ピノッキオの冒険 15

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.4) 2895打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(「あっはっは。おいはぎのやつ、ふたりともなかよくどぶがわのなかへ)

「あっはっは。追いはぎのやつ、二人とも仲良くどぶ川の中へ

(おっこちたぞ。やーい、やーい」)

落っこちたぞ。やーい、やーい」

(ぴのっきおは、おなかをかかえておおわらいをしました。)

ピノッキオは、お腹を抱えて大笑いをしました。

(おいはぎたちは、どろみずのなかにどっぷりとつかったまま、)

追いはぎたちは、泥水の中にどっぷりとつかったまま、

(わらいころげるぴのっきおをくやしそうににらんでいます。)

笑い転げるピノッキオを悔しそうににらんでいます。

(「おいはぎさん、おいはぎさん。ただ、つかっているだけじゃもったいない)

「追いはぎさん、追いはぎさん。ただ、浸かっているだけじゃもったいない

(おふろへはいったつもりで、からだのあかでもおとしたらいかが。)

お風呂へ入ったつもりで、体の垢でも落としたらいかが。

(ほらほら、かえるがせなかをながしてくれるってさ。 あーはっはっは」)

ほらほら、蛙が背中を流してくれるってさ。 あーはっはっは」

(でも、ぴのっきおのおおわらいはとちゅうでぴたりととまってしまいました。)

でも、ピノッキオの大笑いは途中でぴたりと止まってしまいました。

(おいはぎたちが、からだじゅうからぽたぽたとみずをたらしながら)

追いはぎたちが、体中からぽたぽたと水を垂らしながら

(きしへはいあがってくると、すごいいきおいでぴのっきおのほうへはしってきたのです。)

岸へ這いあがってくると、すごい勢いでピノッキオの方へ走ってきたのです。

(「ちぇっ、なんてしつこいおいはぎなんだろう」)

「ちぇっ、なんてしつこい追いはぎなんだろう」

(さっきのおおわらいは、どこへやら。なきたいほどのきもちになったぴのっきおは、)

さっきの大笑いは、どこへやら。泣きたいほどの気持ちになったピノッキオは、

(いっそのこと、こうさんをしてきんかをそっくりなげだしてやろうかとかんがえました。)

いっそのこと、降参をして金貨をそっくり投げ出してやろうかと考えました。

(そのとき、ぴのっきおはとおくのもりのなかに、いえのやねがひとつ)

その時、ピノッキオは遠くの森の中に、家の屋根がひとつ

(のぼりはじめたひのひかりをあびて、きらきらとかがやいているのにきがつきました。)

のぼりはじめた日の光を浴びて、きらきらと輝いているのに気がつきました。

(「しめた。あそこまでいけば、なんとかなるかもしれないぞ」)

「しめた。あそこまで行けば、何とかなるかもしれないぞ」

(きをとりなおしたぴのっきおは、もりのいえをめざしてまっしぐらにかけだしました。)

気を取り直したピノッキオは、森の家を目指してまっしぐらに駆け出しました。

(いしにつまずき、くさにあしをひっかけて、なんどたおれそうになったかわかりません。)

石につまずき、草に足を引っ掛けて、何度倒れそうになったかわかりません。

(それでもぴのっきおは、おいはぎたちにおいつかれるまえに)

それでもピノッキオは、追いはぎ達に追いつかれる前に

など

(どうにか、もりのいえへたどりつくことができました。)

どうにか、森の家へたどり着くことができました。

(「やれやれ、たすかった」)

「やれやれ、助かった」

(ぴのっきおは、ほっとしてどあをたたきました。)

ピノッキオは、ほっとしてドアをたたきました。

(でも、なんのへんじもありません。)

でも、なんの返事もありません。

(あわてたぴのっきおは、どあにからだをぶつけたり)

慌てたピノッキオは、ドアに体をぶつけたり

(ありったけのちからでけとばしたりしました。)

ありったけの力で蹴とばしたりしました。

(そのうちようやく、うえのほうのまどがあいて、ひとりのおんなのひとがかおをだしました。)

そのうちようやく、上の方の窓が開いて、一人の女の人が顔を出しました。

(「だれですか。そこでさわいでいるのは。)

「だれですか。そこで騒いでいるのは。

(なにかうりにきたんだったら、またこんどにしてちょうだい」)

何か売りに来たんだったら、また今度にしてちょうだい」

(「ものうりじゃありません。わるものにおいかけられているんです。)

「物売りじゃありません。悪者に追いかけられているんです。

(はやく、はやく、ここをあけてください」)

早く、早く、ここを開けてください」

(「いいえ、あなたをなかにいれるわけにはいきません」)

「いいえ、あなたを中に入れるわけにはいきません」

(「あっ、まって。ねえねえ、たすけてくださいよう」)

「あっ、待って。ねえねえ、助けてくださいよう」

(そのときぴのっきおのくびにけむくじゃらのてが、ぐっとまきついてきました。)

その時ピノッキオの首に毛むくじゃらの手が、ぐっと巻き付いてきました。

(ようすをうかがっていたおいはぎたちが、おそいかかってきたのです。)

様子をうかがっていた追いはぎたちが、襲い掛かってきたのです。

(「ぴのっきお、こんどこそはにがさんぞ。にげだしたりしないようにこうしてやる)

「ピノッキオ、今度こそは逃がさんぞ。逃げ出したりしないようにこうしてやる

(おいはぎたちはてにしたないふを、ぴのっきおめがけてふりおろしました。)

追いはぎ達は手にしたナイフを、ピノッキオ目がけて振り下ろしました。

(でも、ぴのっきおのからだはかたいきでできているのですから、たまりません。)

でも、ピノッキオの体は硬い木でできているのですから、たまりません。

(ないふはたちまち、こなごなになってしまいました。)

ナイフはたちまち、粉々になってしまいました。

(「ありゃ、りゃあ?」おいはぎたちはめをぱちくりとさせました。)

「ありゃ、りゃあ?」追いはぎ達は目をぱちくりとさせました。

(「ちぇっ、ないふがだめならしかたがない。)

「ちぇっ、ナイフがだめなら仕方がない。

(こんどはひとつ、しばりくびをためしてみるとするか」)

今度はひとつ、しばり首を試してみるとするか」

(「それがいい、それがいい。なんといったって、しばりくびがいちばんだ」)

「それがいい、それがいい。何と言ったって、しばり首が一番だ」

(さっそく、ふたりのおいはぎは、ぴのっきおをしっかりとしばりあげて)

さっそく、二人の追いはぎは、ピノッキオをしっかりと縛り上げて

(いえからはなれたところまでひきずっていくと、)

家から離れた所まで引きずって行くと、

(くびになわをかけ、きのえだからぶらんとぶらさげました。)

首に縄をかけ、木の枝からぶらんとぶら下げました。

(「さあ、これでよし。あとはつめたくなるのをまって、)

「さあ、これでよし。あとは冷たくなるのを待って、

(きんかをいただこうというだんどりだ」)

金貨をいただこうという段取りだ」

(「つめたくなるまでには、それほどじかんもかかるまい。)

「冷たくなるまでには、それほど時間もかかるまい。

(ここらにこしをおろして、のんびりけんぶつといこうかね」)

ここらに腰を下ろして、のんびり見物といこうかね」

(ところが、いつまでたってもぴのっきおはなわにぶらさがったまま)

ところが、いつまでたってもピノッキオは縄にぶら下がったまま

(あしをばたばたとやっています。)

足をばたばたとやっています。

(「やれやれ、なんてごうじょうなちびすけだ。)

「やれやれ、なんて強情なちびすけだ。

(おい、あいぼう。ねむけざましに、どこかそこらをひとまわりして)

おい、相棒。眠気覚ましに、どこかそこらをひと回りして

(またゆうがたごろ、もどってくるとしようじゃないか」)

また夕方ごろ、戻ってくるとしようじゃないか」

(「そうしよう。どんなにごうじょうなちびっこだって、)

「そうしよう。どんなに強情なちびっこだって、

(ゆうがたまでにはつめたくなっているにちがいないからな。)

夕方までには冷たくなっているに違いないからな。

(あばよ、ぴのっきお。ひとりでゆっくりぶらんこをたのしみな」)

あばよ、ピノッキオ。ひとりでゆっくりブランコを楽しみな」

(おいはぎたちは、てをふりながら、どこへともなくすがたをけしてしまいました。)

追いはぎたちは、手を振りながら、どこへともなく姿を消してしまいました。

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