しあわせの王子
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問題文
(あるまちのたかいはしらのうえに、しあわせのおうじのぞうがたっていました。)
ある町の高い柱の上に、しあわせの王子の像がたっていました。
(おうじのぞうは、きんぱくでおおわれています。)
王子の像は、金ぱくで覆われています。
(ひとみはあおいほうせきで、こしのけんにもあかいほうせきがひかっています。)
ひとみは青い宝石で、腰の剣にも赤い宝石が光っています。
(「なんといううつくしさだろう」)
「なんという美しさだろう」
(まちのひとたちは、おうじをほめたたえました。)
町の人たちは、王子をほめたたえました。
(あるよる、いちわのつばめが、おうじのあしもとにとんできました。)
ある夜、一羽のツバメが、王子の足元に飛んできました。
(「こんやはここにとまらせてもらおう」)
「今夜はここに泊まらせてもらおう」
(つばめがねむろうとすると、あたまのうえに、ぽつり、ぽつりと)
ツバメが眠ろうとすると、頭の上に、ポツリ、ポツリと
(しずくがおちてきました。)
しずくが落ちてきました。
(「おや、あめでもないのに、なんだろう」)
「おや、雨でもないのに、なんだろう」
(しずくは、おうじのこぼしたなみだだったのです。)
しずくは、王子のこぼした涙だったのです。
(つばめはふしぎそうにたずねました。)
ツバメは不思議そうに尋ねました。
(「あなたはどなたですか」)
「あなたはどなたですか」
(「ぼくはしあわせのおうじです」)
「ぼくは幸せの王子です」
(「それなら、どうしてないているのですか」)
「それなら、どうして泣いているのですか」
(「ここからは、まちのかなしいできごとが、なんでもみえてしまう。)
「ここからは、町の悲しい出来事が、何でも見えてしまう。
(でも、うごけないぼくには、どうすることもできないのです」)
でも、動けない僕には、どうすることもできないのです」
(つばめは、おうじのやさしさにかんどうしました。)
ツバメは、王子のやさしさに感動しました。
(「なにか、わたしにできることはありますか」)
「何か、私にできることはありますか」
(「ありがとう、つばめさん。)
「ありがとう、ツバメさん。
(それでは、ぼくのほうせきを、まちのまずしいひとたちに)
それでは、僕の宝石を、町の貧しい人たちに
(とどけてくれませんか」)
とどけてくれませんか」
(「わかりました。おまかせください」)
「わかりました。お任せください」
(つばめは、こころやさしいおうじのねがいをかなえようと、)
ツバメは、心やさしい王子の願いをかなえようと、
(まちじゅうをとびまわりました。)
町中を飛び回りました。
(おうじのけんからはずしたあかいほうせきは、びょうきのこどもがいるいえへ。)
王子の剣から外した赤い宝石は、病気の子どもがいる家へ。
(めからぬきとったあおいほうせきは、まずしいさっかのところへ。)
目から抜き取った青い宝石は、貧しい作家のところへ。
(もうひとつは、まずしいまっちうりのしょうじょのところへ。)
もう一つは、貧しいマッチ売りの少女のところへ。
(おうじのからだのきんぱくも、いちまいずつはがしては)
王子の体の金ぱくも、一枚ずつはがしては
(まずしいひとたちにとどけてまわります。)
貧しい人たちに届けて回ります。
(もはや、おうじはめもみえず、)
もはや、王子は目も見えず、
(きんいろだったからだも、はいいろでおおわれてしまいました。)
金色だった体も、灰色で覆われてしまいました。
(まちのひとたちは、いつしかおうじのぞうにみむきもしなくなりました。)
町の人たちは、いつしか王子の像に見向きもしなくなりました。
(それでもつばめだけは、おうじのそばをはなれませんでした。)
それでもツバメだけは、王子のそばを離れませんでした。
(「こころやさしいおうじ、わたしはいつまでもそばにおります」)
「心やさしい王子、私はいつまでもそばにおります」
(やがてふゆがきて、ゆきがふりはじめました。)
やがて冬が来て、雪が降り始めました。
(さむさによわいつばめは、こごえてうごけなくなり、)
寒さに弱いツバメは、凍えて動けなくなり、
(おうじのあしもとでついにいきたえてしまいました。)
王子の足元でついに息絶えてしまいました。
(「こころやさしいつばめさん、さようなら」)
「心やさしいツバメさん、さようなら」
(つばめのしをかなしんで、おうじのしんぞうはふたつにわれました。)
ツバメの死を悲しんで、王子の心臓は二つに割れました。
(まちのひとたちは、おうじをみていいました。)
町の人たちは、王子を見ていいました。
(「こんなみすぼらしいぞうは、とかしてしまえ」)
「こんなみすぼらしい像は、とかしてしまえ」
(ところが、おうじのしんぞうだけは、どうやってもとけません。)
ところが、王子の心臓だけは、どうやってもとけません。
(けっきょくおうじのしんぞうは、つばめのなきがらといっしょに)
結局王子の心臓は、ツバメの亡骸といっしょに
(ごみすてばにすてられました。)
ゴミ捨て場に捨てられました。
(てんしがそれを、てんごくからみていました。)
天使がそれを、天国から見ていました。
(「なんといううつくしいものたちだろう」)
「なんという美しい者たちだろう」
(てんしはおうじのしんぞうと、つばめのなきがらを、)
天使は王子の心臓と、ツバメの亡骸を、
(そらのうえへはこんでいきました。)
空の上へ運んでいきました。
(こうして、しあわせのおうじとつばめは、)
こうして、しあわせの王子とツバメは、
(てんごくでしあわせにくらしたのでした。)
天国でしあわせに暮らしたのでした。