invisible-teto

(なみだがかれるころにあすふぁるともかわいて)

涙が枯れるころにアスファルトも乾いて

(がいとうはまばたいている)

街頭は瞬いている

(てんめつくりかえしまるでおれのきぶんをうつしだしている)

点滅繰り返し　まるで俺の気分を　映し出している

(からだはすきとおってだれにもきづかれず)

身体は透き通って　誰にも気づかれず

(どうやらおれはいまむいみでむかちでいるようだ)

どうやら俺は今　無意味で無価値でいるようだ

(このままここにいたあかしがなくなるというなら)

このままここに居た　証がなくなるというなら

(そのまえにただひとつふたつみっつよっつ)

その前にただひとつ　ふたつ　みっつ　よっつ

(こがれるほどにこいしてみたい)

焦がれるほどに恋してみたい

(あふれるほどにあいしてみたい)

溢れるほどに愛してみたい

(とうめいのままであればかなうことはないのでしょう)

透明のままであれば　叶うことはないのでしょう

(そうか)

そうか

(めのまえでかわされたあいのちかいをつぐはなよめの)

目の前で交わされた　愛の誓いを告ぐ　花嫁の

(きずついたかずをうわまわるつつみこむあまいきすを)

傷ついた数を上回る　包み込む甘いキスを

(たたずんでながめていた)

佇んで眺めていた

(ゆうぐれすぎたころすこしきぶくれたこどもが)

夕暮れ過ぎた頃　少し着ぶくれた子供が

(じてんしゃでおれをすりぬけいえでまつははにあいにいく)

自転車で俺をすり抜け　家で待つ母に会いに行く

(このままここにいたあかしがなくなるというのなら)

このままここに居た　証がなくなるというのなら

(そのまえにただひとつふたつみっつよっつ)

そのまえにただひとつ　ふたつ　みっつ　よっつ

(こがれるほどにこいしてみたい)

焦がれるほどに恋してみたい

(あふれるほどにあいしてみたい)

溢れるほどに愛してみたい

(とうめいのままであればかなうことはないのでしょう)

透明のままであれば叶うことはないのでしょう

(そうか)

そうか

(ひがいづるまえに)

日が出る前に

(つきがかくまえに)

月が欠く前に

(ゆめになるまえに)

夢になる前に

(おまえをみつけに)

お前を見つけに

(こがれるほどにこいしてみたい)

焦がれるほどに恋してみたい

(あふれるほどにあいしてみたい)

溢れるほどに愛してみたい

(とうめいのままであればかなうことはないのでしょう)

透明のままであれば叶うことはないのでしょう

(だれからもあいてにされずに)

誰からも相手にされずに

(このままきえてしまうまえに)

このまま消えてしまう前に

(どこからかよばれたこえが)

どこからか呼ばれた声が

(かすかにいろづけてくれるのだろう)

微かに色づけてくれるのだろう