意味がわかると怖い話 笑うテディベア

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意味がわかると怖い話です

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問題文

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(しんこんのyみさんのおっとには、だいじにしているくまのぬいぐるみがあった。)

新婚のY美さんの夫には、大事にしているクマのぬいぐるみがあった。

(いっけん、ふつうのてでぃべあだが、せんさーとすぴーかーがないぞうされていて、)

一見、普通のテディベアだが、センサーとスピーカーが内蔵されていて、

(おなかをさわるとわらいごえをあげる、なかなかあいきょうのあるおもちゃだった。)

おなかを触ると笑い声をあげる、なかなか愛嬌のあるおもちゃだった。

(しょうがくせいのときのたんじょうびぷれぜんとで、なんどかしゅうりしてもらっているそうでいまでも)

小学生のときの誕生日プレゼントで、何度か修理してもらっているそうで今でも

(ちゃんとうごく。しんきょではりびんぐのたなにかざっていた。)

ちゃんと動く。新居ではリビングの棚に飾っていた。

(ふたりがしんこんりょこうからかえっていっしゅうかんほどたったあるひ、)

ふたりが新婚旅行から帰って1週間ほど経ったある日、

(おっとのtやさんがしゅっちょうでふつかかん、いえをあけたよるのことだ。)

夫のT哉さんが出張で2日間、家を空けた夜のことだ。

(まよなか、yみさんはけたたましいわらいごえにめをさました。)

真夜中、Y美さんはけたたましい笑い声に目を覚ました。

(きゃははははははははは)

キャハハハハハハハハハ

(ぬいぐるみのこえだ。なにかのひょうしにせんさーがごさどうしたらしい。)

ぬいぐるみの声だ。何かの拍子にセンサーが誤作動したらしい。

(びっくりした・・・・・・)

びっくりした……

(yみさんは、そのばんはとくにきにもとめずにふたたびねむりについた。)

Y美さんは、その晩は特に気にも留めずに再び眠りについた。

(だがつぎのよるも、yみさんはぬいぐるみのわらいごえにおこされた。)

だが次の夜も、Y美さんはぬいぐるみの笑い声に起こされた。

(ふたばんつづくと、さすがにすこしきみがわるい。)

2晩続くと、さすがに少し気味が悪い。

(こえをとめるために、おきだして「それ」をしてからyみさんはとこについた。)

声を止めるために、起き出して「それ」をしてからY美さんは床についた。

(ひるまになるとこわいきもちもうすれ、「しゅっちょうにつれていってもらえなくて)

昼間になると怖い気持ちも薄れ、「出張に連れて行ってもらえなくて

(すねてるのかな」なんておもえるようになった。かえってきたtやさんに)

拗ねてるのかな」なんて思えるようになった。帰って来たT哉さんに

(ぬいぐるみのことをはなし、いちどみてもらおうということになった。)

ぬいぐるみのことを話し、一度見てもらおうということになった。

(そしてよる。またyみさんはわらいごえにめをさました。)

そして夜。またY美さんは笑い声に目を覚ました。

(かのじょははっとしてりびんぐにむかった。)

彼女はハッとしてリビングに向かった。

など

(きゃははははははははははははは)

キャハハハハハハハハハハハハハ

(「yみがいってたとおりだね。ちゃんとなおしてもらわなきゃ」)

「Y美が言ってた通りだね。ちゃんと直してもらわなきゃ」

(おきだしてきたtやさんがいう。)

起き出してきたT哉さんが言う。

(yみさんはふりかえり、ふるえるこえで「それ」をおっとにつげた。)

Y美さんは振り返り、震える声で「それ」を夫に告げた。

(「このこ・・・・・・でんちはいってないのにわらってる」)

「この子……電池入ってないのに笑ってる」

(まえのばん、もうわらいごえにおこされないようにとぬいぐるみのでんちをぬいたのだ。)

前の晩、もう笑い声に起こされないようにとぬいぐるみの電池を抜いたのだ。

(ぱにっくをおこすyみさんをtやさんがなんとかなだめたよくあさのこと、)

パニックを起こすY美さんをT哉さんが何とかなだめた翌朝のこと、

(きんじょにすむtやさんのあねのmこさんからでんわがあった。)

近所に住むT哉さんの姉のM子さんから電話があった。

(なにごとかはなしこんでいるうちに、tやさんがおこりだした。)

何事か話し込んでいるうちに、T哉さんが怒り出した。

(「ばかなこといってんじゃねえよ。もうきるからな」)

「馬鹿なこと言ってんじゃねえよ。もう切るからな」

(mこさんは、tやさんいわく「しょうしょうかほごなほど」おとうとをかわいがっていて、)

M子さんは、T哉さん曰く「少々過保護なほど」弟を可愛がっていて、

(tやさんもおねえちゃんこだったので、かのじょにそんなにごきをあらげるのをみたのは)

T哉さんもお姉ちゃん子だったので、彼女にそんなに語気を荒げるのを見たのは

(はじめてだった。tやさんはでんわをきって)

初めてだった。T哉さんは電話を切って

(「なんでもない」というと、めーかーにもっていくからと)

「何でもない」と言うと、メーカーに持って行くからと

(ぬいぐるみをかかえてでていってしまった。)

ぬいぐるみを抱えて出ていってしまった。

(おっとのいようなさまにyみさんがあぜんとしていると、すまーとふぉんがなった。)

夫の異様なさまにY美さんが唖然としていると、スマートフォンが鳴った。

(mこさんが、こんどはyみさんのほうにかけてきていた。)

M子さんが、今度はY美さんの方にかけてきていた。

(「いえでなにかへんなことがおこってるでしょう?」)

『家で何か変なことが起こってるでしょう?』

(でんわにでたとたん、そういわれてyみさんはぜっくした。)

電話に出た途端、そう言われてY美さんは絶句した。

(「しりあいのれいのうしゃのせんせいからでんわがあってね、)

『知り合いの霊能者の先生から電話があってね、

(「おとうとさんのみにきけんがせまってる」っていわれたの。)

「弟さんの身に危険が迫ってる」って言われたの。

(いえのなかのどうぶつのかたちをしたものに、わるいれいがはいりこんでるって・・・・・・)

家の中の動物のカタチをしたモノに、悪い霊が入り込んでるって……

(ほら、tやがだいじにしてるぬいぐるみがあったでしょ? )

ほら、T哉が大事にしてるぬいぐるみがあったでしょ?

(あれのことじゃないかしら」)

あれのことじゃないかしら』

(mこさんのこえには、ききせまるものがかんじられた。)

M子さんの声には、鬼気迫るものが感じられた。

(「れいのうしゃのせんせいがいうにはね、れいがもののなかにいるうちに)

『霊能者の先生が言うにはね、霊がモノの中にいるうちに

(おたきあげしたほうがいいって。)

お焚き上げした方が良いって。

(だからすぐ、ぬいぐるみをうちにおくってほしいの。)

だからすぐ、ぬいぐるみをうちに送ってほしいの。

(さっきtやにそういったら、「ばかなこというな」って)

さっきT哉にそう言ったら、「馬鹿なこと言うな」って

(おこられちゃったけど・・・・・・わたし、ふたりがしんぱいで」)

怒られちゃったけど……私、ふたりが心配で』

(mこさんに、ぬいぐるみはtやさんがもっていってしまったとつたえると、)

M子さんに、ぬいぐるみはT哉さんが持って行ってしまったと伝えると、

(かのじょはろうばいしたようすで、なんとかおくってくれるよう)

彼女は狼狽した様子で、何とか送ってくれるよう

(せっとくしてほしいとねんをおされた。)

説得してほしいと念を押された。

(いわれるままに、yみさんはなんどかtやさんにでんわしたが、)

言われるままに、Y美さんは何度かT哉さんに電話したが、

(でんげんをきっていてつながらなかった。)

電源を切っていてつながらなかった。

(「きけんがせまっている」という、mこさんのことばをおもいだし、)

「危険が迫っている」という、M子さんの言葉を思い出し、

(じこにでもあってないかときがきでなかった。)

事故にでも遭ってないかと気が気でなかった。

(ゆうがた、しらないばんごうからでんわがあった。)

夕方、知らない番号から電話があった。

(でんわぐちのあいては、おもちゃがいしゃのしゅうりせんたーのものだとなのった。)

電話口の相手は、玩具会社の修理センターの者だと名乗った。

(tやさんがきょう、ぬいぐるみをもちこんできたけんではなしがあるという。)

T哉さんが今日、ぬいぐるみを持ち込んできた件で話があるという。

(「かいぞうされたのはごほんにんさまではないのですね?」)

『改造されたのはご本人様ではないのですね?』

(だんせいは、ぬいぐるみのでんげんかいろがいちぶえんちょうされ、よびでんちにつながっていて、)

男性は、ぬいぐるみの電源回路が一部延長され、予備電池につながっていて、

(めいんのでんちをぬいてもかどうするようになっていたとせつめいした。)

メインの電池を抜いても稼働するようになっていたと説明した。

(「でもいったいだれが、なんでそんなことを?」)

「でも一体誰が、なんでそんなことを?」

(とまどうyみさんにでんわぐちのだんせいは、)

戸惑うY美さんに電話口の男性は、

(「それなんですが、じつはでんちといっしょに・・・・・・」)

『それなんですが、実は電池と一緒に……』

(ーーぴんぽーん。よびりんがなった。)

ピンポーン。呼び鈴が鳴った。

(かいせつ)

解説

(ぬいぐるみのでんげんかいろをかいぞうしたのはなにもので、なんのもくてきでそんなことをしたので)

ぬいぐるみの電源回路を改造したのは何者で、何の目的でそんなことをしたので

(しょうか。そもそも、ぬいぐるみがでんちをぬいてもわらっていたのは)

しょうか。そもそも、ぬいぐるみが電池を抜いても笑っていたのは

(れいげんしょうではなかったのですから、「しりあいのれいのうしゃからいわれたこと」)

霊現象ではなかったのですから、「知り合いの霊能者から言われたこと」

(として、<yみさんたくのぬいぐるみにみょうなことがおこっていた>)

として、〈Y美さん宅のぬいぐるみに妙なことが起こっていた〉

(じじつをすらすらといってきかせ、しつようにぬいぐるみをかいしゅうしようとした)

事実をすらすらと言って聞かせ、執拗にぬいぐるみを回収しようとした

(mこさんのこうどうのいみは、かわってみえるのではないでしょうか?)

M子さんの行動の意味は、変わって見えるのではないでしょうか?

(そう、ぬいぐるみにはmこさんによって、とうちょうきがしかけられていたのです。)

そう、ぬいぐるみにはM子さんによって、盗聴器が仕掛けられていたのです。

(おそらくは、yみさんふさいがそろっていえをあけていたしんこんりょこうのときにでも。)

おそらくは、Y美さん夫妻がそろって家を空けていた新婚旅行の時にでも。

(とうちょうきはぬいぐるみのでんちからでんりょくきょうきゅうをうけてさどうするようになっており、)

盗聴器はぬいぐるみの電池から電力供給を受けて作動するようになっており、

(でんちぎれででんげんがおちてしゅつりょくせっていがりせっとされないためによびでんちがひつようだっ)

電池切れで電源が落ちて出力設定がリセットされないために予備電池が必要だっ

(たのです。mこさんがふさいをとうちょうしていたりゆうーー)

たのです。M子さんが夫妻を盗聴していた理由

(それはかのじょが「しょうしょう、かほごなほどtやさんをかわいがっていた」こととむかんけいで)

それは彼女が「少々、過保護なほどT哉さんを可愛がっていた」ことと無関係で

(はないのでしょう。あやしまれてぬいぐるみをしらべられればとうちょうがばれてしまうと)

はないのでしょう。怪しまれてぬいぐるみを調べられれば盗聴がバレてしまうと

(あせって、mこさんはありもしないれいのうしゃのはなしをでっちあげ、)

焦って、M子さんはありもしない霊能者の話をでっち上げ、

(しょうこいんめつをはかろうとしたのです。さいごのちゃいむのおとは、おそらく・・・・・・。)

証拠隠滅を図ろうとしたのです。最後のチャイムの音は、おそらく……。

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