心なんてものがあるから

(やまもたにもないそんなじんせいがよかった)

山も谷もない　そんな人生が良かった

(そうおもうんだ)

そう思うんだ

(のぼるにしてもくだるにしても)

上るにしても下るにしても

(さかみちはらくじゃないから)

坂道は楽じゃないから

(それにふずいしてうきしずみをくりかえす)

それに付随して浮き沈みを繰り返す

(こころってやつはめんどうだ)

心ってやつは面倒だ

(これをうりとばせるとしたらどれほどのかちがつくんだろう)

これを売り飛ばせるとしたらどれほどの価値が付くんだろう

(いまにいたるじんせいのとちゅう)

今に至る人生の途中

(ころがるわいしょうなこうふくで)

転がる矮小な幸福で

(いきながらえてしまったそれにつけいるふのれんさ)

生き永らえてしまった　それに付け入る負の連鎖

(いきるとはじしょうこういとたいさない)

生きるとは自傷行為と大差ない

(よろこびだなんてかんじょうはかなしみをこやすためのえさ)

喜びだなんて感情は哀しみを肥やすための餌

(きどあいらくのともぐいにいのちすらかかっている)

喜怒哀楽の共食いに命すらかかっている

(めにはみえないそんざいにどうして)

目には見えない存在にどうして

(ぼくらはとらわれてるんだ)

僕らは囚われてるんだ

(ゆめもなにもないそんなじんせいがよかった)

夢も何もない　そんな人生が良かった

(そうおもうんだ)

そう思うんだ

(かなうかなわない)

叶う叶わない

(いずれにしてもそのおもさにつぶされるから)

いずれにしてもその重さに潰されるから

(うらはらにいざってときにあきらめのわるい)

裏腹にいざって時に諦めの悪い

(こころってやつはこっけいでめんどうだ)

心ってやつは滑稽で面倒だ

(ひとをひとたらしめるものがこころならぼくはきかいでいい)

人を人たらしめるものが心なら僕は機械でいい

(ひかりなんてものをしったから)

光なんてものを知ったから

(そのうらのかげにもきづいてしまった)

その裏の陰にも気付いてしまった

(ひととしてうまれたから)

人として生まれたから

(こころなんてものがあるから)

心なんてものがあるから

(いぜんとしてぼくらはひへいしているんだ)

依然として僕らは疲弊しているんだ

(あらゆるじしょうのおもてとうらそのいたばさみで)

あらゆる事象の表と裏　その板挟みで

(へいせいをたもてるほどぼくらはできちゃいなかった)

平静を保てるほど僕らは出来ちゃいなかった

(いきるならこころをすてなきゃ)

生きるなら心を捨てなきゃ

(きしねんりょやそううつもでどころはこころのあんしょ)

希死念慮や躁鬱も出所は心の暗所

(ぼくらなりのていこうをせいろんでねじふせるな)

僕らなりの抵抗を正論で捻じ伏せるな

(めにはみえないもんにげいごうするあんたらになにがわかるんだ)

目には見えないもんに迎合するあんたらに何が分かるんだ