ボタン

(こうちゃとこーひーがふたつならんでいる)

紅茶とコーヒーが　二つ並んでいる

(あぁいつかもきいた”またそのはなしか”)

あぁ　いつかも聞いた　"またその話か"

(おどろいたようにあいづちをうってりゃいい)

驚いた様に　相槌を打ってりゃいい

(そうふたりはこうやってうまくやってきたんだ)

そう　二人はこうやって　上手くやってきたんだ

(でもわかってるんだぼくだっていまそっととけいにめをやった)

でも　分かってるんだ　僕だって　今そっと時計に目をやった

(ほおづえついたきみがまたそとをみてる)

頬杖付いた君がまた　外を見てる

(このさめたこーひーときみのひょうじょうがかさなって)

この冷めたコーヒーと　君の表情が重なって

(すこしぞっとしたとおいめにがいだけのいやなよかんを)

少し　ぞっとした遠い目　苦いだけの嫌な予感を

(ぐっとのみほしてはりつけたえがおをうかべながら)

グッと飲み干して　張り付けた笑顔を浮かべながら

(うかがうようにてをつなぐ)

窺う様に　手を繋ぐ

(ながいれつをつくってくるまがならんでいる)

長い列を作って　車が並んでいる

(ぱっ！！てぼくらのてまえであかしんごうになった)

パッ!!て僕らの手前で　赤信号になった

(にぎりかえすてにはもうなんかとうにだせいのにおいがしてる)

握り返す手には　もうなんか　とうに惰性の匂いがしてる

(”あしたははれるって”あぁどうだっていいのに)

"明日は晴れるって"　あぁ　どうだっていいのに

(ことばとかでごまかしてたりないところはだきあって)

言葉とかで誤魔化して　足りないところは抱き合って

(それをただぼくらつごうよく”あいしてる、、、”ってなんかちがうよな)

それをただ　僕ら　都合良く　"アイシテル、、、"　ってなんか違うよな

(なんとなくそっとつきあかりがきれいにしてくれる)

なんとなく　そっと　月明りが綺麗にしてくれる

(こんなうすっぺらいぼくらでも)

こんな薄っぺらい　僕らでも

(きっとぼくとおなじようなこときみもまたかんがえてたりして)

きっと僕と同じようなこと　君もまた考えてたりして

(もてあましたぼたんはとうにかけちがってる)

持て余したボタンは　とうに掛け違ってる

(いれたてのこーひーがさっきまでめのまえにあって)

淹れたてのコーヒーが　さっきまで目の前にあって

(なのにもうぼくらのまえにはすてられたかんがころがってる)

なのに　もう僕らの前には　捨てられた缶が転がってる

(”いつかおわるんだ”たぶんきみがきりだすさよならで)

"いつか終わるんだ"　多分　君が切り出す　サヨナラで

(ならそれまではつづけばいい)

なら　それまでは　続けばいい

(だらしなくつごうよく)

だらしなく　都合良く

(それでいいなぁなぁなぁ)

それでいいなぁ　なぁ　なぁ