八月のスーベニア

(あまずっぱいそーだがのどにのこる)

甘酸っぱいソーダが喉に残る

(ことしははなびがあがるらしい)

今年は花火が上がるらしい

(すこしあせたしゃしんきみにてをひかれて)

少し褪せた写真　君に手を引かれて

(くもをかすんだざんぞう)

雲を霞んだ残像

(だれもいないばすにのりこんで)

誰もいないバスに乗り込んで

(いきさきもきめずにはしりだした)

行先も決めずに走り出した

(ああ)

ああ

(あのなつがすぎさって)

あの夏が過ぎ去って

(いまはもうどれくらいだろう)

今はもうどれくらいだろう

(きっときみはおとなになっただろう)

きっと君は大人になっただろう

(「うみをみにいこうよ」)

「海を見に行こうよ」

(きみはむじゃきにわらった)

君は無邪気に笑った

(よくはれてそらがきれいだった)

よく晴れて空が綺麗だった

(みちはどうやらここまでみたいだ)

道はどうやらここまでみたいだ

(このさきはあるいていかなくちゃ)

この先は歩いていかなくちゃ

(かわしたことばでじにあがゆれている)

交わした言葉でジニアが揺れている

(またらいねんもここにこよう)

また来年もここに来よう

(みあげたらくもひとつないから)

見上げたら雲一つないから

(なんだかきゅうにさなきたくなった)

なんだか急にさ　泣きたくなった

(ああ)

ああ

(あのなつがすぎさって)

あの夏が過ぎ去って

(いまはもうどれくらいだろう)

今はもうどれくらいだろう

(きっときみはきれいになっただろう)

きっと君は綺麗になっただろう

(「ぜったい、やくそくだ」)

「絶対、約束だ」

(ぼくはそうわらっていった)

僕はそう笑って言った

(すきとおるあおみたいにいった)

透き通る青みたいに言った

(「ずっとわすれないでね」)

「ずっと忘れないでね」

(いまがとわになるように)

イマが永遠(とわ)になるように

(わんしーんをきりとった)

ワンシーンを切り取った

(これからながいながいなつにきみを)

これから　長い長い夏に君を

(おいていくんだ)

置いていくんだ

(おいていくんだ)

置いていくんだ

(あのなつをみおくって)

あの夏を見送って

(いまはもうどれくらいだろう)

今はもうどれくらいだろう

(ずっとぼくはおとなになったよ)

ずっと僕は大人になったよ

(「またうみにいきたいな」)

「また海に行きたいな」

(きみはそうわらっていった)

君はそう笑って言った

(よくはれてそらがきれいだった)

よく晴れて空が綺麗だった

(なきたいくらいそらがきれいだった)

泣きたいくらい空が綺麗だった

(ずっとわすれないよ)

ずっと忘れないよ

(ずっとわすれないよ)

ずっと忘れないよ

(ずっとわすれないよ)

ずっと忘れないよ

(いつかきみにあうひまで)

いつか君に会う日まで