《海角七号》手紙その五
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問題文
(ゆうがた、にほんかいにでた。)
夕方、日本海に出た。
(ひるまはあたまがわれそうにいたい。)
昼間は頭が割れそうに痛い。
(きょうはこいきりがたちこめ、)
今日は濃い霧がたちこめ、
(ひるのあいだ、ぼくのしかいをさえぎった。)
昼の間、僕の視界を遮った。
(でも、いまはほしがとてもきれいだ。)
でも、今は星がとても綺麗だ。
(おぼえてる?きみはまだちゅうがくいちねんせいだったころ、)
覚えてる?君はまだ中学一年生だった頃、
(てんぐがつきをくうのうそんのでんせつをひっぱりだして、)
天狗が月を食う農村の伝説を引っ張り出して、
(げっしょくのてんもんりろんにちょうせんしたね。)
月食の天文理論に挑戦したね。
(きみにおしえておきたいりろんがもうひとつある。)
君に教えておきたい理論がもう一つある。
(きみはいまみているほしのひかりが、)
君は今見ている星の光が、
(すうおくこうねんのかなたにあるほしからはなたれてるってしってるかい?)
数億光年の彼方にある星から放たれてるって知ってるかい?
(わぁ~!すうおくこうねんまえにはなたれたひかりが、いまぼくたちのめにとどいているんだ。)
わぁ~!数億光年前に放たれた光が、今僕たちの目に届いているんだ。
(すうおくねんまえたいわんとにほんはいったいどんなようすだったろう。)
数億年前台湾と日本は一体どんな様子だったろう。
(やまはやま、うみはうみ、)
山は山、海は海、
(でも、そこにはだれもいない。)
でも、そこには誰もいない。
(ぼくはほしぞらがみたくなった。)
僕は星空が見たくなった。
(うつろやすいこのよでえいえんがみたくなったんだ。)
虚ろやすいこの世で永遠が見たくなったんだ。
(たいわんでふゆをこすらいぎょのむれをみたよ。)
台湾で冬を越す雷魚の群れを見たよ。
(ぼくはこのおもいをいっぴきにたくそう。)
僕はこの思いを一匹に託そう。
(りょうしをしているきみのちちおやがつかまえてくれることをねがって、)
漁師をしている君の父親が捕まえてくれることを願って、
(ともこ、かなしいあじがしてもたべておくれ。)
友子、悲しい味がしても食べておくれ。
(きみにはわかるはず、)
君には分かるはず、
(きみをすてたのではなく、)
君を捨てたのではなく、
(なくなくてばなしたということを、)
泣く泣く手放したということを、
(みながねているかんぱんでひくくなんどもくりかえす。)
皆が寝ている甲板で低く何度も繰り返す。
(すてたのではなく、)
捨てたのではなく、
(なくなくてばなしたんだと。)
泣く泣く手放したんだと。
(よるがあけた。)
夜が明けた。
(でも、ぼくにはかんけいない。)
でも、僕には関係ない。
(どっちみち、たいようはこいきりをつれてくるだけだ。)
どっちみち、太陽は濃い霧を連れてくるだけだ。
(よあけまえのこうこつのとき、)
夜明け前の恍惚の時、
(としおいたきみのゆうびなすがたをみたよ。)
年老いた君の優美な姿を見たよ。
(ぼくはかみがうすくなり、)
僕は髪が薄くなり、
(めもたれていた。)
目も垂れていた。
(あさのきりがまうゆきのようにぼくのがくのしわをおおい、)
朝の霧が舞う雪のように僕の額の皺を覆い、
(はげしいたいようがきみのくろかみをやきつくした。)
激しい太陽が君の黒髪を焼き尽くした。
(ぼくらのむねのなかのさいごのよねつはかんぜんにさめきった。)
僕らの胸の中の最後の余熱は完全に冷め切った。
(ともこ、むのうなぼくをゆるしておくれ。)
友子、無能な僕を許しておくれ。