先生 後編 -1-

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師匠シリーズ
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問題文

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(せんせいはてにちょーくをもったままくちをひらく。)

先生は手にチョークを持ったまま口を開く。

(「あなたはおとといのよる、まずしげちゃんといっしょにふたりでどうくつにはいった」)

「あなたは一昨日の夜、まずシゲちゃんと一緒に二人で洞窟に入った」

(こくばんにはどうくつのえと、まるとせんだけのにんげんがふたりえがかれている。)

黒板には洞窟の絵と、丸と線だけの人間が二人描かれている。

(そのうえにはまる1というまーく。)

その上には丸1というマーク。

(「いっぽんみちのどうくつのおくにはかおにゅうどうのいわがあって、)

「一本道の洞窟の奥には顔入道の岩があって、

(おぼうさんのみいらがあるというそのさきにはいけなかった。)

お坊さんのミイラがあるというその先には行けなかった。

(ふたりはおこりだすすんぜんみたいなかおをみてから、いりぐちへもどった」)

二人は怒り出す寸前みたいな顔を見てから、入り口へ戻った」

(いってもどったやじるしがどうくつのなかにえがかれる。そして「おこるまえ」とはしりがき。)

行って戻った矢印が洞窟の中に描かれる。そして「怒る前」と走り書き。

(「そのあと、たろちゃんがいれかわりにひとりでどうくつにはいっていった」)

「その後、タロちゃんが入れ替わりに一人で洞窟に入って行った」

(まる2として、もうひとりのまるとせんだけのにんげん。)

丸2として、もう一人の丸と線だけの人間。

(「どうくつのなかからひめいがきこえて、たろちゃんがはしってでてきた。)

「洞窟の中から悲鳴が聞こえて、タロちゃんが走って出てきた。

(そしていきおいあまってがけからおちた」)

そして勢いあまって崖から落ちた」

(やじるしがどうくつのでぐちからさきへまがっておちた。)

矢印が洞窟の出口から先へ曲がって落ちた。

(「たろちゃんがいうには、「かおにゅうどうがおこった」」)

「タロちゃんが言うには、『顔入道が怒った』」

(まるにのやじるしがどうくつのおくでuたーんするばしょに「おこったあと」というもじ。)

丸2の矢印が洞窟の奥でUターンする場所に「怒った後」という文字。

(「つぎのひ、つまりきのうのひるま、あなたはもういちどどうくつにいった。こんどはひとりで」)

「次の日、つまり昨日の昼間、あなたはもう一度洞窟に行った。今度は一人で」

(まるさんだ。)

丸3だ。

(「そのときちゃんとかくにんしたけれど、どうくつはいっぽんみちでえだわかれけれや)

「その時ちゃんと確認したけれど、洞窟は一本道で枝分けれや

(ひとがかくれるようなばしょはなかった。そうね?」)

人が隠れるような場所はなかった。そうね?」

(うなずく。)

頷く。

など

(「どうくつのおくにはかおにゅうどうのいわがあったけれど、こんどはわらっていた」)

「洞窟の奥には顔入道の岩があったけれど、今度は笑っていた」

(せんせいはまるさんのやじるしのさきに「わらう」とかいた。)

先生はの丸3の矢印の先に「笑う」と書いた。

(そうだ。かおにゅうどうはわらっていた。)

そうだ。顔入道は笑っていた。

(ひるまなのにかいちゅうでんとうのひかりなしではまっくらやみになってしまうどうくつの)

昼間なのに懐中電灯の光なしでは真っ暗闇になってしまう洞窟の

(さいしんぶでしろいかおとむかいあった、)

最新部で白い顔と向かい合った、

(このよのものとはおもえないこうけいをおもいだし、せすじがさむくなる。)

この世のものとは思えない光景を思い出し、背筋が寒くなる。

(「やっぱりそのときかくにんしたけれど、いわにかおをえがいたとりょうはふるくて)

「やっぱりその時確認したけれど、岩に顔を描いた塗料は古くて

(とてもきのうやきょうにぬりかえたようにはみえなかった。そうだったわね」)

とても昨日や今日に塗り替えたようには見えなかった。そうだったわね」

(うなずく。)

頷く。

(せんせいはちょーくをふりあげ、「わらう」のうえに「ふるい」とかいた。)

先生はチョークを振り上げ、「笑う」の上に「古い」と書いた。

(そして「おこるまえ」と「おこったあと」のうえには「ふるい?」と)

そして「怒る前」と「怒った後」の上には「古い?」と

(くえすちょんまーくつきでかいた。)

クエスチョンマークつきで書いた。

(せんせいはくるりとふりかえり、にっとみぎのまゆげとくちのはしをあげた。)

先生はくるりと振り返り、ニッと右の眉毛と口の端を上げた。

(「おとといのよるのかおにゅうどうには、ちかよってかくにんはしていないわね」)

「一昨日の夜の顔入道には、近寄って確認はしていないわね」

(いわれてみればそうだ。でもそのあとほんとうにいわがいかったりわらったりするなんて)

言われてみればそうだ。でもその後本当に岩が怒ったり笑ったりするなんて

(そのときはおもってもみないのだから、しかたがないじゃないか。)

その時は思ってもみないのだから、仕方がないじゃないか。

(「そのかおにゅうどうのすぐかに、しろいとりょうがついたいわがつきでていたのよね。)

「その顔入道のすぐ下に、白い塗料がついた岩が突き出ていたのよね。

(あなたがぬけおちたきばみたいだとおもったそのいわ。そのとりょうもふるかったかしら」)

あなたが抜け落ちた牙みたいだと思ったその岩。その塗料も古かったかしら」

(え?そういえばかくにんしていない。かおをおなじとりょうだとばかりおもっていたから。)

え?そういえば確認していない。顔を同じ塗料だとばかり思っていたから。

(「じゃあ、さいきんぬりかえたときについたものかもしれない」)

「じゃあ、最近塗り替えた時についたものかも知れない」

(ぬりかえだって。やっぱりせんせいはかおがおこったりわらったりしたのは、)

塗り替えだって。やっぱり先生は顔が怒ったり笑ったりしたのは、

(だれかがいわをぬりかえていたというのだろうか。)

誰かが岩を塗り替えていたと言うのだろうか。

(「ううん。きのうあなたがかくにんしたときにはふるいとりょうがつかわれていた。)

「ううん。昨日あなたが確認した時には古い塗料が使われていた。

(だからそのまえにいわのぬりかえなんておこなわれていなかったことはまちがいない。)

だからその前に岩の塗り替えなんて行われていなかったことは間違いない。

(それに、あなたとしげちゃんがでてきたあとで、たろちゃんがひとりで)

それに、あなたとシゲちゃんが出てきた後で、タロちゃんが一人で

(はいっていくまでのあいだにだれかがぬりかえるなんてできっこないでしょ。)

入っていくまでのあいだに誰かが塗り替えるなんて出来っこないでしょ。

(いりぐちはひとつしかないし、かくれられるばしょもない。)

入り口は一つしかないし、隠れられる場所もない。

(そのいりぐちもあなたたちがみはってたんだから」)

その入り口もあなたたちが見張ってたんだから」

(そうだよ。そのとおりだけど、だったらどうしてかおはおこったんだ?)

そうだよ。その通りだけど、だったらどうして顔は怒ったんだ?

(「こたえはひとつよ。さんすうみたいに。おととい、あなたがしげちゃんと)

「答えは一つよ。算数みたいに。一昨日、あなたがシゲちゃんと

(いっしょにみたかおは、いわにえがかれたものではなかった」)

一緒に見た顔は、岩に描かれたものではなかった」

(がんっ。)

ガンッ。

(となぐられたようなしょっくがあった。)

と殴られたようなショックがあった。

(たしかににどめのときみたいにかおをちかづけてみていない。)

確かに二度目の時みたいに顔を近づけて見ていない。

(どうくつにはいるまでに、いわにえがかれたものだとおしえられていたから、)

洞窟に入るまでに、岩に描かれたものだと教えられていたから、

(すなおにそうおもっていた。それがしろくぬられたはりぼてだったというんだろうか。)

素直にそう思っていた。それが白く塗られたハリボテだったというんだろうか。

(でもまてよ。それがはりぼてだったとしても、どうしてかおがかわるんだ?)

でも待てよ。それがハリボテだったとしても、どうして顔が変わるんだ?

(「ここでおもいだしてほしいのは、おとといのひるまにあなたたちが)

「ここで思い出して欲しいのは、一昨日の昼間にあなたたちが

(ひみつきちにあつまってかおにゅうどうのどうくつにいこうってはなしをしたときのこと」)

秘密基地に集まって顔入道の洞窟に行こうって話をした時のこと」

(せんせいはいたずらっぽいかおをして、ぼくをためすようにみつめてきた。)

先生はいたずらっぽい顔をして、僕を試すように見つめてきた。

(おもいだせ。あのとき、しげちゃんが「こいつももうおれたちのなかまと)

思い出せ。あの時、シゲちゃんが「こいつももう俺たちの仲間と

(みとめていいんじゃないか」なんていいだして)

認めていいんじゃないか」なんて言い出して

(ぼくをそのばんにかおにゅうどうのどうくつにつれていこうとした。)

僕をその晩に顔入道の洞窟に連れて行こうとした。

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