パレオトピア

(ひるのそらがうそみたいなにびいろ)

昼の空が嘘みたいな鈍色

(つちをなぞりながらひざをついていたんだ)

土をなぞりながら膝を付いていたんだ

(あじのしないおもいでとのどにつかえたゆうきのかげに)

味のしない思い出と　喉に痞えた勇気の影に

(あまやどりのあてばかりをさがした)

雨宿りの当てばかりを探した

(かかえこんだよわさとむきあうひがきたの)

抱え込んだ弱さと向き合う日が来たの

(いたくてもこわくても)

痛くても　怖くても

(しれんは「ひとり」でたたなきゃいけない)

試練は「独り」で立たなきゃいけない

(よろいのしたこころがなみだをからすなら)

鎧の下　心が涙を枯らすなら

(こたえてよこたえてよねぇ)

答えてよ　答えてよ　ねぇ

(まだそこにいるんでしょう)

まだ　そこにいるんでしょう

(てつのあめがぬりつぶしたにじいろ)

鉄の雨が塗りつぶした虹色

(きずをかくしながらたちつくしていたんだ)

傷を隠しながら立ち尽くしていたんだ

(らいめいがわらいきあつがはをむける)

雷鳴が嘲笑い　気圧が刃を向ける

(がれきのやまとだえたせんろ)

瓦礫の山　途絶えた線路

(あるけるでしょういいきかせてつまずいた)

歩けるでしょう　言い聞かせて躓いた

(はがれおちたつよさをてばなすひがきたの)

剥がれ落ちた強さを手放す日が来たの

(つかんでもこらえても)

掴んでも　堪えても

(みれんにさされたねがいがぬけない)

未練に刺された願いが抜けない

(がらんどうになったむねになみだながすなら)

伽藍洞になった胸に　涙を流すなら

(みたしてよみたしてよねぇ)

満たしてよ　満たしてよ　ねぇ

(いまそこにいるんだよ)

いま　そこにいるんだよ

(かれきがせきとめたみずびたしのめいろで)

枯れ木が堰き止めた　水浸しの迷路で

(「ひとり」は「ひとり」じゃなくなる)

「ひとり」は「独り」じゃなくなる

(どろだらけでもはいあがった)

泥だらけでも這い上がった

(ずぶぬれのすがたをみていた)

ずぶ濡れの姿を見ていた

(だれよりもそばでぼくのことをみていた)

誰よりもそばで　僕のことを　見ていた

(ぼくがいるよ)

ぼくがいるよ

(かなしそうなめをしたむじゅんをうつしたかがみ)

悲しそうな眼をした　矛盾を映した鏡

(まるごしでだきしめよわさをゆるしたよ)

丸腰で抱き締め　弱さを許したよ

(かかえこんだよわさとむきあいであえたの)

抱え込んだ弱さと向き合い出逢えたの

(「つかれた」と「ごめんね」とをいやして)

「疲れた」と「ごめんね」とを癒して

(「ひとり」は「ひとり」とゆうやけを)

「独り」は「ひとり」と夕焼けを

(（あめにうたれかぜにふかれ）)

雨に打たれ　風に吹かれ

(うしないうしないこのあらしのはてのこるもの)

失い　失い　この嵐の果て残るもの

(いまここにあるんだよ)

いま　ここにあるんだよ

(おなじそらをせなかあわせでぼくらみているよ)

同じ空を　背中合わせで　僕ら見ているよ

(にじをみていた)

虹を見ていた