電ぐりがえ死　Part1

(ころせら)

『ころせら』

(ころせころせころせころせころせころせころせころせ)

５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ×１２

(かぜになってくもになってかみになればあおぞら)

風になって雲になって神になれば青空

(ぶちまけてちまみれあたまとばせばくちだけ)

ぶちまけて地まみれ頭飛ばせば口だけ

(ぼくらだってみんなだってほしになればさむぞら)

ぼくらだってみんなだって星になれば寒空

(いきかえっていきかえりさかさまのおしゃかさま)

生き帰って生き返りさかさまのお釈迦様

(ころせころせころせころせころせころせころせころせ)

５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ５６せ×７

(でんでんしんでんず)

『でんでん心電図』

(でんでんしんでんず　でんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(でんでんしんでんずでんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(せいみつなさどうきかいてきなせいめいげんしょう)

精密な作動　機械的な生命現象

(のびるけっかんせんろでてんかいくるくる)

伸びる血管線路で転回くるくる

(びさいなこうぞうきのうてきなせいぞんほんのう)

微細な構造　機能的な生存本能

(にじゅうらせんほっぽってすすむいでんしのむこう)

二重らせんほっぽって　進む遺伝子の向こう

(ほうかじょうたいどうみゃくこうかしゅんじにこうかいきゅうこうか)

放火状態　動脈硬化　瞬時に後悔急降下

(ひょうはくこうかのこうかんのうはきょうがくこうかでちょうおんぱ)

漂白効果の交換脳波　驚愕効果で超音波

(だいだいやぶってたいがいはいそうばいかいどうろはこうおんど)

橙破って体外敗走　媒介道路は高温度

(こうそくりゅうどうながれるけっしょうそくていふのうのしんでんず)

高速流動流れる血漿　測定不能の心電図

(あれとそれくみあってうごきめくからだのちゅうしんぶ)

あれとそれ組み合って　うごきめく身体の中心部

(さいしんぶつくられたちゅうしんかくまもってじゅうしんぶ)

最深部作られた中心核　守って重心部

(たぎるけつえきやこどうひびくこのしんぞうは)

滾る血液や鼓動響くこの心臓は

(つきるまでつづくせいめいこのいのちまで)

尽きるまで続く生命　この命まで

(でんでんしんでんずでんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(だんだんだんめんずだんだんくさってだんめんず)

だんだん断面図　だんだん腐って断面図

(だんだんだんめんずだんぺんてきだんめんず)

だんだん断面図　断片的断面図

(ほんもうてきやぼうすいろんだけのとくめいようぼう)

本望的野望　推論だけの匿名要望

(かえるきろだいほうかいかいめつぐちゃぐちゃ)

帰る帰路大崩壊　壊滅ぐちゃぐちゃ

(ほんのうてきしょうどうはめつてきなれんあいかんじょう)

本能的衝動　破滅的な恋愛感情

(よくぼうぜんせんのっとってまわるげんじつのうらへ)

欲望前線乗っ取って　回る現実の裏へ

(だたいだったいたいだのこんせきひっせきめぐるきせきなんて)

堕胎脱退怠惰の痕跡　筆跡巡る奇跡なんて

(せいにすがりつきしにしがみつきせいしんほうかいおすみつき)

生にすがりつき死にしがみつき　精神崩壊お墨付き

(かいろうめぐってたいないかいきかいほうめざしてようかいご)

廻廊めぐって胎内回帰　解放目指して要介護

(そんざいふせいのたゆたうげんかくかんていふのうのだんめんず)

存在不正の揺蕩う幻覚　鑑定不能の断面図

(それとこれあわさってからみふたつかべまっかっか)

それとこれ合わさって　絡み二つ壁真っ赤っか

(りかいせずあきらめたしのまぎわはなったひとばしら)

理解せず諦めた　死の間際放った人柱

(のこされたものはみすごしたじんちゅうぜつぼうと)

残されたものは　見過ごした陣中絶望と

(わすれたふりしたここちよいあくむだけ)

忘れた振りした　心地よい悪夢だけ

(でんでんしんでんずでんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(てんてんてんかいずてんかいまわってかいてんず)

てんてん展開図　展開回って回転図

(てんてんてんかいずてんかいてきかいてんず)

てんてん展開図　展開的回転図

(みぎてにみえるはあかいにくきれひだりてみえるはまわるちのうみ)

右手に見えるは赤いにくきれ（左手見えるはまわるちのうみ）

(たいないおなかでゆらりゆらりゆられてひかりがみえたらどんぞこのうみ)

たいないおなかでゆらりゆらりゆられて（光が見えたらどん底の海）

(もうそうにとりついたきょこうじみたしこうかいろ)

妄想に取り憑いた虚構じみた思考回路

(めをそらしみはなしたぜんしんかけるげんじつほうき)

目をそらし見放した全身かける現実放棄

(くさるけつえきもこどうすらしないしんぞうもわすれたくないた)

腐る血液も鼓動すらしない心臓も忘れたくないた

(でんでんしんでんずでんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(だんだんだんめんずだんだんくさってだんめんず)

だんだん断面図　だんだん腐って断面図

(だんだんだんめんずだんぺんてきだんめんず)

だんだん断面図　断片的断面図

(てんてんてんかいずてんかいまわってかいてんず)

てんてん展開図　展開回って回転図

(てんてんてんかいずてんかいてきかいてんず)

てんてん展開図　展開的回転図

(でんでんしんでんずでんでんしんでくしんでんず)

でんでん心電図　でんでん死んでく心電図

(でんでんしんでんずでんしてきしんでんず)

でんでん心電図　電子的心電図

(でんしてきしんでんず)

電子的心電図

(しったいせいたいじっけんたい)

『失態生態実験体』

(たいくつでつまらないしっぱいだらけのにちじょうを)

退屈でつまらない失敗だらけの日常を

(ぬけだしつくりあげたひとりこどくのじっけんじょう)

抜け出し作り上げた一人孤独の実験場

(きっととめられないさふしぎまみれのれつじょうは)

きっと止められないさ不思議まみれの劣情は

(こうきしんときめかせてないしょのけんしょうおぺれーしょん)

好奇心ときめかせて内緒の検証オペレーション

(ひとりぽつりしずくひかり)

ひとりぽつりしずくひかり

(りそうとじこめほるまりんづけ)

理想閉じ込めホルマリン漬け

(なのにたりないどこかのぱーつ)

なのに足りないどこかのパーツ

(かいけつふのうのぎもんてん)

解決不能の疑問点

(ああ)

嗚呼

(いったいぜんたいなんだってんだいしっぱいだらけのじっけんだい)

一体全体何だってんだい失敗だらけの実験台

(かんぜんかんぺきもとめてたってふかのうなのにね)

完全完璧求めてたって不可能なのにね

(あいまいもようのもくてきなんてりゆうがたりないはんどうたい)

曖昧模様の目的なんて理由が足りない半導体

(じっけんけっかはしっぱいばっかしったいせいたいじっけんたい)

実験結果は失敗ばっか失態生態実験体

(よくぼうぬりたくったみるにたえないしょーうぃんどう)

欲望塗りたくった見るに耐えないショーウィンドウ

(じぶんいろそめすぎたいっけんじごくのとうげんきょう)

自分色染めすぎた一見地獄の桃源郷

(どうせいみなんてないとふまんをはきだすしんでんず)

「どうせ意味なんてない」と不満を吐き出す心電図

(りかいしないならそれじゃあでていけばいいさ)

理解しないならそれじゃあ出ていけばいいさ

(じんぎせいぎりんりろんりりかいできないたにんのしんり)

仁義 正義 倫理 論理 理解できない他人の心理

(うまくあわないこどうのりずむしょうめいできないむじゅんてん)

上手く合わない鼓動のリズム証明できない矛盾点

(ああ)

嗚呼

(どうしてなんでのえいきゅうるーぷ)

どうしてなんでの永久ループ

(ぜつぼうちらばるじっけんだい)

絶望散らばる実験台

(なんぜんなんかいくりかえしてもみたされないのは)

何千何回繰り返しても満たされないのは

(きってもさいてもさしてころしてもぜんぜんたりないひけんたい)

切っても裂いても刺して殺しても全然足りない被験体

(これはただしくないとわかってるからこそいやなんだ)

これは正しくないと分かってるからこそ嫌なんだ