怪人二十面相81

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問題文

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(にんげんわざではできそうもないことを、ちょっとしたあたまのはたらきで、)

人間わざではできそうもないことを、ちょっとした頭のはたらきで、

(やすやすとやってのけるのです。」)

やすやすとやってのけるのです。」

(あけちたんていは、にじゅうめんそうのあたまのよさをほめてあげるようにいって、)

明智探偵は、二十面相の頭のよさをほめてあげるようにいって、

(ずっとてをつないでいたかんちょうきたこうじろうはかせのてくびをいたいほど、ぎゅっと)

ずっと手をつないでいた館長北小路老博士の手首を痛いほど、ギュッと

(にぎりしめました。)

にぎりしめました。

(「うーん、あれがぞくのてしただったのか。うかつじゃった。わしが)

「ウーン、あれが賊の手下だったのか。うかつじゃった。わしが

(うかつじゃった。」)

うかつじゃった。」

(ろうはかせははくぜんをふるわせて、さもくやしそうにうめきました。りょうがんが)

老博士は白髯をふるわせて、さもくやしそうにうめきました。両眼が

(つりあがって、かおがまっさおになって、みるもおそろしいふんぬのぎょうそうです。)

つりあがって、顔がまっさおになって、見るも恐ろしい憤怒の形相です。

(しかし、ろうはかせは、さんにんのにせものをどうしてみやぶることができなかった)

しかし、老博士は、三人のにせ者をどうして見やぶることができなかった

(のでしょう。にじゅうめんそうならしらぬこと、てしたのさんにんが、かんちょうにも)

のでしょう。二十面相なら知らぬこと、手下の三人が、館長にも

(わからないほどじょうずにへんそうしていたなんて、かんがえられないことです。)

わからないほどじょうずに変装していたなんて、考えられないことです。

(きたこうじはかせともあろうひとが、そんなにやすやすとだまされるなんて、)

北小路博士ともあろう人が、そんなにやすやすとだまされるなんて、

(すこしおかしくはないでしょうか。)

少しおかしくはないでしょうか。

(かいとうほばく)

怪盗捕縛

(「だが、あけちくん」)

「だが、明智君」

(けいしそうかんは、せつめいがおわるのをまちかまえていたように、あけちたんていに)

警視総監は、説明が終わるのを待ちかまえていたように、明智探偵に

(たずねました。)

たずねました。

(「きみはまるで、きみじしんがにじゅうめんそうででもあるように、びじゅつひんとうだつの)

「きみはまるで、きみ自身が二十面相ででもあるように、美術品盗奪の

(じゅんじょをくわしくせつめいされたが、それはみんな、きみのそうぞうなのかね。)

順序をくわしく説明されたが、それはみんな、きみの想像なのかね。

など

(それとも、なにかたしかなこんきょでもあるのかね。」)

それとも、何かたしかなこんきょでもあるのかね。」

(「もちろん、そうぞうではありません。ぼくはこのみみで、にじゅうめんそうのぶかから)

「もちろん、想像ではありません。ぼくはこの耳で、二十面相の部下から

(いっさいのひみつをききしったのです。いま、きいてきたばかりなのです。」)

いっさいの秘密を聞き知ったのです。今、聞いてきたばかりなのです。」

(「え、え、なんだって?きみはにじゅうめんそうのぶかにあったのか。いったい、)

「え、え、なんだって?きみは二十面相の部下に会ったのか。いったい、

(どこで?どうして?」)

どこで?どうして?」

(さすがのけいしそうかんも、このふいうちには、どきもをぬかれてしまいました。)

さすがの警視総監も、この不意うちには、どきもをぬかれてしまいました。

(「にじゅうめんそうのかくれがであいました。そうかんかっか、あなたは、ぼくが)

「二十面相のかくれがで会いました。総監閣下、あなたは、ぼくが

(にじゅうめんそうのためにゆうかいされたことをごぞんじでしょう。ぼくのかていでも)

二十面相のために誘かいされたことをごぞんじでしょう。ぼくの家庭でも

(せけんでもそうかんがえ、しんぶんもそうかいておりました。しかし、あれは、)

世間でもそう考え、新聞もそう書いておりました。しかし、あれは、

(じつをもうしますと、ぼくのけいりゃくにすぎなかったのです。)

じつを申しますと、ぼくの計略にすぎなかったのです。

(ぼくはゆうかいなんかされませんでした。かえってぞくのみかたになって、)

ぼくは誘かいなんかされませんでした。かえって賊の味方になって、

(あるじんぶつのゆうかいをてつだってやったほどです。)

ある人物の誘かいを手つだってやったほどです。

(さくねんのことですが、ぼくはあるひひとりのふしぎなでしいりしがんしゃの)

昨年のことですが、ぼくはある日ひとりのふしぎな弟子入り志願者の

(ほうもんをうけました。ぼくはそのおとこをみて、ひじょうにおどろきました。)

訪問を受けました。ぼくはその男を見て、ひじょうにおどろきました。

(めのまえにおおきなかがみがたったのではないかとあやしんだほどです。)

目の前に大きな鏡が立ったのではないかと怪しんだほどです。

(なぜかともうしますと、そのでしいりしがんしゃは、せかっこうから、かおつきから、)

なぜかと申しますと、その弟子入り志願者は、背かっこうから、顔つきから、

(かみのけのちぢれかたまで、このぼくとすんぶんちがわないくらいよくにて)

髪の毛のちぢれかたまで、このぼくと寸分ちがわないくらいよく似て

(いたからです。つまり、そのおとこはぼくのかげむしゃとして、なにかのばあいの)

いたからです。つまり、その男はぼくの影武者として、何かの場合の

(ぼくのかえだまとして、やとってほしいというのです。)

ぼくの替え玉として、やとってほしいというのです。

(ぼくは、だれにもしらせず、そのおとこをやといいれて、あるところへ)

ぼくは、だれにも知らせず、その男をやといいれて、あるところへ

(すまわせておきましたが、それがこんどやくにたったのです。)

住まわせておきましたが、それがこんど役にたったのです。

(ぼくはあのひがいしゅつして、そのおとこのかくれがへいき、すっかりふくそうを)

ぼくはあの日外出して、その男のかくれがへ行き、すっかり服装を

(とりかえて、ぼくになりすましたそのおとこを、さきにぼくのじむしょへかえらせ、)

とりかえて、ぼくになりすましたその男を、先にぼくの事務所へ帰らせ、

(しばらくしてから、ぼくじしんはふろうにんあかいとらぞうというものにばけて、)

しばらくしてから、ぼく自身は浮浪人赤井寅三というものに化けて、

(あけちじむしょをたずね、ぽーちのところで、じぶんのかえだまとちょっとかくとうを)

明智事務所をたずね、ポーチのところで、自分の替え玉とちょっと格闘を

(して、みせたのです。)

して、見せたのです。

(ぞくのぶかがそのようすをみて、すっかりぼくをしんようしました。)

賊の部下がそのようすを見て、すっかりぼくを信用しました。

(そして、それほどあけちにうらみがあるなら、にじゅうめんそうのぶかになれと)

そして、それほど明智にうらみがあるなら、二十面相の部下になれと

(すすめてくれたのです。)

すすめてくれたのです。

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