしょうこになります しかしこのじけんは)
ワトソンの手紙は第一級の証拠になります」「しかしこの事件は
(どうなんです?じゅんだんしゃくがきいた。もつれたいとからなにかてがかりが)
どうなんです?」準男爵が訊いた。「もつれた糸から何か手がかりが
(みつかりましたか?ここにきてから、わとそんとわたしがうまくこうどうしたのかはよく)
見つかりましたか?ここに来てから、ワトソンと私が上手く行動したのかはよく
(わかりませんが ちかいうちに、わたしはじょうきょうをもっとくわしくせつめいできるように)
分かりませんが」「近いうちに、私は状況をもっと詳しく説明できるように
(なるとかんがえています。このじけんは、とくにむずかしくひじょうにこみいったじけんです。まだ)
なると考えています。この事件は、特に難しく非常に込み入った事件です。まだ
(あきらかにしなければならないてんが、いくつかのこっています、 しかし、それでも)
明らかにしなければならない点が、いくつか残っています、―しかし、それでも
(かならずはっきりさせます わとそんがきっとほうこくしているとおもいますが、わたしたちは)
必ずはっきりさせます」「ワトソンがきっと報告していると思いますが、私達は
(こうやでいぬのなきごえをききました。ですから、あのでんせつがまったくこんきょのない)
荒野で犬の鳴き声を聞きました。ですから、あの伝説がまったく根拠のない
(めいしんではないことは、ちかっていえます。わたしはあめりかでいぬとせっしたことが)
迷信ではない事は、誓って言えます。私はアメリカで犬と接したことが
(ありますから、いぬのこえはききまちがえません。もしあのいぬにくちわをつけてつなぎ)
ありますから、犬の声は聞き間違えません。もしあの犬に口輪をつけて繋ぎ
(とめることができれば、わたしはよろこんであなたがせかいいちのたんていだとみとめます)
とめることができれば、私は喜んであなたが世界一の探偵だと認めます」
(あなたにきょうりょくしていただければ、しっかりといぬにくちわとつなをつけられると)
「あなたに協力していただければ、しっかりと犬に口輪と綱をつけられると
(おもいます なんでもおっしゃっていただければそのとおりにします)
思います」「何でもおっしゃっていただければその通りにします」
(ありがとうございます。そのうえ、なにもりゆうをきかずに、だまっていうとおりにして)
「ありがとうございます。その上、何も理由を訊かずに、黙って言う通りにして
(いただくようにおねがいしたいのですが おのぞみどおりにします もし)
いただくようにお願いしたいのですが」「お望みどおりにします」「もし
(そうしていただければ、このもんだいはすぐにかいけつできるこうさんがつよいとかんがえて)
そうしていただければ、この問題はすぐに解決できる公算が強いと考えて
(います。まちがいなく かれはとつぜんにはなしをとめ、わたしのずじょうのくうかんをじっと)
います。間違いなく・・・・」彼は突然に話を止め、私の頭上の空間をじっと
(にらみつけた。らんぷのひかりがかれのかおをてらしていた。かれはひじょうにねっしんでみじろぎ)
睨みつけた。ランプの光が彼の顔を照らしていた。彼は非常に熱心で身じろぎ
(ひとつしなかったので、まるで、えいびんさときぼうをひとのかたちでひょうげんしたあざやかな)
一つしなかったので、まるで、鋭敏さと希望を人の形で表現した鮮やかな
(こてんてきちょうぞうのようだった。どうしたんです?わたしたちはふたりともさけんだ。かれが)
古典的彫像のようだった。「どうしたんです?」私達は二人とも叫んだ。彼が
(めをおろしたとき、わたしはかれがないめんのかんじょうをおもてにださないようにしていることが)
目を下ろした時、私は彼が内面の感情を表に出さないようにしていることが
(わかった。ひょうじょうはしずかでおちついていたが、そのめはかんきにかがやいていた。)
分かった。表情は静かで落ち着いていたが、その目は歓喜に輝いていた。
(わたしはかいがにめがないので、ついみとれてしまいました かれははんたいがわのかべを)
「私は絵画に目がないので、つい見とれてしまいました」彼は反対側の壁を
(おおっているしょうぞうがのれつにむけててをふりながらいった。わとそんはわたしがげいじゅつに)
覆っている肖像画の列に向けて手を振りながら言った。「ワトソンは私が芸術に
(ぞうけいがふかいのをみとめようとしませんが、それはただのしっとです。わとそんと)
造詣が深いのを認めようとしませんが、それはただの嫉妬です。ワトソンと
(わたしでは、げいじゅつのこのみがちがうようですね。ほんとうにひじょうにすばらしいしょうぞうがばかり)
私では、芸術の好みが違うようですね。本当に非常に素晴らしい肖像画ばかり
(ですね そういっていただけてうれしいですね さーへんりーはほーむずに)
ですね」「そう言っていただけて嬉しいですね」サー・ヘンリーはホームズに
(ちょっとおどろいためをむけながらいった。ほーむずさんがこういうことに)
ちょっと驚いた目を向けながら言った。「ホームズさんがこういう事に
(くわしいとはおもいませんでした。わたしはえよりもうまやうしのほうがひょうかできるほうで。)
詳しいとは思いませんでした。私は絵よりも馬や牛の方が評価できるほうで。
(ほーむずさんがそういうほうめんにじかんをさくことができたとはしりませんでした)
ホームズさんがそういう方面に時間を割く事ができたとは知りませんでした」
(いいものはみればわかります。こちらのえはめいひんぞろいですね。むこうのあおい)
「いいものは見れば分かります。こちらの絵は名品ぞろいですね。向こうの青い
(きぬのどれすのじょせいはまずまちがいなくねらーです。かつらをつけたふとっただんせいは)
絹のドレスの女性はまず間違いなくネラーです。かつらをつけた太った男性は
(れなるずのさくひんのはずです。これらはいちぞくのしょうぞうがですね?ぜんぶそうです)
レナルズの作品のはずです。これらは一族の肖像画ですね?」「全部そうです」
(なまえはごぞんじですか?ばりもあがわたしにおしえてくれました。ちゃんとおぼえた)
「名前はご存知ですか?」「バリモアが私に教えてくれました。ちゃんと覚えた
(つもりです ぼうえんきょうをもったしんしはだれですか?ばすかヴぃるかいぐんしょうさ)
つもりです」「望遠鏡を持った紳士はだれですか?」「バスカヴィル海軍少佐
(です。にしいんどしょとうでろどにーていとくにつかえていました。あおいうわぎをきてまきものを)
です。西インド諸島でロドニー提督に仕えていました。青い上着を着て巻物を
(もっているのが、さーうぃりあむばすかヴぃる、かれはぴっとしゅしょうのかいんの)
持っているのが、サー・ウィリアム・バスカヴィル、彼はピット首相の下院の
(いいんかいぎちょうでした わたしのむかいのきし、くろのべるべっとのふくとれーすの)
委員会議長でした」「私の向かいの騎士、黒のベルベットの服とレースの
(じんぶつは?ああ、とうぜんしっておくべきじんぶつですね。あれはすべてのわざわいのげんいん、)
人物は?」「ああ、当然知っておくべき人物ですね。あれは全ての災いの原因、
(じゃあくなひゅーごーです。かれがばすかヴぃるのいぬのげんいんとなりました。このおとこを)
邪悪なヒューゴーです。彼がバスカヴィルの犬の原因となりました。この男を
(わすれることはできないでしょう わたしはちょっとおどろいたが、きょうみをひかれてしょうぞうがを)
忘れる事はできないでしょう」私はちょっと驚いたが、興味をひかれて肖像画を
(じっとみた。いやはや!ほーむずはいった。ものしずかでおとなしいにんげんの)
じっと見た。「いやはや!」ホームズは言った。「物静かでおとなしい人間の
(ようにみえますが、めにはあくまがひそんでいるようですね。わたしはもっと)
ように見えますが、目には悪魔が潜んでいるようですね。私はもっと
(がっしりしたあらっぽいおとこをそうぞうしていました しょうぞうがのゆらいに)
がっしりした荒っぽい男を想像していました」「肖像画の由来に
(ぎもんはありません。なまえと1647というひづけが、きゃんばすのうらにかいて)
疑問はありません。名前と1647という日付が、キャンバスの裏に書いて
(あります ほーむずはそれいじょうほとんどかたらなかったが、むかしのばかさわぎおとこの)
あります」ホームズはそれ以上ほとんど語らなかったが、昔の馬鹿騒ぎ男の
(しょうぞうがにみりょうされたようで、ゆうしょくのあいだじゅうずっとそのえにみいっていた。そのあと、)
肖像画に魅了されたようで、夕食の間中ずっとその絵に見入っていた。その後、
(さーへんりーがじしつにさがるまで、わたしはかれがなにをかんがえているのか)
サー・ヘンリーが自室に下がるまで、私は彼が何を考えているのか
(りかいできなかった。かれはもういちどわたしをしょくどうにつれていき、しんしつのろうそくを)
理解できなかった。彼はもう一度私を食堂に連れて行き、寝室のロウソクを
(てにして、ときがたってくすんだかべのしょうぞうがにかかげた。なにかわかるか?)
手にして、時が経ってくすんだ壁の肖像画に掲げた。「何か分かるか?」