おでこに生えたビワの性格が悪い

(おでこからびわのきがはえた)

おでこからビワの木が生えた

(さいしょからいましたみたいなたいどではえた)

最初からいましたみたいな態度で生えた

(むやみにぬくのもおそろしく)

無闇に抜くのも恐ろしく

(いしゃにいくのもはずかしい)

医者に行くのも恥ずかしい

(びわのおもみでてもとがくるい)

ビワの重みで手元が狂い

(かたまゆをそりおとしてしまったとき)

片眉を剃り落としてしまった時

(なみだめになるおれをよそに)

涙目になる俺をよそに

(ばくはつてきにのびはじめた)

爆発的に伸び始めた

(かなしんだらかれるから)

悲しんだら枯れるから

(わらってさかせつづけるとか)

笑って咲かせ続けるとか

(そんなせっていにしていいはなしみたいにしろよ)

そんな設定にして良い話みたいにしろよ

(へこんでるときにかぎって)

凹んでる時に限って

(たわわにみのってんじゃねーよ)

たわわに実ってんじゃねーよ

(おれのけのりょうとはんぴれいするきかよこのやろう)

俺の毛の量と反比例する気かよこの野郎

(おでこからびわのきがはえた)

おでこからビワの木が生えた

(そふのだいからここみたいなたいどではえた)

祖父の代からここみたいな態度で生えた

(ねてるときにはのびないのに)

寝てる時には伸びないのに

(おきてみてるときにのびる)

起きて見てる時に伸びる

(めのまえにてしげりゆくびわに)

目の前にて茂りゆくビワに

(ついにじょそうざいをさんぷしたのだが)

ついに除草剤を散布したのだが

(ゆだんしていたすうふんごに)

油断していた数分後に

(こうかいすることになるのだ)

後悔することになるのだ

(ながれてきたしずくがちょうど)

流れてきた雫がちょうど

(めにおちてくるような)

目に落ちてくるような

(いちにえだがのびてきてる)

位置に枝が伸びてきてる

(しゃんぷーはっとがかかせない)

シャンプーハットが欠かせない

(ねころんだらゆかにたれて)

寝転んだら床に垂れて

(たたみがくさってゆく)

畳が腐ってゆく

(しかたなくあらいながしたら)

仕方なく洗い流したら

(そのみずでまたそだった)

その水でまた育った

(さかてにとる)

逆手に取る

(おちこむとそだつのなら)

落ち込むと育つのなら

(わらえばかれるはず)

笑えば枯れるはず

(くらえおれのだいばくしょう)

食らえ俺の大爆笑

(みぎわきからにほんめはえた)

右脇から二本目生えた

(わらうとふえるとかあほか)

笑うと増えるとかアホか

(しかもえだがささるから)

しかも枝が刺さるから

(みぎわきがしめられない)

右脇が閉められない

(さすがにもういのちのききだ)

さすがにもう命の危機だ

(１１９ばんにこーる)

119番にコール

(きゅうきゅうしゃとうちゃくまでのあいだに)

救急車到着までの間に

(きれいにぬけた)

キレイに抜けた

(あ”あ”ー！！！！！！！！！)

あ”あ”ー!!!!!!!!!

(あ”あ”ー！！！！！！！！！)

あ”あ”ー!!!!!!!!!