月光＜斉藤和義＞

(おれはこんなもんじゃないんだって)

オレはこんなもんじゃないんだって！

(こんなはずじゃないんだって)

こんなハズじゃないんだって！

(しんじておくれよ)

信じておくれよ

(わかってないあいつらがせんすのないあいつらが)

わかってないアイツらが　センスのないアイツらが

(ばかなだけなのさ)

バカなだけなのさ！

(だからどうかあともういっぱいだけ)

だからどうか　あともう一杯だけ

(きーすりちゃーずはいった)

キースリチャーズは言った

(ろっくはあるけどろーるはどうしたんだ)

「ロックはあるけどロールはどうしたんだ？」

(じょーすとらまーはいった)

ジョーストラマーは言った

(つきにてをのばせたとえとどかなくても)

「月に手を伸ばせ　たとえ届かなくても」

(だからいくなよこうかいしてもしらないぜ)

だから行くなよ　後悔しても知らないぜ

(つきもみえないよるにどこかでいぬがほえてる)

月も見えない夜に　何処かで犬が吠えてる

(さよならってきこえたよ)

「サヨナラ」って聞こえたよ

(それともしぼむゆめのおと)

それともしぼむ夢の音？

(あいしているよといえなくてひとりうたをうたう)

愛しているよと言えなくて　ひとり歌を唄う

(あなたとともにうたえたならとてもうれしい)

あなたとともに唄えたなら　とてもうれしい

(おれはおれになりたいだけなんだ)

オレはオレになりたいだけなんだ

(ただそれだけなんだだれだってそうだろ)

ただそれだけなんだ　誰だってそうだろ？

(ろっくんろーるにおそわったことは)

ロックンロールに教わったことは

(ひととちがってもじぶんらしくあれってことさ)

「人と違っても自分らしくあれ！」ってことさ

(そしてあいとへいわそいつのいみをさがしている)

そして「愛と平和」そいつの意味を探している

(あっちのせきでおっさんはいったよ)

あっちの席でオッサンは言ったよ

(おれはひゃくにんのおんなとねたぜ)

「オレは百人の女と寝たぜ」

(こっちのせきじゃわかものが)

こっちの席じゃ若者が

(おとこのかちはなにできまるのかな)

「男の価値は何で決まるのかな？」

(そしたらとなりのおんなが)

そしたらとなりの女が

(そんなのかぞくにきまってるでしょう)

「そんなの家族に決まってるでしょう！」

(つきもみえないよるになにかがひかりだした)

月も見えない夜に　何かが光だした

(きのせいなんかじゃないたしかにむねのおくのほう)

気のせいなんかじゃない　確かに胸の奥の方

(あいされたいとねがうひとでどこもじゅんばんまち)

愛されたいと願う人で　どこも順番待ち

(それぞれのうたうたいながらよるをこえてく)

それぞれの歌うたいながら　夜を越えてく

(あいしているよといえなくてまたうたをうたう)

愛しているよと言えなくて　また歌を唄う

(あなたとともにうたえたならとてもうれしい)

あなたとともに唄えたなら　とてもうれしい

(あいされたいとねがうひとでここもじゅんばんまち)

愛されたいと願う人で　ここも順番待ち

(こんやはつきがきれいだからてをのばすよてをのばすよ)

今夜は月がキレイだから　手を伸ばすよ　手を伸ばすよ