わたしの終末計画_3/5

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プレイ回数89難易度(4.7) 3514打 長文
自作小説
自作小説です。

4話目
https://typing.twi1.me/game/513159
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 Kayopyon 5224 B+ 5.4 96.0% 644.1 3511 146 75 2025/06/04
2 なり 4850 B 5.1 94.2% 679.7 3510 213 75 2025/06/04
3 かな 3146 E++ 3.2 95.6% 1066.8 3518 161 75 2025/06/03

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問題文

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(ひとはぱんのみにあらず。)

人はパンのみにあらず。

(ひとはぶんかてきなせいかつができるゆいいつのちきゅうせいめいたいです。)

人は文化的な生活ができる唯一の地球生命体です。

(そのなかでこそひとはたのしみ、かがやくことができるのです。)

その中でこそ人は楽しみ、輝くことができるのです。

(どうせ、おいしいものたべてもでてくる・・・・・・)

どうせ、美味しいもの食べても出てくる……

(いやげひんだね。ごめんわすれて。)

いや下品だね。ごめん忘れて。

(ぶんかてきなせいかつというものは、)

文化的な生活というものは、

(たったひとりでじつげんできるものではありません。)

たった一人で実現できるものではありません。

(じゅうじつしたごごをもとめて、ゆきちゃんのところへいきました。)

充実した午後を求めて、ゆきちゃんのところへいきました。

(ゆきちゃんがなんなのかは、なんだろういまひとつはっきりしないな。)

ゆきちゃんが何なのかは、何だろう今一つはっきりしないな。

(ずっとちいさなときから、みずとくうきとゆきちゃんがあれば)

ずっと小さなときから、水と空気とゆきちゃんがあれば

(いきていけるきがするくらい、ずっといっしょだから、)

生きていける気がするくらい、ずっと一緒だから、

(あたりまえすぎてわかんなくなっちゃうことってあるとおもうんだ。)

当たり前すぎて判んなくなっちゃうことってあると思うんだ。

(ゆきちゃんはゆきのふるひにひろわれたから、ゆき。)

ゆきちゃんは雪の降る日に拾われたから、ゆき。

(ちっちゃいけどおとこのこ。)

ちっちゃいけど男の子。

(ちなみにわたしはまっぴるまにひろわれたから、まひる。)

ちなみにわたしは真っ昼間に拾われたから、まひる。

(てきとうにつけたなまえぐあいがとうじのじょうきょうをものがたってるね。)

適当につけた名前具合が当時の状況を物語ってるね。

(まったくひどいおやもいたもんだ)

まったくひどい親も居たもんだ

(まっぴるまにおくがいほうちってねっちゅうしょうにでもなったらどうすんの?)

真っ昼間に屋外放置って熱中症にでもなったらどうすんの?

(こすてはじだいがそうだったからしかたないんだけどね。)

子捨ては時代がそうだったから仕方ないんだけどね。

(そのころおほしさまぐみはすごいぷらちなちけっとで)

その頃お星さま組はすごいプラチナチケットで

など

(こどもくらいすててでもってふうちょうがあったらしいし。)

子供くらい捨ててでもって風潮があったらしいし。

(でも、せめててんきくらいはえらんでほしいよね、)

でも、せめて天気くらいは選んで欲しいよね、

(ゆきちゃんなんてはいえんでしにかけたんだから。)

ゆきちゃんなんて肺炎で死にかけたんだから。

(いきおいよくどあをあけると、ゆきちゃんはいっしんふらんに)

勢いよくドアを開けると、ゆきちゃんは一心不乱に

(つみきのしろをくんでいました。)

つみきの城を組んでいました。

(まるでなにかのぎしきのようです。)

まるで何かの儀式のようです。

(・・・・・・いみがわからないとおもう。)

……意味がわからないと思う。

(わたしにだってさっぱりさ。)

わたしにだってさっぱりさ。

(ちいさいころしにかけたせいか、)

小さい頃死にかけたせいか、

(ふだんからきこうのめだつゆきちゃんのつみきのしろは、)

普段から奇行の目立つゆきちゃんのつみきの城は、

(すうせんちのつみきをつみあげてはば1めーとる、)

数センチのつみきを積み上げて幅1メートル、

(たかさは2めーとるにとどくたいさくになってしまっている。)

高さは2メートルに届く大作になってしまっている。

(ちょっとへんしつきょうてきというかいじょうというかゆきちゃんだね。)

ちょっと偏執狂的というか異常というかゆきちゃんだね。

(たぶんわざとすきまだらけで、しろのむこうにゆきちゃんと、)

たぶんわざと隙間だらけで、城の向こうにゆきちゃんと、

(まどのむこうのそらがすけてみえる。)

窓の向こうの空が透けて見える。

(つみきをつんでつんで、ぬいて、またつんで。)

つみきを積んで積んで、抜いて、また積んで。

(まるで、そうあるべききかいのように、せいかくによどみなく、)

まるで、そうあるべき機械のように、精確によどみなく、

(ゆきちゃんはてまのかかるひとりじぇんがをつづけていく。)

ゆきちゃんは手間のかかるひとりジェンガを続けていく。

(はなしかけたらいろいろなものがくずれてしまいそうで、)

話し掛けたらいろいろなものが崩れてしまいそうで、

(わたしはこーひーをいれてゆきちゃんとつみきのしろをながめていた。)

わたしはコーヒーをいれてゆきちゃんとつみきの城を眺めていた。

(ほんとうのしあわせというのは、こういうたいくつなときにあるのかもしれないね。)

ほんとうの幸せというのは、こういう退屈な時にあるのかもしれないね。

(あとじゅうごじかんもしたら、つきはじぶんをたもてなくなってくだける。)

あと十五時間もしたら、月は自分を保てなくなって砕ける。

(そしてはへんとなったつきのかけらはなんじゅうおくねんぶりにちきゅうとさいかいをはたすのだ)

そして破片となった月の欠片は何十億年ぶりに地球と再会を果たすのだ

(わたしたちだけをかんきゃくに。)

わたしたちだけを観客に。

(ずっとそばにいてひかれあって、)

ずっとそばにいて惹かれ合って、

(だれにもきづかれないくらいすこしずつとおざかって、)

誰にも気付かれないくらい少しずつ遠ざかって、

(きがとおくなるくらいながいじかんたってやっときづいたら)

気が遠くなるくらい長い時間たってやっと気付いたら

(ずいぶんはなれちゃって、じぶんじゃどうしようもなくて・・・・・・)

ずいぶん離れちゃって、自分じゃどうしようもなくて……

(きろくでしかみたことないけど、)

記録でしか見たことないけど、

(へびたちにそそのかされるまえのつきはあんなにきれいでけだかい。)

蛇達にそそのかされる前の月はあんなにきれいで気高い。

(みずからひかりかがやくこともかなわず、それでもよるをてらし、)

自ら光り輝くことも叶わず、それでも夜を照らし、

(かたときもちきゅうからめをはなさずみつめあきらめにもにたきょうちで、)

片時も地球から目を離さず見つめあきらめにも似た境地で、

(ただそばにあることにまんぞくしたほほえみをうかべるようなすがたがうつくしい。)

ただそばにあることに満足した微笑みを浮かべるような姿が美しい。

(でもわたしはいまのいびつでみにくいつきのほうが、)

でもわたしは今の歪で醜い月のほうが、

(よるむんがんどにえぐりとられたせなかをみられることもいとわず)

ヨルムンガンドに抉り取られた背中を見られることもいとわず

(ただいっしんにちきゅうにせまってくるつきのほうがすきだ。)

ただ一心に地球にせまってくる月のほうが好きだ。

(せめてさいごのかんきゃくとして)

せめて最後の観客として

(かのじょにはしゅくふくをおくってあげたいとまでおもう。)

彼女には祝福を送ってあげたいとまで思う。

(つみきのしろはちゃくちゃくとけんちくがすすめられている。)

つみきの城はちゃくちゃくと建築が進められている。

(もうわたしにもわかった。がうでぃみかんのたいさく、さぐらだ・ふぁみりあ。)

もうわたしにもわかった。ガウディ未完の大作、サグラダ・ファミリア。

(ずいぶんまえからけんちくしているのかほしゅうしているのかわからないあれだ。)

ずいぶん前から建築しているのか補修しているのかわからないあれだ。

(げんじつのきょうかいをおいこして、ついにかんせいすることのなかったすがたをめざして)

現実の教会を追い越して、終に完成することのなかった姿を目指して

(ゆきちゃんはきかいのようにせいかくによどみなく、わたしのそんざいをむししつつ・・・・・・)

ゆきちゃんは機械のように精確によどみなく、私の存在を無視しつつ……

(そう、まるでわたしがここにいないかのようにたんたんと・・・・・・)

そう、まるでわたしがここに居ないかのように淡々と……

(ここでとつぜんあるかのうせいが。)

ここで突然ある可能性が。

(もしかして、こいつ、まったくわたしにきづいてないんじゃなかろうか?)

もしかして、こいつ、全くわたしに気付いてないんじゃなかろうか?

(ありえる。ゆきちゃんだったらじゅうぶんにありえる。)

ありえる。ゆきちゃんだったら充分にありえる。

(たったいままでたしかにあった、たいくつだけどみちたりたじかんのようなものが、)

たった今まで確かにあった、退屈だけど満ち足りた時間のようなものが、

(だましえのようにすがたをかえる。)

だまし絵のように姿を変える。

(いつのまにかでんきのきょうきゅうはとまっていて、)

いつの間にか電気の供給は止まっていて、

(あかねいろにそまったしつないで、みかんのきょうかいがわたしにくろいかげをつきたてていた。)

あかね色に染まった室内で、未完の教会がわたしに黒い影をつきたてていた。

(もし、きづいてないとかていして、じんせいのこりじかんのさんぶんのいちくらいを、)

もし、気付いてないと仮定して、人生残り時間の三分の一くらいを、

(ぽややんとやすいこーひーでものみながらすごしてしまった。)

ぽややんと安いコーヒーでも飲みながら過ごしてしまった。

(のは、もうあきらめるとして、きりかえろ、おちついて、かんがえろ。)

のは、もうあきらめるとして、切り替えろ、落ち着いて、考えろ。

(あしたは、もう、ないんだ。)

あしたは、もう、ないんだ。

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