不可逆の魔物

(つきさすくぎのかずだけ)

突き刺す釘の数だけ

(うでにきらいとかくのさ)

腕に嫌いと書くのさ

(せつなにくちたいのちを)

刹那に朽ちた命を

(うえたまものへわたすのさ)

飢えた魔物へ渡すのさ

(えがらにあわせたかいしゃくを)

絵柄に合わせた解釈を

(つごうのとおりうめていくだけなら)

都合の通り埋めて行くだけなら

(こんなやんだなかみなんて)

こんな病んだ中身なんて

(えぐりだしぜりーみたいに)

抉り出し、ゼリーみたいに

(かためすてたほうが)

固め捨てた方が

(にせものだああにせものだ)

偽物だ　ああ偽物だ

(おまえはつまんないから)

お前はつまんないから

(せきのやまごきげんをうかがう)

関の山　ご機嫌を伺う

(たにんづくし)

他人尽くし

(じぶんじしんきずつけるのが)

自分自身傷付けるのが

(すきというわけじゃなくて)

好きと言う訳じゃなくて

(それだけしかじぶんの)

それだけしか自分の

(かちがよのなかにないと)

価値が世の中にないと

(つめたいつくえのうえで)

冷たい机の上で

(わるいものをはきだして)

悪い物を吐き出して

(きれいなまものがわらう)

綺麗な魔物が笑う

(きょうもわたしであるために)

今日も私であるために

(すこしでも)

少しでも

(いきているだけで)

生きているだけで

(それだけで)

それだけで

(とてもすごいことだって)

とても凄いことだって

(ちぎれそうな)

千切れそうな

(しんじることば)

信じる言葉

(ばかみたいだね)

馬鹿みたいだね

(じょうだんとかわからなくて)

冗談とか分からなくて

(まにうけてさけぶばかりで)

間に受けて叫ぶばかりで

(きえてしまいたくなる)

消えてしまいたくなる

(あいとがいをさらけ)

愛と害を曝け

(つげることじたい)

告げること自体

(せんすがないと)

センスがないと

(いうとおりにしたがう)

言う通りに従う

(どうぞたべてこえのえさ)

どうぞ食べて声の餌

(じぶんじしんきずつけるのが)

自分自身傷付けるのが

(すきというわけじゃなくて)

好きと言う訳じゃなくて

(それだけしかじぶんの)

それだけしか自分の

(かちがよのなかにないと)

価値が世の中にないと

(つめたいつくえのうえで)

冷たい机の上で

(わるいものをはきだして)

悪い物を吐き出して

(きれいなまものがわらう)

綺麗な魔物が笑う

(きょうもわたしであるために)

今日も私であるために

(ふかぎゃくで)

不可逆で

(あるために)

あるために