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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7486 7.6 97.6% 475.9 3651 88 74 2025/04/01
2 はく 7407 7.7 95.3% 474.9 3697 179 74 2025/03/19
3 Jyo 5005 B+ 5.1 96.7% 704.4 3650 124 74 2025/04/02
4 じゅん 4198 C 4.3 95.8% 832.4 3655 160 74 2025/03/29

関連タイピング

問題文

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(ししょうからきいたはなしだ。だいがくいっかいせいのあきだった。)

師匠から聞いた話だ。大学一回生の秋だった。

(ぼくはかなこさんというおかるとどうのししょうのいえにむかっていた。)

僕は加奈子さんというオカルト道の師匠の家に向かっていた。

(とくにようじはないが、ちかくまできたのでよってみようとおもったのだ。)

特に用事はないが、近くまで来たので寄ってみようと思ったのだ。

(こうさてんでしんごうまちをしていると、どうろをはさんだむこうにそのししょうのすがたを)

交差点で信号待ちをしていると、道路を挟んだ向こうにその師匠の姿を

(みつける。すこしとおいのとめずらしくくるまがばんばんとおっているので、よびかけても)

見つける。少し遠いのと珍しく車がバンバン通っているので、呼びかけても

(きづかない。そのししょうはさっていくでもなく、でんしんばしらのそばでたちどまったまま)

気づかない。その師匠は去って行くでもなく、電信柱のそばで立ち止まったまま

(うごいてない。どうしたんだろうとめをこらすと、でんしんばしらのねもとのあたりに)

動いてない。どうしたんだろうと目を凝らすと、電信柱の根本のあたりに

(なにかおちていて、それをみおろしているらしかった。)

何か落ちていて、それを見下ろしているらしかった。

(どうもびにーるぶくろをにはいったかしぱんのようだ。)

どうもビニール袋をに入った菓子パンのようだ。

(ぼくのかんさつしているまえで、ししょうはやがてきょろきょろとしゅういをうかがいはじめた。)

僕の観察している前で、師匠はやがてキョロキョロと周囲を窺い始めた。

(まさかとおもってみていると、すっとこしをおとしてそのぱんをひろいあげ、)

まさかと思って見ていると、スッと腰を落としてそのパンを拾い上げ、

(ふくのうちがわにかかえこむとあしばやにたちさっていった。)

服の内側に抱え込むと足早に立ち去って行った。

(ひろいぐいかよ。おれはわがことのようにもうれつにはずかしくなった。)

拾い食いかよ。俺は我がことのように猛烈に恥ずかしくなった。

(ほこうしゃようのしんごうがあおになり、あとをおう。)

歩行者用の信号が青になり、後を追う。

(せっきょうだな。さすがにこれは。)

説教だな。さすがにこれは。

(かくをまがってもそのすがたはみえない。にげあし、はやすぎだろう。)

角を曲がってもその姿は見えない。逃げ脚、早過ぎだろう。

(ししょうのいえにむかいながら、さいきんきんけつぎみのようだったことをおもいだす。)

師匠の家に向かいながら、最近金欠気味のようだったことを思い出す。

(ししょうはけいぞくしてばいとをしているけいせきがなく、だいがくのけいじばんに)

師匠は継続してバイトをしている形跡がなく、大学の掲示板に

(はりだされるたんぱつのばいとぼしゅうをながめているところをなんどかもくげきしている。)

張り出される単発のバイト募集を眺めているところを何度か目撃している。

(いつもおかねにきゅうしていて、たかられることがたたあったが、かとおもうと)

いつもお金に窮していて、たかられることが多々あったが、かと思うと

など

(きゅうにはぶりがよくなり、へんなものをかいこんだりしてはさんざいし、)

急に羽振りが良くなり、変なものを買い込んだりしては散財し、

(またきゅうきゅうになっていえでぐったりしている、といったぐあいだ。)

またキュウキュウになって家でぐったりしている、といった具合だ。

(はたからみているとじつにおもしろいのだが、たかられるのはめいわくだった。)

傍から見ていると実に面白いのだが、たかられるのは迷惑だった。

(ししょうのいえにつくと、ぼくはらんぼうにのっくをする。おうとうがあったので、)

師匠の家に着くと、僕は乱暴にノックをする。応答があったので、

(あいさつをしてあがりこむ。)

挨拶をして上がり込む。

(ぼくはすぐにそのへやのなかをかんさつしたが、ぱんのふくろはみあたらない。)

僕はすぐにその部屋の中を観察したが、パンの袋は見当たらない。

(「いま、ぱんをひろいましたね」)

「今、パンを拾いましたね」

(あきらかにろうばいした。)

明らかに狼狽した。

(「ひろってない」)

「拾ってない」

(「みましたよ。もうたべたんですか」)

「見ましたよ。もう食べたんですか」

(「ひろってないよ」)

「拾ってないよ」

(つづけてきつもんしたが、がんとしてそのじじつをみとめなかった。)

続けて詰問したが、頑としてその事実を認めなかった。

(ぼくはやがてこんまけする。)

僕はやがて根負けする。

(「わかりました。もういいですよ、どうでも」)

「分かりました。もういいですよ、どうでも」

(「おちてるものをひろってたべるほどおちぶれてないよ。)

「落ちてるものを拾って食べるほど落ちぶれてないよ。

(しつれいきわまりないなおまえは。しかもしょうみきげんぎれのものを」)

失礼極まりないなお前は。しかも賞味期限切れのものを」

(いいです。ぼくがわるかったです。)

いいです。僕が悪かったです。

(みょうにひっかかるものがあったが、これいじょうふもうなかいわをするつもりもなかった。)

妙に引っ掛かるものがあったが、これ以上不毛な会話をするつもりもなかった。

(かといってゆうもうなかいわもとくになく、かおもみたことだし、かえろうかと)

かといって有毛な会話も特になく、顔も見たことだし、帰ろうかと

(こしをうかした。するとししょうは「なにかたべるものをかってこい」とのたまう。)

腰を浮かした。すると師匠は「なにか食べるものを買ってこい」とのたまう。

(「そうだ。ひるめしくってないだろ。てりょうりをくらわしてやるから、)

「そうだ。昼飯食ってないだろ。手料理を食わしてやるから、

(ざいりょうをかってきなさい」いいかたをかえたが、ようするにたかるきだ。)

材料を買ってきなさい」言い方を変えたが、ようするにたかる気だ。

(ためいきをついてそとにでた。そしてちかくのすーぱーにむかう。)

溜め息をついて外に出た。そして近くのスーパーに向かう。

(しじされたものをかいこんではださむさのましたじゅうたくがいをあるいていると、)

指示されたものを買い込んで肌寒さの増した住宅街を歩いていると、

(すっかりかのじょのぺーすにはまっているじぶんにきづく。)

すっかり彼女のペースにはまっている自分に気づく。

(そしてそれをあんがいここちよくかんじていることも。)

そしてそれを案外心地よく感じていることも。

(「かえりました」)

「帰りました」

(どあをひらけて、びにーるぶくろをあしもとにおく。)

ドアを開けて、ビニール袋を足元に置く。

(ちょうどししょうがいえのでんわをきるところだった。)

ちょうど師匠が家の電話を切るところだった。

(「よていへんこうだ」)

「予定変更だ」

(「え?」)

「え?」

(「めしのたねがはっせいした」)

「飯のタネが発生した」

(いいながら、ししょうはみじたくをととのえはじめる。)

言いながら、師匠は身支度を整え始める。

(「そういえば、おまえはまだつれていったことなかったな」)

「そう言えば、お前はまだ連れて行ったことなかったな」

(「なにかのばいとですか」)

「何かのバイトですか」

(「ばいとといえばばいとだな。おもしろいぞ。いっしょにこいよ」)

「バイトと言えばバイトだな。面白いぞ。一緒に来いよ」

(りょうりのざいりょうをれいぞうこにほうりこみ、つれだってそとにでた。)

料理の材料を冷蔵庫に放り込み、連れだって外に出た。

(けいよんにのりこもうとして、「あ、がそりんやばいんだった」ととまり、)

軽四に乗り込もうとして、「あ、ガソリンやばいんだった」と止まり、

(「じてんしゃでいこう」というのでししょうのじてんしゃにふたりのりでもくてきちにむかう。)

「自転車で行こう」と言うので師匠の自転車に二人乗りで目的地に向かう。

(もちろんぺだるをこぐのはぼくだ。)

もちろんペダルをこぐのは僕だ。

(どこにいくのかをきいても、いいところ、とはぐらかされる。)

どこに行くのかを訊いても、いいところ、とはぐらかされる。

(ぼくはししょうのゆびがさすほうこうへはんどるをむけるだけだ。)

僕は師匠の指がさす方向へハンドルを向けるだけだ。

(やがてじてんしゃはしないのちゅうしんがいからすこしはなれたいっかくへいりこむ。)

やがて自転車は市内の中心街から少し離れた一角へ入り込む。

(しんきゅうのざっきょびるがたちならぶなかをすすんでいると、「ここだ」とかたがたたかれる。)

新旧の雑居ビルが立ち並ぶ中を進んでいると、「ここだ」と肩が叩かれる。

(そこはさんかいだてのうすよごれたびるで、いっかいにはきっさてんがいりぐちをかまえている。)

そこは三階建ての薄汚れたビルで、一階には喫茶店が入口を構えている。

(そこにはいるのかとおもっていると、ししょうはそのいりぐちのよこにあるかいだんをのぼりはじめた。)

そこに入るのかと思っていると、師匠はその入口の横にある階段を上り始めた。

(おもわずうえのかいをみあげると、にかいにしょうひしゃきんゆうのかんばんがかかっている。)

思わず上の階を見上げると、二階に消費者金融の看板が掛かっている。

(にのあしをふんだ。)

二の足を踏んだ。

(なんなんだ。もしかして、ぼくにかりさせるきじゃないだろうな、)

なんなんだ。もしかして、僕に借りさせる気じゃないだろうな、

(とおもってぎしんあんきにとらわれる。)

と思って疑心暗鬼にとらわれる。

(しかしあのひとだけはなにがあってもおかしくない。)

しかしあの人だけはなにがあってもおかしくない。

(どきどきしながらせまくうすぐらいかいだんをあとにつづいてあがりはじめる。)

どきどきしながら狭く薄暗い階段を後に続いて上り始める。

(ししょうのせなかをみあげると、にかいのどあをとおりすぎてさらにうえのかいへ)

師匠の背中を見上げると、二階のドアを通り過ぎてさらに上の階へ

(のびるかいだんへあしをかけるところだった。)

伸びる階段へ足を掛けるところだった。

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