バスカヴィル家の犬53
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問題文
(かれがにげられたばしょはひとつしかありません かのじょはこたえた。ぬまちのまんなかの)
「彼が逃げられた場所は一つしかありません」彼女は答えた。「沼地の真中の
(しまに、ふるいすずこうざんがあります。かれはそこでいぬをかっていました。そしてかれが)
島に、古い錫鉱山があります。彼はそこで犬を飼っていました。そして彼が
(ひなんするときにそなえてよういしていたのもあそこです。かれがにげたのはあそこです)
避難する時に備えて用意していたのもあそこです。彼が逃げたのはあそこです」
(きりのかたまりがしろいうーるのようにおしよせていた。ほーむずはらんぷをそれに)
霧の塊が白いウールのように押し寄せていた。ホームズはランプをそれに
(かかげた。ごらんなさい かれはいった。こんやはぐりんぺんぬまちにはいるみちを)
掲げた。「ご覧なさい」彼は言った。「今夜はグリンペン沼地に入る道を
(みつけることはできなかった かのじょはわらっててをたたいた。かのじょのめとはが)
見つけることは出来なかった」彼女は笑って手を叩いた。彼女の目と歯が
(はげしいかんきにひかった。かれははいるみちをみつけるかもしれませんが)
激しい歓喜に光った。「彼は入る道を見つけるかもしれませんが
(でてはこれません かのじょはいった。こんやどのようにしてあんないぼうを)
出てはこれません」彼女は言った。「今夜どのようにして案内棒を
(みつけられるでしょうか?わたしはかれといっしょに、ぬまちをこえるみちのめじるしに、それを)
見つけられるでしょうか?私は彼と一緒に、沼地を越える道の目印に、それを
(うめました。ああ、きょうそれをぬいてしまえたら。そうすればかれはあなたがたの)
埋めました。ああ、今日それを抜いてしまえたら。そうすれば彼はあなた方の
(てのなかです!このきりがはれるまでは、ついせきがむいみなのはあきらかだった。)
手の中です!」この霧が晴れるまでは、追跡が無意味なのは明らかだった。
(それまでのあいだわれわれはれすとれーどをいえのばんにのこし、ほーむずとわたしはじゅんだんしゃくと)
それまでの間我々はレストレードを家の番に残し、ホームズと私は準男爵と
(いっしょにばすかヴぃるかんにもどった。すていぷるとんきょうだいのはなしはこれいじょうかれに)
一緒にバスカヴィル館に戻った。ステイプルトン兄妹の話はこれ以上彼に
(かくしておけなかった。かれがあいしていたじょせいのしんじつをしったとき、かれはそのだげきを)
隠しておけなかった。彼が愛していた女性の真実を知った時、彼はその打撃を
(ゆうかんにうけとめた。しかしこのよるのぼうけんのしょうげきは、かれのしんけいをこなごなにし、)
勇敢に受け止めた。しかしこの夜の冒険の衝撃は、彼の神経を粉々にし、
(あさがくるまえに、かれはもーてぃまーいしのかいごをうけながらたかいねつをだして)
朝が来る前に、彼はモーティマー医師の介護を受けながら高い熱を出して
(いしきがこんだくしてねこんだ。かれらふたりは、いっしょにせかいをりょこうするうんめいにあった。)
意識が混濁して寝込んだ。彼ら二人は、一緒に世界を旅行する運命にあった。
(さーへんりーがもういちどかつてのようにげんきのあるがんじょうなおとこにもどるまで。)
サー・ヘンリーがもう一度かつてのように元気のある頑丈な男に戻るまで。
(あのふきつなとちのしゅじんとなるまで。ここで、わたしはすぐにこのきみょうなはなしのけつまつに)
あの不吉な土地の主人となるまで。ここで、私はすぐにこの奇妙な話の結末に
(うつることにしよう。そのはなしで、わたしはどくしゃにこれらのくらいきょうふとぼんやりした)
移ることにしよう。その話で、私は読者にこれらの暗い恐怖とぼんやりした
(おくそくをきょうゆうできるようにこころがけてきた。われわれのせいかつをこんなにもながいあいだ)
憶測を共有できるように心がけてきた。我々の生活をこんなにも長い間
(かげらせてきた。そしてこんなにもひげきてきにしゅうけつをむかえた。いぬのしのつぎのあさ、)
かげらせてきた。そしてこんなにも悲劇的に終結を迎えた。犬の死の次の朝、
(きりはなくなっていた。そしてわれわれはみせすすていぷるとんに、かれらがぬまちを)
霧はなくなっていた。そして我々はミセス・ステイプルトンに、彼らが沼地を
(ぬけるみちをみつけていたそのばしょにあんないされた。われわれがねっしんさとよろこびをみたとき、)
抜ける道を見つけていたその場所に案内された。我々が熱心さと喜びを見た時、
(このじょせいのせいかつのきょうふをりかいするてだすけとなり、かのじょのおっとのあとにわれわれをみちびく。)
この女性の生活の恐怖を理解する手助けとなり、彼女の夫の跡に我々を導く。
(かのじょがたっているでいたんのはんとうから、こうだいなぬまちにむかってさきぼそりになって)
彼女が立っている泥炭の半島から、広大な沼地に向かって先細りになって
(わかれている。そのいちばんさきからちいさなえだがあちらこちらにうえてあった。)
別れている。その一番先から小さな枝があちらこちらに植えてあった。
(みどりのひまくにおおわれたあなやきたないぬまちのあいだを、いぐさのしげみからしげみへとじぐざぐに)
緑の皮膜に覆われた穴や汚い沼地の間を、イグサの茂みから茂みへとジグザグに
(すすむみちをしめし、みしらぬもののしんにゅうをはばんでいた。おいしげるあしとあおあおとした)
進む道を示し、見知らぬものの侵入を阻んでいた。生い茂るアシと青々とした
(どろどろのみずくさが、くさったにおいとこいふはいがすをわれわれのかおへとはなっていた。)
どろどろの水草が、腐った臭いと濃い腐敗ガスを我々の顔へと放っていた。
(くらいふるえるぬまちのなかへ、まちがってあしをふみだすともものふかさまでめりこんだ。)
暗い震える沼地の中へ、間違って足を踏み出すと腿の深さまでめり込んだ。
(ぬまはあしのまわりになんやーどにわたってやわらかなうねりをおこした。われわれがあるくときに)
沼は足の回りに何ヤードにわたって柔らかなうねりを起こした。我々が歩く時に
(しつこいちからがかかとをひっぱった。そしてわれわれがそこにしずみこんだとき、あたかも)
しつこい力がかかとを引っ張った。そして我々がそこに沈み込んだ時、あたかも
(あくいあるてがひっぱっているかのようだった。このむねのわるくなるような)
悪意ある手が引っ張っているかのようだった。この胸の悪くなるような
(ふかみのなかへと、わたしたちをひきこもうとにぎるちからはひじょうにぶきみでいとてきだった。)
深みの中へと、私たちを引き込もうと握る力は非常に不気味で意図的だった。
(だれかがわれわれのまえにこのみちをとおったこんせきを、いちどだけみた。わたすげのくさむらの)
誰かが我々の前にこの道を通った痕跡を、一度だけ見た。ワタスゲの草むらの
(どろのあいだから、なにかくろいぶったいがつきでていた。みちからそれをつかまえようと)
泥の間から、何か黒い物体が突き出ていた。道からそれを捕まえようと
(ふみだしたときほーむずはこしまでしずみこんだ。そしてもしわれわれがそこにいて)
踏み出した時ホームズは腰まで沈み込んだ。そしてもし我々がそこにいて
(かれをひっぱりださなかったら、かれはにどとかたいじめんにたつことは)
彼を引っ張り出さなかったら、彼は二度と固い地面に立つことは
(できなかっただろう。かれはふるいくろくつをかかげた。めいやーず、とろんと と)
出来なかっただろう。彼は古い黒靴を掲げた。「メイヤーズ、トロント」と
(うちがわのかわにいんじされていた。どろぶろにはいったかちはある かれはいった。)
内側の革に印字されていた。「泥風呂に入った価値はある」彼は言った。
(これはわれらがゆうじんさーへんりーのなくなったくつだ すていぷるとんが)
「これは我らが友人サー・ヘンリーのなくなった靴だ」「ステイプルトンが
(にげるときになげすてたものだ そのとおり。いぬにあとをおわせるためにつかったあと)
逃げるときに投げ捨てたものだ」「その通り。犬に跡を追わせるために使った後
(かれはこれをてにしていた。それをにぎりしめたまま、かれはすべてがおわったと)
彼はこれを手にしていた。それを握りしめたまま、彼は全てが終わったと
(わかりとうそうした。そしてかれはにげるとちゅうこのちてんでくつをなげすてた。)
分かり逃走した。そして彼は逃げる途中この地点で靴を投げ捨てた。
(すくなくともかれがぶじにここまできたのはまちがいない いろいろとそうぞうするよちは)
少なくとも彼が無事にここまで来たのは間違いない」色々と想像する余地は
(たくさんあるが、しかしそれいじょうのことはしりえないうんめいだった。ぬまちであしあとを)
沢山あるが、しかしそれ以上の事は知りえない運命だった。沼地で足跡を
(みつけるかのうせいはない。しかしわれわれがついにぬまちをこえて、ややかたいじめんに)
見つける可能性はない。しかし我々がついに沼地を越えて、やや固い地面に
(とうたつしたとき、われわれはけんめいにあしあとをさがした。しかしどんなわずかなこんせきもめに)
到達した時、我々は懸命に足跡を探した。しかしどんな僅かな痕跡も目に
(とまらなかった。もしだいちがしんじつをものがたっているなら、すていぷるとんは)
とまらなかった。もし大地が真実を物語っているなら、ステイプルトンは
(さくや、きりのなかをもがきながらむかっていた、しまのひなんばしょには)
昨夜、霧の中をもがきながら向かっていた、島の避難場所には
(とうたつできなかった。このこうだいなぐりんぺんぬまちのどこかふところふかく、こうだいなぬまの)
到達できなかった。この広大なグリンペン沼地のどこか懐深く、広大な沼の
(きたないどろのしたにかれはのみこまれ、このれいこくでざんこくなこころのおとこはえいえんにうまっている。)
汚い泥の下に彼は飲み込まれ、この冷酷で残酷な心の男は永遠に埋まっている。
(ぬまちにかこまれたしまでたくさんのかれのこんせきがみつかった。そこでかれはどうもうな)
沼地に囲まれた島でたくさんの彼の痕跡が見つかった。そこで彼は獰猛な
(きょうりょくしゃをかくしていた。おおきなどうりんと、がらくたにはんぶんうずもれたたてくいは、)
協力者を隠していた。大きな動輪と、ガラクタに半分埋もれた縦杭は、
(いきされたこうざんのいちをしめしていた。そのわきにまちがいなくたいきょさせられた)
遺棄された鉱山の位置を示していた。その脇に間違いなく退去させられた
(ぬまちのにおいでとりかこまれた、くずれおちたこうざんふのじゅうきょあとがあり、)
沼地のにおいで取り囲まれた、崩れ落ちた鉱山夫の住居跡があり、
(そのひとつのなかに、あのどうぶつとかじられたたいりょうのほねとひとつのかすがいとくさりとともに)
その一つの中に、あの動物とかじられた大量の骨と一つのカスガイと鎖と共に
(とじこめられていた。もつれたちゃいろのけがこびりついているずがいこつが、)
閉じ込められていた。もつれた茶色の毛がこびりついている頭蓋骨が、
(ごみのあいだにおかれていた。いぬだ!ほーむずがいった。なんと、まきげの)
ゴミの間に置かれていた。「犬だ!」ホームズが言った。「なんと、巻き毛の
(すぱにえるだ。かわいそうにもーてぃまーはぺっとにはさいかいできないな。)
スパニエルだ。かわいそうにモーティマーはペットには再会できないな。
(われわれがまだみぬいていないこのばしょに、もうひみつがかくされているとは)
我々がまだ見抜いていないこの場所に、もう秘密が隠されているとは
(おもえないな。かれはここにいぬをかくすことができた。しかしこえをかくすことは)
思えないな。彼はここに犬を隠すことができた。しかし声を隠すことは
(できなかった。だから、ひるまにきいてもぞっとするほえごえがきこえてきたのだ。)
できなかった。だから、昼間に聞いてもぞっとする吠え声が聞こえてきたのだ。
(ひじょうじには、かれはめりぴっとのなやにいぬをおいたかもしれない。しかしそれは)
非常時には、彼はメリピットの納屋に犬を置いたかもしれない。しかしそれは
(きけんをともなう。だからじゅうだいなきょくめんをむかえたひだけだった。かれがあえてそうしたのは)
危険を伴う。だから重大な局面を迎えた日だけだった。彼があえてそうしたのは
(かれがじぶんのどりょくのさいごのしあげになるとみなしたから。このかんのなかの)
彼が自分の努力の最後の仕上げになると見なしたから。この缶の中の
(のりのようなものはまちがいなく、あのいきものにぬったけいこうのちょうごうざいだ。)
糊のようなものは間違いなく、あの生き物に塗った蛍光の調合材だ。
(ろうさーちゃーるずをしにおいやりたいというよくぼうから、あのかけいのあくまけんの)
老サー・チャールズを死に追いやりたいという欲望から、あの家系の悪魔犬の
(はなしからひんとをえていた。さーへんりーでさえそうしたように、そして)
話からヒントを得ていた。サー・ヘンリーでさえそうしたように、そして
(われわれでさえそうだったかもしれないが、こうやのくらやみのなかをとびはねながら)
我々でさえそうだったかもしれないが、荒野の暗闇の中を跳び跳ねながら
(じぶんのあとをつけてくる、あんないきものをみたとき、あのあわれなしゅうじんがひめいを)
自分の跡をつけてくる、あんな生き物を見たとき、あの哀れな囚人が悲鳴を
(あげてにげたのもむりはない。これはこうみょうなけいりゃくだ。ぎせいしゃをしにおいやる)
上げて逃げたのも無理はない。これは巧妙な計略だ。犠牲者を死に追いやる
(というきかいをべつにしても、こんないきものをにゅうねんに、どんなのうふがあえてしらべて)
という機会を別にしても、こんな生き物を入念に、どんな農夫があえて調べて
(みようとするだろう。ぼくはこれをろんどんでいった。わとそん、もういちど)
みようとするだろう。僕はこれをロンドンで言った。ワトソン、もう一度
(いおう。われわれがたいほのてだすけをしたなかに、あそこにしずんでいるおとこよりもっと)
言おう。我々が逮捕の手助けをした中に、あそこに沈んでいる男よりもっと
(きけんなおとこはいなかった かれはながいうでをふった。みどりのしみのあるぬまのこうだいな)
危険な男はいなかった」彼は長い腕を振った。緑の染みのある沼の広大な
(まだらのひろがりにむかって、こうやのあずきいろのしゃめんにとけこんでいくまで、)
まだらの広がりに向かって、荒野の小豆色の斜面に溶け込んでいくまで、
(とおくにむかってのびていく。)
遠くに向かって延びていく。