僕らの記憶を掠わないで

(ぼくらがなんにもおぼえてないくらいおさなかった)

僕らが何にも覚えてないくらい幼かった

(あのひからかわらないすいめんだってうつくしかった)

あの日から変わらない水面だって美しかった

(ふたしかなきおくでつながりあったきがしていたんだ)

不確かな記憶で繋がりあった気がしていたんだ

(いつまでもいつまでもいつまでも)

いつまでも いつまでも いつまでも

(すなはまにえをかいたよ)

砂浜に絵を描いたよ

(すぐにきえちゃうように)

すぐに消えちゃうように

(だってかんじょうはだれかに)

だって感情は誰かに

(みせるものではないから)

見せるものではないから

(それでもきみならきっと)

それでも君ならきっと

(みつけてくれるきがして)

見つけてくれる気がして

(みつけてくれるきがして)

見つけてくれる気がして

(ぼくらのきおくをさらわないで)

僕らの記憶を掠わないで

(ぼくらはよくばりでてもとにないものほどほしくって)

僕らは欲張りで手元にないもの程欲しくって

(ことばやきもちすらもとめてしまった)

言葉や気持ちすら求めてしまった

(かいがんぞいにはおぼえていたにおいかたち)

海岸沿いには覚えていた匂い、形

(はなさないではなさないではなさないで)

離さないで 離さないで 離さないで

(うつむいてばかりだ)

俯いてばかりだ

(もうへいきだなんてきょせいをはる)

もう平気だなんて虚勢を張る

(ふしぜんなこうさいや)

不自然な光彩や

(くうはくがこうかいになる)

空白が後悔になる

(ぼくはかすかなきぼうにいつまでもすがってるだけ)

僕は、幽かな希望にいつまでも縋ってるだけ

(すいちゅうはつめたかったぼくにおんどがあるから)

水中は冷たかった　僕に温度があるから

(すいめんにうつるかげがきみのようにみえたんだ)

水面に映る影が　君のように見えたんだ

(あたまではわかっていた)

頭ではわかっていた

(ここにきみはいないこと)

ここに君はいないこと

(あたまではわかっていた)

頭ではわかっていた

(あたまではわかっていた)

頭ではわかっていた

(すいちゅうはつめたかった)

水中は冷たかった

(ふれたかった)

触れたかった

(むせかえった)

噎せ返った

(はんすうするかんじょうだって)

反芻する感情だって、

(かいすいごとぜんぶのみこんでさけんだ)

海水ごと全部飲み込んで叫んだ

(ぼくのせいだ)

僕のせいだ

(ほんとうのこともしらないで)

本当のことも知らないで

(いつものひびもきおくも)

いつもの日々も記憶も

(きれいなだけだとおもいこんだんだ)

綺麗なだけだと思い込んだんだ

(じょうだんをみすかして)

冗談を見透かして

(このあいをみすかして)

この愛を見透かして

(もうなにがいいたいか)

もうなにが言いたいか

(ぼくにだってわからないよ)

僕にだってわからないよ

(わからないよ)

わからないよ

(なみうちぎわでまっていて)

波打際で待っていて

(こえもいろもさらわれてしまっても)

声も、色も、掠われてしまっても

(ぼくらがなんにもおぼえてないくらいおさなかった)

僕らが何にも覚えてないくらい幼かった

(あのひからかわらないすいめんだってうつくしかった)

あの日から変わらない水面だって美しかった

(ふたりのちがいも)

二人の違いも、

(みらいもしかいも)

未来も、視界も、

(ふざけたちかいも)

ふざけた誓いも、

(ねがいもしっぱいも)

願いも、失敗も、

(わすれはしないよ)

忘れはしないよ

(かんじょうもあいじょうも)

感情も、愛情も、

(つつみこんだあおあお)

包み込んだ青、青