巨人の研究 -20-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 HAKU 7902 8.1 97.5% 345.2 2797 69 62 2026/01/09
2 Jyo 6169 A++ 6.3 96.9% 431.0 2744 85 62 2026/01/08

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問題文

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(まんぞくげにそういったとき、)

満足げにそう言った時、

(あしおとがきこえてふりむくとのむらさんがびょうしつにはいってきた。)

足音が聞こえて振り向くと野村さんが病室に入って来た。

(「なにをしているの」)

「なにをしているの」

(こえがふしんげだ。)

声が不審げだ。

(おんなのこにみみをふさがせているのは、はたからみるとやりすぎだったかもしれない。)

女の子に耳を塞がせているのは、はたから見るとやり過ぎだったかも知れない。

(「いや、もうおわったよ」)

「いや、もう終わったよ」

(ししょうはあわてたようにたちあがった。なにごとかとおんなのこもめをあける。)

師匠は慌てたように立ち上がった。何ごとかと女の子も目を開ける。

(「ごめんね、きゅうにようじができちゃって、もういかなきゃ」)

「ごめんね、急に用事が出来ちゃって、もう行かなきゃ」

(ししょうはてをふると、べっどにせをむけた。ぼくもいそいであとにつづく。)

師匠は手を振ると、ベッドに背を向けた。僕も急いで後に続く。

(「まちなさい」)

「待ちなさい」

(おいすがってくるのむらさんにろうかでつかまった。)

追いすがってくる野村さんに廊下で捕まった。

(「あれほどいったのになにをしているの、あなたは」)

「あれほど言ったのに何をしているの、あなたは」

(かなりいかっている。)

かなり怒っている。

(「なにもしてないよ。よけいなこともいってないよ、な?」)

「何もしてないよ。余計なことも言ってないよ、な?」

(「ええ、まあ」)

「ええ、まあ」

(いいわけはあまりつうようせず、それからふたりはぎゅうぎゅうにしぼられた。)

言い訳はあまり通用せず、それから二人はギュウギュウに絞られた。

(やがてほかのかんごふのしせんがきになったのか、)

やがて他の看護婦の視線が気になったのか、

(のむらさんはきたときにのったえれべーたーにぼくらをおしこんだ。)

野村さんは来た時に乗ったエレベーターに僕らを押し込んだ。

(そしてじぶんものりこんでいちかいのぼたんをおす。)

そして自分も乗り込んで一階のボタンを押す。

(「だいたい、いつもいつもあなたは・・・・・」)

「だいたい、いつもいつもあなたは・・・・・」

など

(ぼくはさいげんなくつづくせっきょうに、のむらさんにふだんどれだけめいわくをかけてるんだ)

僕は際限なく続く説教に、野村さんに普段どれだけ迷惑をかけてるんだ

(このひとは、とあぜんしていた。)

この人は、と唖然していた。

(さすがにしゅんとしてうなだれたししょうにすこしこえのとーんがおちる。)

さすがにシュンとしてうなだれた師匠に少し声のトーンが落ちる。

(「そういえばあなた、さいきんまたけんさをさぼってるでしょう。ましもせんせいも)

「そういえばあなた、最近また検査をさぼってるでしょう。真下先生も

(しんぱいしてるんだから、ちゃんとじゅしんしなさい」)

心配してるんだから、ちゃんと受診しなさい」

(のむらさんがそういったしゅんかん、とうちゃくをつげるおととともにえれべーたーの)

野村さんがそう言った瞬間、到着を告げる音と共にエレベーターの

(どあがひらいた。いっかいにもどったのだ。)

ドアが開いた。一階に戻ったのだ。

(ししょうがばねのようにかおをはねあげる。)

師匠がバネのように顔を跳ね上げる。

(そしてえれべーたーからわれさきにでると、くるりとむきなおるやかおをつきだして)

そしてエレベーターから我先に出ると、くるりと向き直るや顔を突き出して

(したをのばした。)

舌を伸ばした。

(「い・や・だ。べろべろべろ~ん」)

「い・や・だ。べろべろべろ〜ん」

(そしてにげた。)

そして逃げた。

(はしって。)

走って。

(「ちょっと、まって」)

「ちょっと、待って」

(ぼくもいっしょににげだす。)

僕も一緒に逃げ出す。

(のむらさんがうしろからなにかおおきなこえでどなっているが、よくきこえなかった。)

野村さんが後ろから何か大きな声で怒鳴っているが、よく聞こえなかった。

(「いんないをはしるな」だろうか。)

「院内を走るな」だろうか。

(びょういんにすたっふやらいいんのひとになんどかぶつかりそうになりながらも、)

病院にスタッフや来院の人に何度かぶつかりそうになりながらも、

(ぼくらはぶじにしょうめんげんかんをぬけだした。)

僕らは無事に正面玄関を抜け出した。

(すこしむねがくるしい。はあはあといきをつきながらよこめでみると、)

少し胸が苦しい。ハアハアと息をつきながら横目で見ると、

(ししょうはこちらもみてわらった。ぼくもつられてわらう。)

師匠はこちらも見て笑った。僕もつられて笑う。

(それからおってがくるまえにと、すぐにじてんくるまにのり、いえのほうへむけてしゅっぱつする。)

それから追っ手が来る前にと、すぐに自転車に乗り、家の方へ向けて出発する。

(なつなのでまたひがたかいが、まちにはゆうがたがひっそりとちかづいていた。)

夏なのでまた日が高いが、街には夕方がひっそりと近づいていた。

(そらのいろでわかる。)

空の色で分かる。

(ごふんほどはしってから、まちなかでししょうはおりた。ぼくもじてんしゃをおりてならんであるく。)

五分ほど走ってから、街なかで師匠は降りた。僕も自転車を降りて並んで歩く。

(そしてあるきながらかんがえをまとめた。)

そして歩きながら考えをまとめた。

(きょじんかんかくしょうこうぐん。まるでじぶんがおおきくなってしまったかのようなかんかくを)

巨人感覚症候群。まるで自分が大きくなってしまったかのような感覚を

(しょうじている、たしゃからはけっしてめにみることができないきょじんたち。)

生じている、他者からはけっして目に見ることができない巨人たち。

(「あのこたちは、めをあけているとふつうなんですか」)

「あの子たちは、目を開けていると普通なんですか」

(「そうだな。しかくやちしきなど、ほんらいそうあるべきおおきさをほせいできるしゅだんが)

「そうだな。視覚や知識など、本来そうあるべき大きさを補正できる手段が

(あるならばそのしょっかくのいじょうはおこらないみたいだ。)

あるならばその触覚の異常は起こらないみたいだ。

(いつもつけているしたぎなんかもしかくにははいっていないから)

いつもつけている下着なんかも視覚には入っていないから

(おおきくかんじられそうだけど、それはじぶんがつけているものが)

大きく感じられそうだけど、それは自分がつけているものが

(どんなものかしっているからだいじょうぶなんだな。)

どんなものか知っているから大丈夫なんだな。

(あ、そうか。あいようのこっぷってかいたのはまずかったか」)

あ、そうか。愛用のコップって書いたのはまずかったか」

(あんけーとのさいごのせつもんのことらしい。)

アンケートの最後の設問のことらしい。

(あれできょじんかんかくしょうこうぐんにりかんしているかどうかしらべるつもりだったのか。)

あれで巨人感覚症候群に罹患しているかどうか調べるつもりだったのか。

(てにもったときにこっぷがいようにちいさくかんじられると?どちらにしても)

手に持った時にコップが異様に小さく感じられると?どちらにしても

(ぴんとくるひとにはつうじただろうから、きょうあんけーとにかいとうしてくれた)

ピンと来る人には通じただろうから、今日アンケートに回答してくれた

(ひとのなかにはいなかったにちがいない。)

人の中にはいなかったに違いない。

(「でもな。しかくやちしきでほせいできるっていっても、)

「でもな。視覚や知識で補正できるって言っても、

(びょうじょうのしょきだんかいにすぎないからなのかもしれない」)

病状の初期段階に過ぎないからなのかも知れない」

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