呪われたベッドの噂
意味がわかると怖い話です。
最後のセリフからもわかるように、呪われると噂されているベッドは隣のベッドと交換されました。そのベッドとは……そう、語り手のベッドですね。果たしてその呪いは本物なのか。語り手は身をもって実証することになってしまいました。
さて、この話の怖い点は、真実に気付いた語り手の絶望を目の当たりにする、という点ではなく(それも怖いとは思いますが、)呪いの存在を知るだけでなく、信じているにもかかわらずそれを語り手に黙っていた女性の存在です。他人のことならどうなろうと構わないというのでしょうか。
さて、この話の怖い点は、真実に気付いた語り手の絶望を目の当たりにする、という点ではなく(それも怖いとは思いますが、)呪いの存在を知るだけでなく、信じているにもかかわらずそれを語り手に黙っていた女性の存在です。他人のことならどうなろうと構わないというのでしょうか。
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問題文
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(びょういんといえばそのほうめんのうわさのひとつやふたつはあるもの。)
病院といえばその方面の噂の一つや二つはあるもの。
(どうやらいまぼくがにゅういんしているこのびょういんにもそのようなうわさがあるようです。)
どうやらいま僕が入院しているこの病院にもそのような噂があるようです。
(じつは、ぼくはむいかまえにじてんしゃにのっていたとき、くるまとじこをおこしてあしのほねを)
実は、僕は六日前に自転車に乗っていた時、車と事故を起こして脚の骨を
(おってしまったのです。おれているのだからしょうがありません。)
折ってしまったのです。折れているのだからしょうがありません。
(にゅういんです。)
入院です。
(いのちにべつじょうはありませんでしたが、それでもひどいけがだったので)
命に別状はありませんでしたが、それでも酷い怪我だったので
(べっどのうえからうごくことはできませんでした。じつにたいくつです。)
ベッドの上から動くことはできませんでした。実に退屈です。
(びょういんないをたんけんできたらよかったのですけど、あいにくこのこっせつではどうしようも)
病院内を探検できたらよかったのですけど、生憎この骨折ではどうしようも
(ありません。もとよりこのこっせつがなければにゅういんすることも)
ありません。もとよりこの骨折がなければ入院することも
(なかったのですから、どのみちおなじことです。「たいくつだなぁ・・・・・・」)
なかったのですから、どのみち同じことです。「退屈だなぁ……」
(そうおもっていたそのとき、ふと、おかるとずきなこうはいがいぜんいっていたことをおもい)
そう思っていたその時、ふと、オカルト好きな後輩が以前言っていたことを思い
(だしたのです。「せんぱい、しってますか?せいかびょういんにあるこんなうわさばなしを。)
出したのです。『先輩、知ってますか? 犀華病院にあるこんな噂話を。
(なんでもさんかいのいちばんにしにあるおおべやの、はいってみぎがわのまどのとなりのべっどににゅういんする)
なんでも三階の一番西にある大部屋の、入って右側の窓の隣のベッドに入院する
(と、いっしゅうかんいないにしぬそうなんですよ。どうやらそのべっどのうえでしんだかんじゃの)
と、一週間以内に死ぬそうなんですよ。どうやらそのベッドの上で死んだ患者の
(れいがまだいるらしくて、のろわれてしまうんだとか、なんとか・・・・・・」)
霊がまだいるらしくて、呪われてしまうんだとか、なんとか……』
(はっきりとはおぼえてませんがたしかそんなことをいっていたとおもいます。)
はっきりとは覚えてませんが確かそんなことを言っていたと思います。
(そしてかくにんしてみると、どうやらそののろいのべっどはぼくのちょうどみぎどなりのべっど)
そして確認してみると、どうやらその呪いのベッドは僕のちょうど右隣のベッド
(なのです。そこにはひとりのじょせいかんじゃがすでにつかっていました。ぼくとおなじ、)
なのです。そこには一人の女性患者が既に使っていました。僕と同じ、
(あしのこっせつのようです。きいたところによるとかのじょはぼくよりいちにちはやくにゅういんしていた)
脚の骨折のようです。聞いたところによると彼女は僕より一日早く入院していた
(のだとか。つまりそのうわさばなしがほんとうなら、あすにはかのじょはしんでしまうのです。)
のだとか。つまりその噂話が本当なら、明日には彼女は死んでしまうのです。
など
(ぼくは、どうしたものかとかんがえました。しょうじきにいってあまりうわさばなしをしんじてい)
僕は、どうしたものかと考えました。正直に言ってあまり噂話を信じてい
(ません。なので、このままだまってかんさつすることにしました。)
ません。なので、このまま黙って観察することにしました。
(そしてなのかがすぎたつぎのひ、つまりかのじょがにゅういんしてようかめです。)
そして七日が過ぎた次の日、つまり彼女が入院して八日目です。
(かのじょはいたってふつうにすごしていました。やはりうわさばなしはうそだったようです。)
彼女はいたって普通に過ごしていました。やはり噂話は嘘だったようです。
(ぼくはたまらず、となりのかのじょにそのうわさをはなしてしまいました。)
僕はたまらず、隣の彼女にその噂を話してしまいました。
(「しっていましたよ。ですけどわたし、まどからそとのけしきをみたいんです」)
「知っていましたよ。ですけど私、窓から外の景色を見たいんです」
(そうかのじょはいいました。)
そう彼女は言いました。
(「こわくないんですか。あ、のろいとかしんじないたいぷなんですね」)
「怖くないんですか。あ、呪いとか信じないタイプなんですね」
(するとかのじょはこういったのです。「いえいえ。しんじてますよ。)
すると彼女はこう言ったのです。「いえいえ。信じてますよ。
(ですからびょういんにおねがいしてとなりのべっどとこうかんしてもらったんです」)
ですから病院にお願いして隣のベッドと交換してもらったんです」
