大豆物語 16巻 最終章

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問題文
(さくらのはなびらがまだひとつもまいちらないさむざむしいあさ、だいずはしずかにたっていた。)
桜の花びらがまだ一つも舞い散らない寒々しい朝、大豆は静かに立っていた。
(かれのすがたは、まるでひかりのりゅうしがあつまってできたかのように、こうごうしくかがやいていた。)
彼の姿は、まるで光の粒子が集まってできたかのように、神々しく輝いていた。
(だいずばたけのちゅうおうにたつかれは、まるではたけそのもののしゅごしんのようなそんざいだった。)
大豆畑の中央に立つ彼は、まるで畑そのものの守護神のような存在だった。
(しかし、とつぜんだいずのからだがとうめいになりはじめた。)
しかし、突然大豆の体が透明になりはじめた。
(まるでかれのすがたがひかりそのものになってしまうかのように)
まるで彼の姿が光そのものになってしまうかのように
(しゅういのけしきがすきとおってみえるようになっていった。)
周囲の景色が透き通って見えるようになっていった。
(かれのまわりにひろがるあかるいひかりがまばゆくかがやきながらかれをつつみこんでいく。)
彼の周りに広がる明るい光がまばゆく輝きながら彼を包み込んでいく。
(そのとき、ちかくでむしとりをしていたこどもがだいずをみまもっていた。)
その時、近くで虫取りをしていた子供が大豆を見守っていた。
(かれはだいずばたけのちかくにすむしょうねんだった。)
彼は大豆畑の近くに住む少年だった。
(かれのひとみにはふかいかなしみがやどり、だいずのさりゆくすがたをしずかにみおくっていた。)
彼の瞳には深い悲しみが宿り、大豆の去りゆく姿を静かに見送っていた。
(「ああ、だいずよ。」)
「ああ、大豆よ。」
(しょうねんのこえがかすかにきこえるなか、かれはただしずかにたちつくしていた。)
少年の声がかすかに聞こえる中、彼はただ静かに立ち尽くしていた。
(かれはだいずとともにおおくのじかんをすごし、かれのそんざいがこのまちにとって)
彼は大豆と共に多くの時間を過ごし、彼の存在がこの町にとって
(いかにたいせつなものであったかをしっていた。)
いかに大切なものであったかを知っていた。
(だいずのからだがますますとうめいになり、)
大豆の体がますます透明になり、
(もはやかれをみつけることはできないほどになっていった。)
もはや彼を見つけることはできないほどになっていった。
(しょうねんのこころには、だいずのこうごうしさがふかくきざまれていた。)
少年の心には、大豆の神々しさが深く刻まれていた。
(かれのそんざいははたけだけでなく、このまちじたいにもかかせないものであり、)
彼の存在は畑だけでなく、この町自体にも欠かせないものであり、
(そのさりゆくすがたはまるでしんぴてきなるこうけいだった。)
その去りゆく姿はまるで神秘的なる光景だった。
(「さようなら、だいずよ。」)
「さようなら、大豆よ。」
(しょうねんはしずかにいのりをささげ、だいずのすがたをおいもとめることなく、)
少年は静かに祈りを捧げ、大豆の姿を追い求めることなく、
(ただただそのばにたちつくしていた。)
ただただその場に立ち尽くしていた。
(だいずはもはやかれらのせかいにはそんざいせず、かれらのこころにえいえんにきざまれたそんざいとして、)
大豆はもはや彼らの世界には存在せず、彼らの心に永遠に刻まれた存在として、
(しずかにそのすがたをけしさっていった。)
静かにその姿を消し去っていった。