こころ
関連タイピング
-
プレイ回数838歌詞かな583打
-
プレイ回数133長文かな761打
-
プレイ回数268長文かな369打
-
プレイ回数332長文かな535打
-
プレイ回数78長文かな209打
-
プレイ回数89長文620打
-
プレイ回数1165歌詞かな350打
-
プレイ回数843長文814打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(わたくしはそのひとをつねにせんせいとよんでいた。)
私はその人を常に先生と呼んでいた。
(だからここでもただせんせいとかくだけでほんみょうはうちあけない。)
だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。
(これはせけんをはばかるえんりょというよりも、)
これは世間を憚かる遠慮というよりも、
(そのほうがわたしにとってしぜんだからである。)
その方が私にとって自然だからである。
(わたしはそのひとのきおくをよびおこすごとに、)
私はその人の記憶を呼び起すごとに、
(すぐせんせいといいたくなる。)
すぐ「先生」といいたくなる。
(ふでをとってもこころもちはおなじことである。)
筆を執っても心持は同じ事である。
(よそよそしいかしらもじなどはとてもつかうきにならない。)
よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。
(にぎやかなけしきのなかにつつまれて、すなのうえにねそべってみたり、)
にぎやかな景色の中に裹まれて、砂の上に寝そべってみたり、
(ひざがしらをなみにうたしてそこいらをはねまわるのはゆかいであった。)
膝頭を波に打たしてそこいらを跳ね廻るのは愉快であった。
(わたしはじつにせんせいをこのざっとうのあいだにみつけだしたのである。)
私は実に先生をこの雑沓の間に見付け出したのである。