おやゆびひめ 5
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問題文
(なつがすぎて、およめいりのひがちかづいてきました。)
夏が過ぎて、お嫁入りの日が近づいてきました。
(あるひ、おやゆびひめは、なきながらのねずみのおばあさんにいいました。)
ある日、おやゆびひめは、泣きながら野ねずみのおばあさんに言いました。
(「もぐらのおよめさんになるなんて、いやです」)
「もぐらのお嫁さんになるなんて、嫌です」
(「ばかなことを、おいいでない」)
「ばかなことを、おいいでない」
(のねずみのおばあさんは、はをむいていいました。)
野ねずみのおばあさんは、歯をむいて言いました。
(「あんまりごうじょうをはると、このしろいはでかみつくよ。)
「あんまり強情を張ると、この白い歯でかみつくよ。
(こんなけっこうなえんだんを、ぐずぐずいったらばちがあたるよ、ほんとうに。)
こんな結構な縁談を、ぐずぐず言ったら罰が当たるよ、本当に。
(こじきのようだったときのことを、かんがえてごらん」)
こじきのようだった時のことを、考えてごらん」
(おやゆびひめは、もうさからうことはできませんでした。)
おやゆびひめは、もう逆らうことはできませんでした。
(いよいよ、けっこんしきのひがきました。)
いよいよ、結婚式の日がきました。
(もぐらは、つやのあるしるくはっとをかぶって)
もぐらは、つやのあるシルクハットをかぶって
(もーにんぐこーとをきてやってきました。)
モーニングコートを着てやってきました。
(もう、これからは、もぐらといっしょに)
もう、これからは、もぐらと一緒に
(ふかいつちのしただけで、くらさなければなりません。)
深い土の下だけで、暮らさなければなりません。
(おやゆびひめは、「おなごりに、いちどだけ、そとへだしてください」)
おやゆびひめは、「おなごりに、一度だけ、外へ出してください」
(と、もぐらにたのんでとぐちからそとへでました。)
と、もぐらに頼んで戸口から外へ出ました。
(そとはいつかのように、かりとられたむぎのきりかぶだけになっていました。)
外はいつかのように、刈り取られた麦の切り株だけになっていました。
(おやゆびひめは、おひさまにむかっててをさしのべながらいいました。)
おやゆびひめは、お日様に向かって手を差し伸べながら言いました。
(「さようなら、おひさま」)
「さようなら、お日様」
(おやゆびひめのむねは、かなしみでいっぱいでした。)
おやゆびひめの胸は、悲しみでいっぱいでした。
(ちいさなあかいはながさいていたので、りょうてでだきしめて)
小さな赤い花が咲いていたので、両手で抱きしめて
(「もし、あのつばめさんをみかけたら、よろしくいってね」)
「もし、あのつばめさんを見かけたら、よろしく言ってね」
(すると、そのとき、どこかでみょうなこえがしたかとおもうと)
すると、その時、どこかでみょうな声がしたかと思うと
(おやゆびひめめがけて、さっとおおきなとりがまいおりてきました。)
おやゆびひめ目がけて、さっと大きな鳥が舞い降りてきました。
(なんと、それは、いつかのつばめでした。)
なんと、それは、いつかのつばめでした。
(つばめはいいました。「さ、はやくわたしのせなかにおのりなさい。)
つばめは言いました。「さ、早く私の背中にお乗りなさい。
(わたしはこれから、みなみのくにへいくところです」)
私はこれから、南の国へ行くところです」
(おやゆびひめは、ゆめのようなきがしました。)
おやゆびひめは、夢のような気がしました。
(つばめのせなかにのって、たかいそらのうえを、もりをこえうみをこえ)
つばめの背中に乗って、高い空の上を、森を越え海を越え
(まっしろくゆきのつもったやまもこえて、みなみのくにをめざしてとんでいきました。)
真っ白く雪の積もった山も越えて、南の国を目指して飛んでいきました。
(そこは、いちねんじゅうおひさまがかがやいていて、)
そこは、一年中お日様が輝いていて、
(たくさんのはながさいているくにでした。)
たくさんの花が咲いている国でした。
(やがて、あおいみずうみがみえてきました。)
やがて、青い湖が見えてきました。
(みずうみのそばには、みどりのきぎにかこまれた、だいりせきのきゅうでんがたっていました。)
湖のそばには、緑の木々に囲まれた、大理石の宮殿が建っていました。
(そのきゅうでんのはしらのうえに、つばめのいえはありました。)
その宮殿の柱の上に、つばめの家はありました。
(「さあ、つきましたよ。あなたはどこでも、すきなところでくらしてください。)
「さあ、着きましたよ。あなたはどこでも、好きなところで暮らしてください。
(もし、あのはながきにいったら、あそこへいってみませんか」)
もし、あの花が気に入ったら、あそこへ行ってみませんか」
(つばめはそういうと、だいりせきのはしらがじめんにたおれて、)
つばめはそう言うと、大理石の柱が地面に倒れて、
(みっつにわれたそのわれめにさいている、しろいおおきなはなのところへ)
三つに割れたその割れ目に咲いている、白い大きな花のところへ
(おやゆびひめをつれていきました。)
おやゆびひめを連れて行きました。
(そのはなは、まだみたこともないうつくしくけだかいはなでした。)
その花は、まだ見たこともない美しく気高い花でした。
(おやゆびひめは、はなのうえにおろされてから、)
おやゆびひめは、花の上に降ろされてから、
(まわりをみて、あっとこえをあげました。)
周りを見て、あっと声を上げました。
(はなのまんなかに、がらすのようにすきとおったちいさなひとが)
花の真ん中に、ガラスのように透き通った小さな人が
(ひとりいるではありませんか。)
ひとりいるではありませんか。
(あたまにはきんのかんむりをかぶり、せなかにはつばさがはえていました。)
頭には金の冠をかぶり、背中には翼がはえていました。
(「まあ、なんてりっぱなひとなんでしょう」)
「まあ、なんて立派な人なんでしょう」
(おやゆびひめは、おもわずつぶやきました。)
おやゆびひめは、思わずつぶやきました。
(このひとは、はなのおうさまだったのです。)
この人は、花の王様だったのです。
(おうさまはおやゆびひめをみて、こころからよろこび)
王様はおやゆびひめを見て、心から喜び
(じぶんのかんむりをとって、おやゆびひめのあたまにのせました。)
自分の冠を取って、おやゆびひめの頭にのせました。
(「あなたは、なんというなまえですか。)
「あなたは、なんという名前ですか。
(わたしのつまになって、すべてのはなのじょうおうになってくれませんか」)
私の妻になって、すべての花の女王になってくれませんか」
(とおうさまはやさしくいいました。)
と王様は優しく言いました。
(おやゆびひめは、おうさまに「はい」とへんじをしました。)
おやゆびひめは、王様に「はい」と返事をしました。
(すると、まわりのはなというはなから、)
すると、周りの花という花から、
(おとこやおんなのひとがでてきて、おいわいのうたをうたいました。)
男や女の人が出てきて、お祝いの歌をうたいました。
(おやゆびひめは、まーやとよばれることになりました。)
おやゆびひめは、マーヤと呼ばれることになりました。
(つばめは、おやゆびひめのしあわせをよろこびながらも、こころのなかではかなしんでいました。)
つばめは、おやゆびひめの幸せを喜びながらも、心の中では悲しんでいました。
(つばめは、おやゆびひめがだいすきだったのですから。)
つばめは、おやゆびひめが大好きだったのですから。