ピノッキオの冒険 28

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数2難易度(4.4) 3346打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(せんにょではないといいはっていたおんなのひとも、)

仙女ではないと言い張っていた女の人も、

(うれしさのあまり、ぴのっきおがなきだしたのをみると)

嬉しさのあまり、ピノッキオが泣き出したのを見ると

(とうとうこうさんしてほんとうのことをうちあけました。)

とうとう降参して本当のことを打ち明けました。

(「でも、わんぱくやさん。よくわたしがわかったわね」)

「でも、わんぱく屋さん。よく私がわかったわね」

(「だってぼく、せんにょさまのことだいすきなんですもの」)

「だって僕、仙女さまのこと大好きなんですもの」

(ぴのっきおはめをこすりながら、うれしそうにせんにょのかおをみあげました。)

ピノッキオは目をこすりながら、嬉しそうに仙女の顔を見上げました。

(「よかったなあ、またせんにょさまにあうことができて。)

「よかったなあ、また仙女さまに会うことができて。

(せんにょさまは、ほんとうはしんでなんかいなかったんですね」)

仙女さまは、本当は死んでなんかいなかったんですね」

(「あなたをさがしにたびにでたあと、だれかがまちがっておはかをつくってしまったのね。)

「あなたを探しに旅に出た後、誰かが間違ってお墓を作ってしまったのね。

(うさぎたちかもしれないわ」)

うさぎたちかもしれないわ」

(「ぼくね、おはかをみたときはかなしくてかなしくて、ひとばんじゅうないていたんですよ」)

「僕ね、お墓を見た時は悲しくて悲しくて、一晩中泣いていたんですよ」

(「ええ、そのこともしっていますよ」)

「ええ、そのことも知っていますよ」

(「なあんだ、しっていたのか。だったらあんなにないたりするんじゃなかったな)

「なあんだ、知っていたのか。だったらあんなに泣いたりするんじゃなかったな

(ぴのっきおはちょっとあたまをかきました。)

ピノッキオはちょっと頭をかきました。

(「でもせんにょさまは、まえよりもずっとおとなになったみたい。)

「でも仙女さまは、前よりもずっと大人になったみたい。

(なんだか、おかあさんのようなきがするな」)

なんだか、お母さんのような気がするな」

(「それじゃ、ほんとうにあなたのおかあさんになってあげましょうか」)

「それじゃ、本当にあなたのお母さんになってあげましょうか」

(「えっ、ほんと?」 「ほんとよ」)

「えっ、ほんと?」 「ほんとよ」

(「わあ、うれしい」ぴのっきおはおおよろこびで、ぴょんぴょんと)

「わあ、うれしい」ピノッキオは大喜びで、ぴょんぴょんと

(へやのなかをとびまわりました。)

部屋の中を飛び回りました。

など

(そのようすを、にこにことしながらながめていたせんにょが、やさしくこえをかけました。)

その様子を、にこにことしながら眺めていた仙女が、優しく声を掛けました。

(「ぴのっきお、ぴのっきお。ここへきておかあさんにはなしをきかせてちょうだい。)

「ピノッキオ、ピノッキオ。ここへ来てお母さんに話を聞かせてちょうだい。

(おはかのところでないたあと、いったいどんなことがあったの?」)

お墓の所で泣いた後、一体どんなことがあったの?」

(ぴのっきおは、はとのせなかにのってそらのたびをしたことや)

ピノッキオは、鳩の背中に乗って空の旅をしたことや

(じぇぺっとじいさんをたすけようとして、いつのまにかこのしままで)

ジェペット爺さんを助けようとして、いつの間にかこの島まで

(ながされてきてしまったことを、くわしくせんにょにはなしてきかせました。)

流されてきてしまったことを、詳しく仙女に話して聞かせました。

(それにしても、きになるのはなみにのみこまれたあとの)

それにしても、気になるのは波に飲み込まれた後の

(じぇぺっとじいさんのみのうえです。)

ジェペット爺さんの身の上です。

(「どうしたろうなあ、おじいさん。だれかにたすけられているといいんだけど」)

「どうしたろうなあ、お爺さん。誰かに助けられているといいんだけど」

(「そうね。ほんとにぶじでいてくださるといいわねえ」)

「そうね。ほんとに無事でいてくださるといいわねえ」

(せんにょもしんぱいそうにまゆをひそめました。)

仙女も心配そうに眉をひそめました。

(「でもね、おじいさんはきっと、どこかにいきていらっしゃるとおもうわ。)

「でもね、お爺さんはきっと、どこかに生きていらっしゃると思うわ。

(わたしもできるだけのことをして、おじいさんをさがしてあげます。)

私もできるだけのことをして、お爺さんを探してあげます。

(そのかわり、おじいさんがもどっていらっしゃるときまでには、)

その代わり、お爺さんが戻っていらっしゃる時までには、

(あなたも、もっともっといいこになっていなければだめよ」)

あなたも、もっともっといい子になっていなければだめよ」

(「うん」)

「うん」

(「じゃあ、やくそくしましょう。あしたからはきちんとがっこうへゆくこと」)

「じゃあ、約束しましょう。明日からはきちんと学校へ行くこと」

(「がっこうへ?」ぴのっきおはちょっとくちをとがらせました。)

「学校へ?」ピノッキオはちょっと口をとがらせました。

(おじいさんにきょうかしょをかってもらったときには、まじめにがっこうへゆこうと)

お爺さんに教科書を買ってもらった時には、真面目に学校へ行こうと

(けっしんしたのですが、なぜかまた、がっこうやらべんきょうやらが)

決心したのですが、なぜかまた、学校やら勉強やらが

(いやでいやでたまらなくなってしまったのです。)

いやでいやでたまらなくなってしまったのです。

(「ぼく、いまからべんきょうをはじめたってまにあわないとおもうんだけど。)

「僕、いまから勉強をはじめたって間に合わないと思うんだけど。

(もっとちいさいときから、かよわなけりゃあ」)

もっと小さい時から、通わなけりゃあ」

(ぴのっきおは、くちのなかでぶつぶついいました。)

ピノッキオは、口の中でぶつぶつ言いました。

(「いいえ、べんきょうにはおそいもはやいもありません。それにあなたは、まだほんの)

「いいえ、勉強には遅いも早いもありません。それにあなたは、まだほんの

(こどもじゃないの。おそすぎるなんていうのはおかしいわ」)

子供じゃないの。遅すぎるなんて言うのはおかしいわ」

(「でもぼく、ほんとうにべんきょうもしごともしたくないんだもの。)

「でも僕、本当に勉強も仕事もしたくないんだもの。

(ねえ、このままなにもしないでいていいでしょう?」)

ねえ、このまま何もしないでいていいでしょう?」

(せんにょはあきれたようにめをみはりました。)

仙女はあきれたように目をみはりました。

(ぴのっきおはしかられるとおもって、びくびくしながらめをふせました。)

ピノッキオは叱られると思って、びくびくしながら目をふせました。

(でもせんにょは、しかるかわりにやさしくぴのっきおのかおをのぞきこみました。)

でも仙女は、叱るかわりに優しくピノッキオの顔を覗き込みました。

(「ねえ、ぴのっきお。あなたほんとうのにんげんになりたいとはおもわなくて?」)

「ねえ、ピノッキオ。あなた本当の人間になりたいとは思わなくて?」

(ぴのっきおはめをぱちくりさせました。)

ピノッキオは目をぱちくりさせました。

(「えっ?ほんもののにんげんにですって?そりゃあ、なりたいですとも。)

「えっ?本物の人間にですって?そりゃあ、なりたいですとも。

(でも、きでできたにんぎょうがにんげんになったなんて、)

でも、木でできた人形が人間になったなんて、

(そんなはなしはきいたことがないものなあ」)

そんな話は聞いたことがないものなあ」

(「それが、もしかしたらなれるかもしれないのよ」)

「それが、もしかしたらなれるかもしれないのよ」

(「ほんとう?」「ほんとうですとも。でもそれには、いっしょうけんめいべんきょうして)

「本当?」「本当ですとも。でもそれには、一生懸命勉強して

(いろんなことをおぼえなければだめなの。どう?それでもがっこうへはいきたくない?)

いろんなことを覚えなければだめなの。どう?それでも学校へは行きたくない?

(「いきます、いきます。にんげんになれるかもしれないなんてゆめのようだな」)

「行きます、行きます。人間になれるかもしれないなんて夢のようだな」

(ぴのっきおはむねをどきどきさせながらまどのそばへいくと)

ピノッキオは胸をどきどきさせながら窓のそばへ行くと

(まちのようすをうっとりとながめまわしました。)

町の様子をうっとりと眺めまわしました。

(くるまのはしるがらがらというおと。いしでもきざんでいるらしいこつこつというおと。)

車の走るガラガラという音。石でもきざんでいるらしいコツコツという音。

(こうえんのあるあたりには、こどもたちのあそぶこえがにぎやかにひびいています。)

公園のあるあたりには、子供たちの遊ぶ声がにぎやかに響いています。

(「ほんとうのにんげんのこどもになって、とおりをかけまわったり、こうえんであそんだりできたら)

「本当の人間の子供になって、通りを駆け回ったり、公園で遊んだりできたら

(どんなにたのしいだろう。ようし、こうなったらいっしょうけんめいべんきょうして)

どんなに楽しいだろう。ようし、こうなったら一生懸命勉強して

(かならずにんげんのこどもになってみせるぞ」)

必ず人間の子供になってみせるぞ」

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