迷/こわがりなりそこない。

(わたしがみたあおいとりは)

わたしがみたあおい鳥は

(たしかにかためがなかったんだ)

たしかに片目がなかったんだ

(すべてをみすかされたような)

すべてを見透かされたような

(そんなめをしていた)

そんな目をしていた

(かれをおいかけてたりゆう)

かれをおいかけてたりゆう

(ささいなことだけれど)

ささいなことだけれど

(いまはもうそれをわすれてくれと)

いまはもうそれをわすれてくれと

(ふしぎなことをいった)

ふしぎなことを言った

(まよいこめばでぐちはなく)

迷い込めばでぐちはなく

(きおくもうすれてゆく)

きおくも薄れてゆく

(にどめはないとおもわせて)

にどめはないと思わせて

(だまそうとしていた)

だまそうとしていた

(じかんのはざまにとじこめられ)

じかんのハザマにとじこめられ

(ふゆうしつづけてるからだ)

浮遊しつづけてるカラダ

(あのばしょにちかづいてはいけない)

あのばしょに近づいてはいけない

(かえれなくなってしまうから)

かえれなくなってしまうから

(じくうのゆがみにおいつめられ)

じくうのゆがみにおいつめられ

(ひへいしつづけてるからだ)

ひへいしつづけてるカラダ

(あのひとにちかづいてはいけない)

あのひとに近づいてはいけない

(もどれなくなってしまうから)

もどれなくなってしまうから

(こわがるならここにおいでよと)

こわがるなら(ここにおいでよと)

(さそいこまれていったこうみょうなてぐち)

誘い込まれていった(巧妙なてぐち)

(なりそこないなあなたをそしりざんげんされて)

なりそこないなあなたを謗り(讒言されて)

(ことばをうしなう)

コトバを失う

(ねおんひかるちかのまちで)

ネオン光る地下の街で

(せきじつのおもかげは)

昔日のおもかげは

(ねこもしゃくしもあざわらい)

猫も杓子もあざわらい

(ぱれおふぉびあとかす)

パレオフォビアと化す

(じかんのはざまにとじこめられ)

じかんのハザマにとじこめられ

(ふゆうしつづけてるからだ)

浮遊しつづけてるカラダ

(あのばしょにちかづいてはいけない)

あのばしょに近づいてはいけない

(かえれなくなってしまうから)

かえれなくなってしまうから

(ゆめからさめていたはずのずがいこつ)

ゆめから覚めていたはずのずがいこつ

(あのひにみたしろとくろ)

あのひにみた白と黒

(たたずむ)

たたずむ

(じかんのはざまにとじこめられ)

じかんのハザマにとじこめられ

(ふゆうしつづけてるからだ)

浮遊しつづけてるカラダ

(あのばしょにちかづいてはいけない)

あのばしょに近づいてはいけない

(かえれなくなってしまうから)

かえれなくなってしまうから

(じくうのゆがみにおいつめられ)

じくうのゆがみにおいつめられ

(ひへいしつづけてるからだ)

ひへいしつづけてるカラダ

(あのひとにちかづいてはいけない)

あのひとに近づいてはいけない

(もどれなくなってしまうから)

もどれなくなってしまうから