俺とお前とあなたと私9
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問題文
(しせつへかずまくんとまさとくんをおくりとどけたわたしたちふたりは、)
施設へ一馬君と正人君を送り届けた私達二人は、
(しせつちょうのはっきりしないたいどにしゃくぜんとしないきもちでいた。)
施設長のはっきりしない態度に釈然としない気持ちでいた。
(「たけうちせんせい、どうおもいました?しせつちょうのあのはぎれのわるいいいかた」)
「竹内先生、どう思いました?施設長のあの歯切れの悪い言い方」
(「ぼくもおなじことかんがえてました。)
「僕も同じこと考えてました。
(あのしせつにはなにかぼくたちのしらないことがある」)
あの施設には何か僕たちの知らない事がある」
(「そうですよね。あのふたりはきっと、わたしたちになにかいいたかった」)
「そうですよね。あの二人はきっと、私たちに何か言いたかった」
(「ぼくもそうおもいます。」)
「僕もそう思います。」
(わたしたちは、かんがえこんでしまった。)
私たちは、考え込んでしまった。
(ほんとうのことはだれにもいうことはできない。)
本当のことは誰にも言うことは出来ない。
(そんなことをいえばわたしもたけうちせんせいもこまることになる。)
そんなことを言えば私も竹内先生も困る事になる。
(それにあのこたちとやくそくしたのだ、4にんだけのひみつだと。)
それにあの子達と約束したのだ、4人だけの秘密だと。
(いえにかえってから、ためいきしかついていなかった。)
家に帰ってから、ため息しかついていなかった。
(「ねえ、さっきからなにためいきついてるのよ。」)
「ねえ、さっきから何ためいきついてるのよ。」
(「このあいだいったしせつにわたしとおなじこどもがいたのよ。)
「この間行った施設に私と同じ子供がいたのよ。
(あなたもわかってるでしょ?いっしょにいたんだから。」)
あなたもわかってるでしょ?一緒にいたんだから。」
(「あのこたち、あんしんしたかおしてたものね、)
「あの子達、安心した顔してたものね、
(こどもながらになやんでたんだともうわ。」)
子供ながらに悩んでたんだともうわ。」
(「そうなのよ、まだまだなにかいいたいことがあるのよ。)
「そうなのよ、まだまだ何か言いたいことがあるのよ。
(あのふたりにあってはなしをきかなきゃいけないわよね。」)
あの二人に会って話を聞かなきゃいけないわよね。」
(わたしはたけうちせんせいにでんわをした。)
私は竹内先生に電話をした。
(たけうちせんせいもおなじことをかんがえていた。)
竹内先生も同じ事を考えていた。
(ふたりからちょくせつはなしをきくことができないか、)
二人から直接話を聞くことが出来ないか、
(あのふたりだけをしせつからよびだすほうほうはないか。)
あの二人だけを施設から呼び出す方法はないか。
(わたしたちはおそくまででんわでそうだんしていた。)
私たちは遅くまで電話で相談していた。
(しゅうまつ、たけうちせんせいとやくそくのふぁみれすへむかった。)
週末、竹内先生と約束のファミレスへ向かった。
(わたしたちはみせのなるべくおくのせきにすわった。)
私たちは店のなるべく奥の席に座った。
(ほかのひとにはなしをきかれたいためだった。)
他の人に話を聞かれたいためだった。
(「きうちせんせい、ぼくかんがえたんですけどあのこたちのかよっているがっこうのせんせいと)
「木内先生、僕考えたんですけどあの子たちの通っている学校の先生と
(いちどはなしをしてなにかきかくできないかと。」)
一度話をして何か企画できないかと。」
(「きかくですか?」)
「企画ですか?」
(「おもてむきはがっこうどうしのこうりゅうをふかめるというめいもくで、)
「表向きは学校同士の交流を深めるという名目で、
(おたがいのせいとをこうかんして、じぶんのがっこうのせんせいにいえないことをせいとからきくんです)
お互いの生徒を交換して、自分の学校の先生に言えない事を生徒から聞くんです
(そうすればあのこたちふたりからはなしがきけるんじゃないかな?」)
そうすればあの子たち二人から話が聞けるんじゃないかな?」
(「なるほど、それいいかんがえかもしれませんね。)
「なるほど、それいい考えかもしれませんね。
(でもわたしはおてつだいできませんね、きょうしじゃないし。」)
でも私はお手伝いできませんね、教師じゃないし。」
(「きうちせんせいは、そのひこのふぁみれすでまっててください)
「木内先生は、その日このファミレスで待っててください
(ぼくがあのふたりをつれてきますから。」)
僕があの二人を連れてきますから。」
(「わかりました。ひにちがきまったらおしえてください。」)
「わかりました。日にちが決まったら教えてください。」
(「さっそくあした、あのこたちのがっこうへれんらくしてみます。」)
「早速明日、あの子たちの学校へ連絡してみます。」
(「おねがいします。」)
「お願いします。」
(「おまえたちいいふんいきじゃないか?」)
「お前たちいい雰囲気じゃないか?」
(たけうちせんせいのかおがまっかになった。)
竹内先生の顔が真っ赤になった。
(「わたしもそうおもうわ」)
「私もそう思うわ」
(わたしのなかのこえもそういった。)
私の中の声もそう言った。
(わたしのかおもあかくなっているにちがいない。)
私の顔も赤くなっているに違いない。
(わたしたちはしたをむいて、ぶつぶつはなしている。)
私たちは下を向いて、ブツブツ話している。
(まわりからみたらかなりこっけいにみえているだろう。)
周りから見たらかなり滑稽に見えているだろう。
(ちいさなこえでたけうちせんせいにはきこえていないようだった。)
小さな声で竹内先生には聞こえていない様だった。
(でもたけうちせんせいのなかのこえはわたしにしっかりきこえていた。)
でも竹内先生の中の声は私にしっかり聞こえていた。
(ちゅうもんしたしょくじがなかなかこないことにはなしをすりかえていた。)
注文した食事がなかなか来ないことに話をすり替えていた。
(きうちせんせいとはなしをしたことを、ぼくはよくじつあのこたちのかよう)
木内先生と話をしたことを、僕は翌日あの子たちの通う
(がっこうへはなしにいった。)
学校へ話に行った。
(しせつにいったときこのがっこうのせんせいはさんかしていなかったので、)
施設に行った時この学校の先生は参加していなかったので、
(そのはなしからはいったほうがつごうがよかった。)
その話からは行った方が都合がよかった。
(ほかのがっこうとのとのこうりゅうはせんぽうのがっこうのせんせいもきょうみがあったようで、)
他の学校とのとの交流は先方の学校の先生も興味があったようで、
(ばなしはいがいとらくにきまった。)
話は意外と楽に決まった。
(がっこうちょうのしょうだくもえられ、あとはにちじのちょうせいのみだった。)
学校長の承諾も得られ、後は日時の調整のみだった。
(できるだけはやいひでじっこうしたいとこちらのきぼうをはなしてきた。)
出来るだけ早い日で実行したいとこちらの希望を話してきた。
(そのことをきうちせんせいにでんわでれんらくして、あとはじっこうするひにちのれんらくのみ)
その事を木内先生に電話で連絡して、後は実行する日にちの連絡のみ
(ぼくときうちせんせいは、あのふたりからしっかりはなしをきこうと)
僕と木内先生は、あの二人からしっかり話を聞こうと
(いけんはいっちしている。)
意見は一致している。
(あのふたりのがっこうでのようすも、そうすればわかるだろう。)
あの二人の学校での様子も、そうすればわかるだろう。
(せんぽうのがっこうかられんらくがあって、げつまつのきんようびにこうりゅうかいをすることになった。)
先方の学校から連絡があって、月末の金曜日に交流会をすることになった。
(せんぽうのがっこうのせんせいがうちのがっこうへ、ぼくがせんぽうのがっこうへでむいて、)
先方の学校の先生がうちの学校へ、僕が先方の学校へ出向いて、
(ほうかごせいとたちからはなしをきくことになった。)
放課後生徒たちから話を聞くことになった。
(こうりゅうかいのとうじつ、ぼくはすこしはやめにがっこうへついていた。)
交流会の当日、僕は少し早めに学校へ着いていた。
(こうていではじどうたちがおもいおもいにあそんでいた。)
校庭では児童たちが思い思いに遊んでいた。
(こうていのすみにふたりのすがたがみえた、しばらくだまってみていた。)
校庭の隅に二人の姿が見えた、しばらく黙って見ていた。
(じょうきゅうせいだろうか、ふたりのそばにちかよってはなしをしていた。)
上級生だろうか、二人の傍に近寄って話をしていた。
(ようすからするとまさとがしたをむいている。)
様子からすると正人が下を向いている。
(かずまはまさとのまえにからだをすこしだしている。)
一馬は正人の前に体を少し出している。
(まさとをかばっているようだった。)
正人をかばっているようだった。
(じょうきゅうせいはかずまのあたまをひとつなぐってそのばからいなくなった。)
上級生は一馬の頭を一つ殴ってその場からいなくなった。
(あのふたりはがっこうでも、ふたりでいるのか・・・。)
あの二人は学校でも、二人でいるのか・・・。
(きょうしつに2にんずつせいとをよんではなしをきいた。)
教室に2人ずつ生徒を呼んで話を聞いた。
(せんせいにたいするふまんやこうしてほしいこと、ともだちのことなどはなしてもらった。)
先生に対する不満やこうして欲しい事、友達の事など話してもらった。
(せんせいにたいするふまんはなかったようだが、)
先生に対する不満はなかったようだが、
(きもちわるいせいとがいるというはなしをするこどもがおおかった。)
気持ち悪い生徒がいるという話をする子供が多かった。
(なまえをきいたところ、まさととかずまだった。)
名前を聞いたところ、正人と一馬だった。
(ふたりはがっこうでもまわりのせいとから、きもいとめでみられているようだった。)
二人は学校でも周りの生徒から、きもいと目で見られているようだった。
(しせつでもがっこうでもあのふたりは、いばしょがないのだろう。)
施設でも学校でもあの二人は、居場所が無いのだろう。
(ひとりのじょせいとからしんじられないはなしをきいた。)
一人の女生徒から信じられない話を聞いた。
(「まさとくんとかずまくんはせんせいからもむしされてる。」)
「正人君と一馬君は先生からも無視されてる。」
(みみをうたがった。)
耳を疑った。
(よくきくと、ふたりのせきはきょうしつのいちばんうしろのまどがわにある。)
よく聞くと、二人の席は教室の一番後ろの窓側にある。
(ふたりならんですわっているが、ぷりんとはいつもふたりのぶんはないという。)
二人並んで座っているが、プリントはいつも二人の分は無いという。
(ふたりがせんせいのところへたりないからくださいととりにいくのだというのだ。)
二人が先生のところへ足りないから下さいととりに行くのだというのだ。
(そうじのときもふたりのつくえははこばないという。)
掃除のときも二人の机は運ばないという。
(みんながさわるのをいやがるというのだ。)
みんなが触るのを嫌がるというのだ。
(ぼくはそのじょせいとにどうしてはなしてくれたのかきいた。)
僕はその女生徒にどうして話してくれたのか聞いた。
(「わたしもおなじだから。」)
「私も同じだから。」
(そのこはなきながらいった。)
その子は泣きながら言った。
(いえでもがっこうでもいばしょがない、おかあさんもきもちわるいといって、)
家でも学校でも居場所がない、お母さんも気持ち悪いといって、
(そばによらないでといわれるというのだ。)
そばに寄らないでと言われるというのだ。
(ぼくはそのじょせいともいっしょにつれていくことにきめた。)
僕はその女生徒も一緒に連れていく事に決めた。
(まさととかずまにはいっしょにかえるようにはなした。)
正人と一馬には一緒に帰るように話した。
(そのじょせいとをつれていくために、きうちせんせいをがっこうへきてもらうことにした。)
その女生徒を連れていくために、木内先生を学校へ来てもらう事にした。