巨人の研究 -16-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8138 8.2 98.3% 357.8 2963 51 58 2026/01/03
2 ミッチャンズ 8021 8.4 95.3% 355.8 3001 147 58 2026/01/04
3 Jyo 6128 A++ 6.2 97.5% 471.1 2962 75 58 2026/01/03

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問題文

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(「そんなかおするな。じつはせいしんがいらいだけじゃなく、にゅういんかんじゃにも)

「そんな顔するな。実は精神外来だけじゃなく、入院患者にも

(おなじしょうじょうをうったえるひとがすくないながらもいるらしんだ。)

同じ症状を訴える人が少ないながらもいるらしんだ。

(このあたりもそのかぎられたちいきにはいっているからなんだが。)

このあたりもその限られた地域に入っているからなんだが。

(さすがにせいしんのにゅういんびょうしょうはしきいがたかいが、それいらいのびょうしょうのかんじゃのなかにも)

さすがに精神の入院病床は敷居が高いが、それ以来の病床の患者の中にも

(そういううったえをするひとがいてな。さっきのせんせいがしんさつをしてるんだ。)

そういう訴えをする人がいてな。さっきのセンセイが診察をしてるんだ。

(どのびょうしつのだれかってのをしゃべらせるのにほねがおれた」)

どの病室の誰かってのを喋らせるのに骨が折れた」

(そんなことをいっぱんじんにもらしてよいものだろうか。)

そんなことを一般人に漏らして良いものだろうか。

(どうかんがえてもかんじゃのぷらいばしーをしんがいしている。)

どう考えても患者のプライバシーを侵害している。

(「まあ、あのせんせいもちょっかんでなにかよくないことが)

「まあ、あのセンセイも直感でなにか良くないことが

(おこりつつあるってのをかんじてるんじゃないか。)

起こりつつあるってのを感じてるんじゃないか。

(そしてじぶんのたちばではたいしょうりょうほうにてっするしかないということも。)

そして自分の立場では対症療法に徹するしかないということも。

(それでは、なにかとりかえしのつかないことがおこるかもしれないという、)

それでは、何か取り返しのつかないことが起こるかも知れないという、

(ばくぜんとしたふあんがあるんだよ」)

漠然とした不安があるんだよ」

(ししょうはぼくがまたがったじてんしゃのこうりんのしゃじくにかたあしをかけながら、ことばをきった。)

師匠は僕が跨った自転車の後輪の車軸に片足をかけながら、言葉を切った。

(このなぞをとけるのはわたしだけだ。)

この謎を解けるのはわたしだけだ。

(ちんもくのなかにそういったきがした。)

沈黙の中にそう言った気がした。

(「さあ、いこう」)

「さあ、行こう」

(そのことばにせなかをたたかれ、はっしんする。だいがくびょういんまではおたがいむごんだった。)

その言葉に背中を叩かれ、発進する。大学病院まではお互い無言だった。

(ぼくはなにかをかんがえていたようなきもするし、)

僕は何かを考えていたような気もするし、

(なにもかんがえていなかったようなきもする。)

何も考えていなかったような気もする。

など

(だいがくびょういんのちゅうりんじょうにとうちゃくし、はずむようにうしろからおりたししょうにめでといかける。)

大学病院の駐輪場に到着し、弾むように後ろから降りた師匠に目で問いかける。

(こんどはどうしてもどうせきしたかった。なにかおこっているのか、)

今度はどうしても同席したかった。何か起こっているのか、

(ぼくなりにしりたかったから。)

僕なりに知りたかったから。

(「まあ、いいだろう。いっしょにこい」)

「まあ、いいだろう。一緒に来い」

(はい、といってすぐにじてんしゃにせじょうしてししょうのあとにつづく。)

はい、と言ってすぐに自転車に施錠して師匠の後に続く。

(しょうめんげんかんからはいると、びょういんのろびーにはたくさんのひとがいた。)

正面玄関から入ると、病院のロビーには沢山の人がいた。

(さすがにだいがくびょういんはおおきい。)

さすがに大学病院は大きい。

(いんふるえんざにかかったときにいった、じぶんのところのきゃんぱすにある、)

インフルエンザに罹った時に行った、自分のところのキャンパスにある、

(とってつけたようないむしつとはうんでいのさだ。)

とってつけたような医務室とは雲泥の差だ。

(ししょうはかってしったるたにんのいえ、というようにひとのなみをすいすいとかきわけて)

師匠は勝手知ったる他人の家、というように人の波をすいすいとかき分けて

(ふろあのおくのほうへむかう。)

フロアの奥の方へ向かう。

(あんないばんをみるといりぐちからいちばんおくににゅういんびょうとうがあるらしい。)

案内板を見ると入り口から一番奥に入院病棟があるらしい。

(つうろをぬけて、ようやくそのにゅういんびょうとうのまちあいにとうちゃくした。)

通路を抜けて、ようやくその入院病棟の待合いに到着した。

(そこにみおぼえるのひとがまっていた。)

そこに見覚えるの人が待っていた。

(ほんのりとさくらいろをしたなーすふくをみにつけているごじゅっさいぜんごのじょせい。)

ほんのりと桜色をしたナース服を身につけている五十歳前後の女性。

(おこっているような、あきれているようなひょうじょう。)

怒っているような、呆れているような表情。

(「やっぱり、あなただったのね」)

「やっぱり、あなただったのね」

(のむらさん、だったか。)

野村さん、だったか。

(ししょうがいぜんにゅういんしていたときにおせわになったかんごふさんらしい。)

師匠が以前入院していた時にお世話になった看護婦さんらしい。

(そのあともながくつきあいがつづいており、せんじちゅうにとられたというあるいちまいの)

その後も長くつきあいが続いており、戦時中に撮られたというある一枚の

(しゃしんにまつわるじけんにもまきこまれていた。)

写真にまつわる事件にも巻き込まれていた。

(よりひどいまきこまれたほうをしたのはぼくのほうだが。)

より酷い巻き込まれた方をしたのは僕の方だが。

(のむらさんはかつてうけもったかんじゃというわくをこえ、まるでじぶんのむすめのように)

野村さんはかつて受け持った患者という枠を超え、まるで自分の娘のように

(ししょうのことをとてもきにかけていて、ししょうのほうはそれをこうかつに)

師匠のことをとても気にかけていて、師匠の方はそれを狡猾に

(りようしているというこうずがほのみえる。)

利用しているという構図がほの見える。

(「せんせい、きがきくなあ。でんわしてくれてたんだ。)

「センセイ、気が利くなあ。電話してくれてたんだ。

(じゃあようけんはわかるよね?」)

じゃあ用件は分かるよね?」

(ししょうは「おねがい」というようにりょうてをあわせ、うわめづかいにしなをつくる。)

師匠は「お願い」というように両手を合わせ、上目遣いにシナを作る。

(のむらさんはなにかいおうとしてじょうはんしんをふくらませたが、やがてふうせんがしぼむように)

野村さんは何か言おうとして上半身を膨らませたが、やがて風船が萎むように

(ふかいためいきをはくと、「ついてきなさい」とだけいってかかとをかえした。)

深いため息を吐くと、「ついて来なさい」とだけ言って踵を返した。

(そのようすからかきまみえたのは、ながねんのけいけんがふりつもってできたかのような)

その様子から垣間見えたのは、長年の経験が降り積もって出来たかのような

(ていかんだった。)

諦観だった。

(きちからがぬけたようにみえたが、さすがにしょくぎょうがら、あしどりはきびきびとしていた。)

気力が抜けたように見えたが、さすがに職業柄、足取りはキビキビとしていた。

(ちかくのえれべーたーのほうへあるいていくのをふたりしておいかける。)

近くのエレベーターの方へ歩いていくのを二人して追いかける。

(うえへむかうぼたんをおしてはこがおりてくるのをまっているあいだ、)

上へ向かうボタンを押して箱が降りてくるのを待っている間、

(「そのせつはどうも」とぼくからもあいさつをしたが、じろりとにらまれただけだった。)

「その節はどうも」と僕からも挨拶をしたが、じろりと睨まれただけだった。

(さんにんでのりこむとえれべーたーはしずかにじょうしょうし、ななかいでていしした。)

三人で乗り込むとエレベーターは静かに上昇し、七階で停止した。

(とびらがひらくと、まっさきにじゅんかんきかというあんないばんがめにはいった。)

扉が開くと、真っ先に循環器科という案内板が目に入った。

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