生まれ変わったら美人になりたい。feat.心華

(うけいれよううけいれた)

受け入れよう。受け入れた。

(こうていしてくれたからそれなりにこんせをおうかしている)

肯定してくれたからそれなりに今世を謳歌している。

(でもなれきったたちいふるまいはそうかんたんにはかわらない)

でも慣れ切った立ち居振る舞いはそう簡単には変わらない。

(わけありくっきーをまとめうりする)

訳ありクッキーをまとめ売りする。

(しょうみきげんのちかいべんとうにわりびきしーるをはる１９じはんはんがくになる２２じすぎ)

賞味期限の近い弁当に割引シールを貼る19時半。 半額になる22時過ぎ。

(あのねせんせいそこにはあったからわかりやすいこたえがあったから)

あのね、先生。そこにはあったから。 わかりやすい答えがあったから。

(ほんしつがだいじだとはいうけれどそれがいちばんひょうめんにでるでしょう)

本質が大事だとはいうけれど、 それが一番表面に出るでしょう。

(あたらしいじょうしきがうまれるころにはわたしもうかせきになってるわ)

新しい常識が生まれる頃には私、もう化石になってるわ。

(もういえよかかげることばとげんじつのあいだにはずれがあるじゃないか)

もう言えよ。掲げる言葉と現実の間には、ずれがあるじゃないか。

(なんでもひとつなかったことにできるのなら)

何でも一つなかったことにできるのなら、

(りょうしんとりんりにきをつかってためらって)

良心と倫理に気をつかってためらって、

(それでもこのきにいらないをけしてくれよとねがうだろう)

それでもこの気に入らないを消してくれよと願うだろう。

(もねのかいがをしょうさんしてるわたしのえはずっとみぎしたにある)

モネの絵画を賞賛してる。 私の絵はずっと右下にある。

(いくつものおとをぼつにしているぶさいくなきょくなどもういらない)

いくつもの音を没にしている。 不細工な曲などもういらない。

(あのねぱぱままじょうしきがあべこべになったらまんぞくかととわれれば)

あのねパパ、ママ。 常識があべこべになったら満足かと問われれば、

(それはそれでみにくくなりたくなりそうでしょせんはそのていどのいしね)

それはそれで醜くなりたくなりそうで。 所詮はその程度の意思ね。

(ぶじょくをうけるときだけせいをみとめられる)

侮辱を受けるときだけ性を認められる。

(だからわらわれるまえにかえてやれよおわらいに)

だから笑われる前に変えてやれよ、お笑いに。

(そちらのほうがまだきずはあさくてすむじゃないか)

そちらの方がまだ傷は浅くて済むじゃないか。

(うつくしいちょうこくをあいしているきたないことばらをけいべつしている)

美しい彫刻を愛している。 汚い言葉らを軽蔑している。

(きれいなはなだけをせんべつしているしわをあいろんでぴんとのばしてきる)

きれいな花だけを選別している。 しわをアイロンでぴんと伸ばして着る。

(せりにかってかざられるのはあんてぃーくみにくいでざいんはそうじてのいず)

競りに勝って飾られるのはアンティーク。 見にくいデザインは総じてノイズ。

(どうしてよごれたかなんてせつめいがきだれもよむほどきょうみはない)

どうして汚れたかなんて説明書き、 誰も読むほど興味はない。

(いっしょうわからないはずのひとたちがわたしたちのようになれるんだと)

一生わからないはずの人たちが、 私たちのようになれるんだと

(ただしくおしえてくれるこのくるしみすらもやがてうばわれていく)

正しく教えてくれる。 この苦しみすらもやがて奪われていく。

(うけいれようなんていってみたけどほんとうはじぶんがだいっきらいだといわせてよ)

受け入れようなんて言ってみたけど、 本当は自分が大っ嫌いだと言わせてよ。

(うつくしいというだけでこんなにもせかいはちがうんだね)

美しいというだけでこんなにも世界は違うんだね。

(ねぇねかみさまつぎがあるのなら)

ねぇね、神様。次があるのなら、

(こんなことおもいもつかないくらいのうつくしいこころのにんげんにしてほしい)

こんなこと思いもつかないくらいのうつくしい心の人間にしてほしい。

(わたしはわたしだからって)

「私は私だから」って笑

(あるひむらでいちばんのびじんのかのじょはばばあにせいけいするといいなしとげた)

ある日、村で一番の美人の彼女は「ババアに整形する」と言い、 成し遂げた。

(あいかわらずきれいだったそれでもどこかでおもっていた)

相変わらずきれいだった。それでもどこかで思っていた。

(むかしのほうがかわいかったな)

昔の方が可愛かったな。