さだまさし 私は犬に叱られた

(いぬにしかられたゆめをみた)

犬に叱られた夢を見た

(きみらにんげんはすこしおもいあがっているんじゃないかって)

君ら人間は少し思い上がっているんじゃないかって

(なんのやくにもたたぬしにざまをいぬじになんて)

何の役にも立たぬ死に様を犬死になんて

(かるがるしくいうんじゃないとほんきでおこってた)

軽々しく言うんじゃないと本気で怒ってた

(いぬにしかられたゆめをみた)

犬に叱られた夢を見た

(きみらにんげんはすこしのぼせあがっているんじゃないかって)

君ら人間は少しのぼせ上がっているんじゃないかって

(さんざんひとにめいわくかけてしぬことを)

散々人に迷惑かけて死ぬことを

(これからはひとじにとよぶことにするがいいって)

これからは人死にと呼ぶことにするがいいって

(かいいぬにてをかまれるなどとへいきでいうけど)

飼い犬に手をかまれるなどと平気で言うけど

(かいぬしにころされるいぬのほうがおおいくらいだ)

飼い主に殺される犬の方が多いくらいだ

(いっておくがべつにさるとはなかもわるくないし)

言っておくが別に猿とは仲も悪くないし

(まけてとおぼえするのはきみらじゃないかって)

負けて遠吠えするのは君らじゃないかって

(もっともだもっともだ)

もっともだ もっともだ

(いぬにしかられたゆめをみた)

犬に叱られた夢を見た

(きみらのぜんとうようがはったつしたわけは)

君らの前頭葉が発達した訳は

(いぬがにおいのぶぶんをうけもってやったからだ)

犬が臭いの部分を受け持ってやったからだ

(きみらにちえをもたせてやったかんしゃをわすれてるって)

君らに知恵を持たせてやった感謝を忘れてるって

(いぬにしかられたゆめをみた)

犬に叱られた夢を見た

(はなさかじいからももたろうまでめんどうみたのに)

花咲か爺から桃太郎まで面倒見たのに

(ねことちがってどろぼうもせずうらんでばけもせず)

猫と違って泥棒もせず恨んで化けもせず

(きゅうじょやかいじょやおまわりさんまでつとめてきたのに)

救助や介助やおまわりさんまで務めてきたのに

(だいいちひともくわぬふうふげんかやなんかを)

第一 人も食わぬ夫婦喧嘩やなんかを

(いぬがくわぬのはあたりまえのことだろう)

犬が食わぬのは当たり前のことだろう

(それよりいぬもあるけばぼうにあたるというけど)

それより犬も歩けば棒に当たると言うけど

(それのどこがしあわせなのかせつめいしてみろって)

それの何処が幸せなのか説明してみろって

(もっともだもっともだ)

もっともだ もっともだ

(いぬにしかられたゆめをみた)

犬に叱られた夢を見た

(いぬじになんてかるくいうなとしかられた)

犬死になんて軽く言うなと叱られた

(もっともだもっともだ)

もっともだ もっともだ