タイピングで小指と薬指が言うことを聞かない話28

(とようせいがせつめいした。)

と妖精が説明した。

(「わかった、ぼくたちがそのみずをとりにいくよ！」)

「分かった、僕たちがその水を取りに行くよ！」

(とともやがけついをかためた。)

と智也が決意を固めた。

(ようせいのあんないで、ともやとゆびたちはゆめのかわにむかってしゅっぱつした。)

妖精の案内で、智也と指たちは夢の川に向かって出発した。

(どうちゅうにはさまざまないきものたちがすんでおり、)

道中には様々な生き物たちが住んでおり、

(ともやたちはかれらとゆうこうてきなこうりゅうをかさねながらすすんでいった。)

智也たちは彼らと友好的な交流を重ねながら進んでいった。

(とちゅう、おおきなもりにさしかかった。)

途中、大きな森に差し掛かった。

(もりのなかはうすぐらく、なにかふしぎなちからがはたらいているようだった。)

森の中は薄暗く、何か不思議な力が働いているようだった。

(ともやはしんちょうにあゆみをすすめ、ゆびたちもしゅういにきをくばりながらすすんだ。)

智也は慎重に歩を進め、指たちも周囲に気を配りながら進んだ。

(とつぜん、もりのおくからきみょうなおとがきこえてきた。)

突然、森の奥から奇妙な音が聞こえてきた。

(「これは・・・なにかいるみたいだ」とおやゆびがけいかいした。)

「これは…何かいるみたいだ」と親指が警戒した。

(「だいじょうぶ、ぼくたちならのりこえられるよ」)

「大丈夫、僕たちなら乗り越えられるよ」

(とひとさしゆびがゆうきをだしてまえにすすんだ。)

と人差し指が勇気を出して前に進んだ。

(おとのしょうたいはおおきなちょうだった。)

音の正体は大きな蝶だった。

(そのちょうはともやたちにゆうこうてきにちかづき、)

その蝶は智也たちに友好的に近づき、

(かれらをゆめのかわへのさいたんるーとへとみちびいてくれた。)

彼らを夢の川への最短ルートへと導いてくれた。

(「ありがとう、たすかったよ！」とともやがちょうにかんしゃすると、)

「ありがとう、助かったよ！」と智也が蝶に感謝すると、

(ちょうはゆうがにはばたきながらとびさっていった。)

蝶は優雅に羽ばたきながら飛び去っていった。

(ついにゆめのかわにたどりついた。かわはうつくしいにじいろにかがやき、)

ついに夢の川に辿り着いた。川は美しい虹色に輝き、

(きよらかなみずがながれていた。)

清らかな水が流れていた。

(「ここだね。とくべつなみずをくもう」とともやがいい、)

「ここだね。特別な水を汲もう」と智也が言い、

(ようせいがよういしたちいさなびんにみずをくみあげた。)

妖精が用意した小さな瓶に水を汲み上げた。

(「これでゆめのはなをすくえるね」とおやゆびがよろこんだ。)

「これで夢の花を救えるね」と親指が喜んだ。

(ふたたびはなのそうげんにもどると、ようせいたちがまちわびていた。)

再び花の草原に戻ると、妖精たちが待ちわびていた。

(ともやがびんのみずをはなにそそぐと、はなはふたたびげんきをとりもどし、)

智也が瓶の水を花に注ぐと、花は再び元気を取り戻し、

(うつくしくさきほこった。)

美しく咲き誇った。

(「ほんとうにありがとう、ともやさん、ゆびたち。)

「本当にありがとう、智也さん、指たち。

(あなたたちのおかげでゆめのせかいはすくわれました」)

あなたたちのおかげで夢の世界は救われました」

(とようせいがかんしゃのことばをのべた。)

と妖精が感謝の言葉を述べた。

(「これからもゆめのせかいをまもるために、ぼくたちはいつでもきょうりょくするよ」)

「これからも夢の世界を守るために、僕たちはいつでも協力するよ」

(とともやがほほえんでいうと、ゆびたちもおなじくえがおでこたえた。)

と智也が微笑んで言うと、指たちも同じく笑顔で応えた。

(そのご、かれらはげんじつのせかいにもどり、ふたたびにちじょうせいかつをおくりながらも、)

その後、彼らは現実の世界に戻り、再び日常生活を送りながらも、

(こころのなかにはゆめのせかいでのあらたなぼうけんのきおくをたいせつにいだいていた。)

心の中には夢の世界での新たな冒険の記憶を大切に抱いていた。