染

(きみがすいこまれたえきながるるひとごみ)

君が吸い込まれた　駅流るる人ごみ

(もみけされたきみはてをふろうとしていた)

揉み消された君は　手を振ろうとしていた

(なつかしいまちがいまみしらぬゆめのなか)

懐かしい街が今　見知らぬ夢の中

(むだにりきむうでにはきづかずにねむる)

むだに力む腕には　気づかずに眠る

(あさのざわめきよみかえすただりれき)

朝のざわめき　読み返すただ履歴

(よみがえるみょうなきせきがあふれてく)

蘇る妙な奇跡が溢れてく

(はかないよるのかおりすいこめずにほろり)

儚い夜の香り　吸い込めずにほろり

(おもいだすのはどんないろ)

思い出すのはどんな色

(とおいむかしのことのようで)

遠い昔のことのようで

(そうでもないね)

そうでもないね

(しみついてしまった)

染みついてしまった

(あたりまえがことしはないね)

当たり前が今年はないね

(それでもなつはすぎさっていくんだよ)

それでも夏は過ぎ去っていくんだよ

(ようもなくあるいたひがしへしずむまま)

用もなく歩いた　東へ沈むまま

(ふるいびるのかどにきえていくあかり)

古いビルの角に　消えていくあかり

(あじけないかぜがまたひきずるぼくをただ)

味気ない風がまた　引きずる僕をただ

(とめどないわらいごえがもどかしくひびく)

止めどない笑い声が　もどかしく響く

(よるのきらめきなれないひびはつづき)

夜の煌めき　　慣れない日々は続き

(たらないくせにでたらめをかさねてく)

たらないくせにデタラメを重ねてく

(あてないおもいをつづりなさけないときょうもわらい)

当てない想いを綴り　情けないと今日も笑い

(おぼえてるのさどんなひも)

覚えてるのさどんな日も

(とおいむかしのことのようでそうでもないね)

遠い昔のことのようで　そうでもないね

(しりすぎてしまった)

知りすぎてしまった

(あたりまえがことしはないね)

当たり前が今年はないね

(それでもなつはすぎさっていく)

それでも夏は過ぎ去っていく

(わすれたころにきみにあえた)

忘れた頃に君に会えた

(かわらないからだきあってしまった)

変わらないから　抱き合ってしまった

(あたたかなかぜがふいて)

あたたかな風が吹いて

(なみだがもれてわらいあってしまったんだ)

涙が漏れて　笑い合ってしまったんだ