美由紀と美雪1

(せつめいしないわけにはいかない、わたしはかいしゃへむかった。)

説明しないわけにはいかない、私は会社へむかった。

(じんじぶのへやにいくと、けいさつがなんにんもきていて、)

人事部の部屋に行くと、警察が何人も来ていて、

(となりのへやでじじょうをきかれているしゃいんもいた。)

隣の部屋で事情を聴かれている社員もいた。

(「みゆき～！！」)

「美由紀～！！」

(「おちつきなさいよ、あき。」)

「落ち着きなさいよ、亜紀。」

(「あ、せんぱいどうしましょう！！！」)

「あ、先輩どうしましょう！！！」

(「ほら～あんたもおちつくしんじん。」)

「ほら～あんたも落ち着く新人。」

(わたしのことをせんぱいとよぶのはちゅうとさいようの、なかはらたかし)

私の事を先輩と呼ぶのは中途採用の、中原隆。

(とりあえずせつめいしなきゃ。)

とりあえず説明しなきゃ。

(「あのすみません。けいさつのほうごしんぱいおかけしましたが)

「あのすみません。警察の方ご心配おかけしましたが

(じけんではありませんので、おひきとりいただけますか？」)

事件ではありませんので、お引き取りいただけますか？」

(「どういうことです？じけんではないとは？」)

「どういうことです？事件ではないとは？」

(わたしはさくよしごとおわりに、じぶんがあしたやすみであること。)

私は昨夜仕事終わりに、自分が明日休みである事。

(ぶようじんでいくらかぎがかかってもおかねをおいておくのは)

不用心でいくら鍵がかかってもお金を置いておくのは

(いやだったことをはなし、りょこうがいしゃへかえかねをしはらいにいったこと。)

嫌だったことを話し、旅行会社へ代金を支払いに行った事。

(りょうしゅうしょをもっていたので、すべてはなした。)

領収書を持っていたので、すべて話した。

(「じけんでなければいいんですよ。」)

「事件でなければいいんですよ。」

(「たいへんもうしわけございませんでした。」)

「大変申し訳ございませんでした。」

(ふかぶかとあたまをさげけいさつにおひきとりいただいた。)

深々と頭を下げ警察にお引取りいただいた。

(「みゆき、そうならそうとまえもっていってくれないと。」)

「美由紀、そうならそうと前持って言ってくれないと。」

(「あきあなたこそしっかりけいたいみて、わたしめーるおくったわよ。」)

「亜紀あなたこそしっかり携帯見て、私メール送ったわよ。」

(あきはまさかっ？！というかおをしてけいたいをちぇっくした。)

亜紀はまさかッ？！という顔をして携帯をチェックした。

(めーるがめんにわたしのめーるをみつけ、したをだした。)

メール画面に私のメールを見つけ、舌を出した。

(「せんぱい～たのみますよ～」)

「先輩～頼みますよ～」

(なかはらたかしがなさけないかおであきにいった。)

中原　隆が情けない顔で亜紀に言った。

(「なかはらくんもそんななさけないこえださない！)

「中原君もそんな情けない声出さない！

(わたしはかえるわよ。」)

私は帰るわよ。」

(「みゆきあんたまたうみにいってたの？」)

「美由紀あんたまた海に行ってたの？」

(「そうよ。」)

「そうよ。」

(「なんかやんでるの？」)

「なんか病んでるの？」

(「やんでなくてもいくわよ、おちつくからね、)

「病んでなくても行くわよ、落ち着くからね、

(おなかすいた、おひるたべてかえるからもうでんわしないでね。」)

お腹すいた、お昼食べて帰るからもう電話しないでね。」

(「せんぱいおれもいくっす！」)

「先輩俺も行くっス！」

(わたしのあとをなかはらたかしはついてきた)

私の後を中原隆はついてきた

(しかたないのでつれていくことにした。)

仕方ないので連れていく事にした。

(かいしゃちかくのきっさてんみるきーへいった)

会社近くの喫茶店　ミルキーへ行った

(「ますたーまだらんちある？」)

「マスターまだランチある？」

(「あれ？みゆきちゃんきょうはやすみなんじゃないの？」)

「あれ？美由紀ちゃん今日は休みなんじゃないの？」

(「そうよ、でもね、きいてよますたー・・・・・。」)

「そうよ、でもね、聞いてよマスター・・・・・。」

(わたしはいまかいしゃであったいちれんのはなしをますたーにきかせた。)

私は今会社で会った一連の話をマスターに聞かせた。

(ますたーはそりゃーさいなんだなとわらっていた。)

マスターはそりゃー災難だなと笑っていた。

(てんのいちばんおくのせきがわたしのしていせき。)

店の一番奥の席が私の指定席。

(なかはらたかしはわたしのまえにすわっている。)

中原隆は私の前に座っている。

(てーぶるのじょうのちゅうばらのけいたいがふるえた。)

テーブルの上の中原の携帯が震えた。

(「はい、なかはらです、いつもおせわになってます。)

「はい、中原です、いつもお世話になってます。

(はい、えっ？ねつですか？なんどくらい・・・。)

はい、えっ？熱ですか？何度位・・・。

(あっ、はい、なるべくはやくおむかえにいきます。」)

あっ、はい、なるべく早くお迎えに行きます。」

(そういってでんわをきった。)

そう言って電話を切った。

(「だれかびょうき？」)

「誰か病気？」

(「はい、むすめがねつをだしたと。」)

「はい、娘が熱を出したと。」

(「あんた、こどもいたの？！」)

「あんた、子供いたの？！」

(「はい、つまがなくなってしまって、じぶんがそだてています。」)

「はい、妻が亡くなってしまって、自分が育てています。」

(「わたしがおくっていってあげるから、むかえにおこないきなさい。」)

「私が送って行ってあげるから、迎えに行いきなさい。」

(「すみません。」)

「すみません。」

(かいしゃにれんらくをいれ、ほいくえんへむかった。)

会社に連絡を入れ、保育園へ向かった。

(「なまえはなんていうの？」)

「名前はなんていうの？」

(「みゆきっていいます。うつくしいゆきとかいてみゆきです。」)

「美雪って言います。美しい雪と書いてみゆきです。」

(「わたしとおなじなまえなのね、じはちがうけど、かわいいんでしょうね。」)

「私と同じ名前なのね、字は違うけど、可愛いんでしょうね。」

(「そりゃもう、かわいいっす、ぼくににてないから。」)

「そりゃもう、可愛いっす、僕に似てないから。」

(「そ、そうなんだ、おくさんびょうきで？」)

「そ、そうなんだ、奥さん病気で？」

(「はい、もともとあんまりからだがじょうぶじゃなかったから。)

「はい、もともとあんまり体が丈夫じゃなかったから。

(ほんとうはしゅっさんもあぶなかったんですよ。」)

本当は出産も危なかったんですよ。」

(「ひとりじゃたいへんね。」)

「一人じゃ大変ね。」

(「じぶんでえらんだことですから。」)

「自分で選んだことですから。」

(「とちゅうにゅうしゃでじんじぶていじでかえるぶしょきぼうってきいてたから)

「途中入社で人事部定時で帰る部署希望って聞いてたから

(なにかあるとはおもっていたけどね。」)

何かあるとは思っていたけどね。」

(なぜかきになったのでびょういんにいきけまでおくっていった。)

何故か気になったので病院に行き家まで送って行った。

(「ありがとうございました。」)

「ありがとうございました。」

(「あしたはむりしなくていいわよ、)

「明日は無理しなくていいわよ、

(いそぎのしごともないし。みゆきちゃんのことみてあげなさい。」)

急ぎの仕事も無いし。美雪ちゃんの事見てあげなさい。」

(「ありがとうございます。」)

「ありがとうございます。」

(みゆきちゃんかわいかったな～とおもいながらいえじについた。)

美雪ちゃん可愛かったな～と思いながら家路についた。