Q これが幽霊にみえますか -14-
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問題文
(いか、「かんてさんすおんせい1-1」いちぶのもじおこし)
[以下、「カンテサンス音声1-1」一部の文字起こし]
((じゅうすうびょうかんのほわいとのいず))
(十数秒間のホワイトノイズ)
(これをてにとっていただき、まことにありがとうございます。)
これを手に取っていただき、誠にありがとうございます。
(まずは、おれいをいわせてください。)
まずは、お礼を言わせてください。
(きっとあなたはいま、すくなからずおそろしいきもちを、)
きっとあなたは今、少なからず恐ろしい気持ちを、
(ふあんかんをもって、このことばをきいていることでしょう。)
不安感を持って、この言葉を聞いていることでしょう。
(とうぜんです。あなたはあのいえにまつわるおそろしいうわさをききつけて、)
当然です。あなたはあの家に纏わる恐ろしい噂を聞きつけて、
(そしてここまでたどりついて、そのうえでいまこうしてわたしのことばをきいている。)
そしてここまで辿り着いて、そのうえで今こうしてわたしの言葉を聞いている。
(ことばをきいて、それをのうがきおくして、あたまのなかでよみあげている。)
言葉を聞いて、それを脳が記憶して、頭の中で読み上げている。
(こわがるのもとうぜんです。それでいい。)
怖がるのも当然です。それでいい。
(それはとてもしぜんなことです。)
それはとても自然なことです。
(たとえば、もしわたしがいまからいろいろとことばをろうして、)
例えば、もしわたしが今から色々と言葉を弄して、
(「あなたにたいしてきがいをくわえない」)
「あなたに対して危害を加えない」
(「こわいこと、いやなことはなにもしない」といったところで、)
「怖いこと、いやなことは何もしない」と言ったところで、
(あなたはもっともっとわたしたちにうたがいのめをむけ、)
あなたはもっともっとわたしたちに疑いの目を向け、
(きょりをとってしまうことでしょう。)
距離を取ってしまうことでしょう。
(うたがってくれるほうがしぜんですし、むしろわたしたちもそれがうれしい。)
疑ってくれるほうが自然ですし、寧ろわたしたちもそれが嬉しい。
(いまわたしのことばをうたがい、こわがりながらきいているということは、)
今わたしの言葉を疑い、怖がりながら聞いているということは、
(あなたがそれだけわたしたちのことばを、)
あなたがそれだけわたしたちの言葉を、
(ねっしんによみこんでいるということだからです。)
熱心に読み込んでいるということだからです。
(あなたがわたしをしろうとしないかぎり、)
あなたがわたしを知ろうとしない限り、
(こわいというかんじょうも、あやしいというかんじょうもうまれてこない。)
怖いという感情も、怪しいという感情も生まれてこない。
(ただなにもかんがえずわたしのことばをうけいれるのではなくて、)
ただ何も考えずわたしの言葉を受け入れるのではなくて、
(ちゃんとしんしに、しんけんにわたしのことばをこわがってくれている。)
ちゃんと真摯に、真剣にわたしの言葉を怖がってくれている。
(わたしはそれがうれしい。)
わたしはそれが嬉しい。
(うたがうことも、こわがることも、ひとつのしんらいかんけいになる。)
疑うことも、怖がることも、ひとつの信頼関係になる。
(あなたはいま、それをしょうめいしてくれている。)
あなたは今、それを証明してくれている。
(だから、わたしからもあなたにおねがいします。)
だから、わたしからもあなたにお願いします。
(そのまま、うたがいながらでもこわがりながらでもいいから、)
そのまま、疑いながらでも怖がりながらでもいいから、
(わたしのことばをききつづけてください。)
わたしの言葉を聞き続けてください。
(そうすることが、わたしにとっていちばんのよろこびになるから。)
そうすることが、わたしにとって一番の喜びになるから。
(あなたがいま、あなたのいしでしていることは、わたしをよろこばせているから。)
あなたが今、あなたの意志でしていることは、わたしを喜ばせているから。
(こわがりながらでもこのことばをよみつづけてほしい、)
怖がりながらでもこの言葉を読み続けてほしい、
(そんなねがいをきいてくれているあなたは、)
そんな願いを聞いてくれているあなたは、
(むいしきにわたしのことばを、わたしじしんを、しんらいしてくれている。)
無意識にわたしの言葉を、わたし自身を、信頼してくれている。
(あなたはいま、わたしにきょうりょくしてくれている。)
あなたは今、わたしに協力してくれている。
(あんしんするだけがしんらいじゃない。)
安心するだけが信頼じゃない。
(あんしんできずにこわがることも、うらがえせばいちばんのしんらいになる。)
安心できずに怖がることも、裏返せば一番の信頼になる。
(それに、あなたはじぶんのいしでこのことばをてにとってくれたんだから。)
それに、あなたは自分の意思でこの言葉を手に取ってくれたんだから。
(きもだめしをするみたいに、こわいきもちになりたくて、)
肝試しをするみたいに、怖い気持ちになりたくて、
(ふあんかんをあたえられたくて、だからいまもこのことばをきいてくれている。)
不安感を与えられたくて、だから今もこの言葉を聞いてくれている。
(あなたはさいしょから、むいしきのうちに、わたしにきょうりょくしてくれていた。)
あなたは最初から、無意識のうちに、わたしに協力してくれていた。
(あなたのあたまはきづこうとしていなかったかもしれないけれど、)
あなたの頭は気付こうとしていなかったかもしれないけれど、
(あなたのむいしきはさいしょから、わたしをしんらいしてくれていた。)
あなたの無意識は最初から、わたしを信頼してくれていた。
(あなたはあなたのいしで、きもだめしにきてくれた。)
あなたはあなたの意志で、肝試しに来てくれた。
(もういちどいいます。)
もう一度言います。
(あなたはあなたのいしで、きもだめしにきた。)
あなたはあなたの意志で、肝試しに来た。
(それは、どんなばしょだっただろう。)
それは、どんな場所だっただろう。
(きもだめしにいくということはとうぜん、そのばしょがひつようになるはず。)
肝試しに行くということは当然、その場所が必要になるはず。
(あなたは、どんなばしょにいったんだっけ。おぼえていますか。)
あなたは、どんな場所に行ったんだっけ。覚えていますか。
(だいじょうぶ、はっきりとそうぞうできなくてもいい。)
大丈夫、はっきりと想像できなくてもいい。
(むいしきはおぼえているはずだから、)
無意識は覚えているはずだから、
(あなたはそれをおもいだすだけでいい。)
あなたはそれを思い出すだけでいい。
(あなたはこわがりながら、それをおもいだす。)
あなたは怖がりながら、それを思い出す。
(あなたのいしで、それをおもいだしてくれる。)
あなたの意志で、それを思い出してくれる。
(それはどんなばしょだったっけ。)
それはどんな場所だったっけ。
(わたしといっしょに、そうぞうしてみましょう。)
わたしと一緒に、想像してみましょう。
(がたがたとおとがきこえる。)
がたがたと音が聞こえる。
(くるまのえんじんのようなおと。)
車のエンジンのような音。
(じっさいにきこえなくてもいい。きこえるというそうぞうをするだけでいい。)
実際に聞こえなくてもいい。聞こえるという想像をするだけでいい。
(それはじょじょに、じょじょにおおきくなって、)
それは徐々に、徐々に大きくなって、
(そうぞうのなかのあなたはいま、くるまでどこかにむかっていたことにきづく。)
想像の中のあなたは今、車でどこかに向かっていたことに気付く。
(おもいだして。あなたはくるまで、どこかにむかっていたはず。)
思い出して。あなたは車で、どこかに向かっていたはず。
(くるまのまどからはみどりが、たくさんのきぎやくさがみえていて、)
車の窓からは緑が、たくさんの木々や草が見えていて、
(そもそものはじまりがやまのなかだったことを、そこであなたはおもいだす。)
そもそもの始まりが山の中だったことを、そこであなたは思い出す。
(やまをぬけて、きぎをぬけて、ばあっとしかいがひらける。)
山を抜けて、木々を抜けて、ばあっと視界が開ける。
(そこにはなにがあったっけ。)
そこには何があったっけ。
(そう、そこにはいえがあった。)
そう、そこには家があった。
(そのいえのみためをしらないはずなのに、)
その家の見た目を知らないはずなのに、
(あなたはなぜかそのいえをしっている。)
あなたは何故かその家を知っている。
(そのいえがじぶんのいえみたいにおちつくばしょだとおしえられたことも、)
その家が自分の家みたいに落ち着く場所だと教えられたことも、
(そのいえでたくさんのひととであったことも、)
その家でたくさんの人と出会ったことも、
(あなたはつぎつぎとおもいだす。)
あなたは次々と思い出す。