トランプ -10-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8197 8.2 98.8% 251.9 2090 25 58 2026/01/23
2 HAKU 8087 8.1 98.7% 258.8 2119 26 58 2026/01/22
3 Jyo 5978 A+ 6.1 97.7% 341.7 2091 48 58 2026/01/26

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問題文

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(しかしおがわちょうさじむしょのめんめんはかずすくないみせのじょうれんだ。じむしょのらいきゃくじにも) しかし小川調査事務所の面々は数少ない店の常連だ。事務所の来客時にも (こーひーやこうちゃのでまえのおーだーがある。いわばじょうとくいだ。) コーヒーや紅茶の出前のオーダーがある。いわば上得意だ。 (そんなめにあっても、でいりきんしにもできず) そんな目に遭っても、出入り禁止にもできず (いぐすりをのむかいすうばかりふえているらしい。) 胃薬を飲む回数ばかり増えているらしい。 (「さあ、わかりません」) 「さあ、分かりません」 (そうこたえたが、ぼくにもさっぱりわからないのだ。うそではない。) そう答えたが、僕にもさっぱり分からないのだ。嘘ではない。 (ししょうはまたあのでんわがかかってくるかもしれない、といっていた。) 師匠はまたあの電話が掛かってくるかも知れない、と言っていた。 (それをおもうとみせからにげだしたくなったが、このしょうどうぶつのようにおびえている) それを思うと店から逃げ出したくなったが、この小動物のように怯えている (ますたーとかってにまきこんでしまったひかりさんをおいて) マスターと勝手に巻き込んでしまったひかりさんを置いて (にげるわけにもいかない。) 逃げるわけにもいかない。 (「すぐかなこさんがくるんで」) 「すぐ加奈子さんが来るんで」 (と、ぼくはますたーにおねがいしてみせをいちどしめてもらうことにした。) と、僕はマスターにお願いして店を一度閉めてもらうことにした。 (ひかりさんがおもてのえいぎょうちゅうとかかれたかんばんをうらがえしにいく。) ひかりさんが表の営業中と書かれた看板を裏返しに行く。 (どうせきょうはかいてんきゅうぎょうじょうたいだ。そんなところにふらりとやってきた) どうせ今日は開店休業状態だ。そんなところにふらりとやってきた (ふこうなきゃくをこんなわけのわからないことにまきこむわけにもいくまい。) 不幸な客をこんなわけのわからないことに巻き込むわけにもいくまい。 (じゅっぷんもかからない、といっていたな。) 十分もかからない、と言っていたな。 (みせのとけいをみあげる。) 店の時計を見上げる。 (まだか。) まだか。 (いままたでんわがかかってきたら、とおもうときがきではない。あれはやばい。) 今また電話が掛かってきたら、と思うと気が気ではない。あれはやばい。 (ちょっかんにたよるまでもなく、それがわかる。) 直感に頼るまでもなく、それが分かる。
など
(じりりりりりりりりりりりり・・・・・) ジリリリリリリリリリリリリ・・・・・ (しんぞうがちぢみあがった。) 心臓が縮み上がった。 (とけいをみる。じゅっぷんたっている。しかしまだししょうはとうちゃくしていない。) 時計を見る。十分経っている。しかしまだ師匠は到着していない。 (まずい。どうする。) まずい。どうする。 (ひやあせがながれる。) 冷や汗が流れる。 (このままとらなかったらどうする?) このまま取らなかったらどうする? (それでやりすごせるか?) それでやりすごせるか? (そんないいわけめいたことをかんがえながらぼくがうごかないでいるあいだも、) そんな言い訳めいたことを考えながら僕が動かないでいるあいだも、 (でんわのべるはなりつづける。) 電話のベルは鳴り続ける。 (「みせあてかもしれない」) 「店あてかも知れない」 (とますたーがうごく。) とマスターが動く。 (とっさに「あ、まって」といったが、) とっさに「あ、待って」と言ったが、 (ますたーのしょくぎょうりんりがそれをゆるさなかった。) マスターの職業倫理がそれを許さなかった。 (「はい。きっさぼすとん」) 「はい。喫茶ボストン」 (いつものこえでそういうと、ますたーはすぐになきそうなかおにかわった。) いつもの声でそう言うと、マスターはすぐに泣きそうな顔に変わった。 (そしてごめん、とばかりてがたなをきりながら) そしてごめん、とばかり手刀を切りながら (もうかたほうのてでぼくにじゅわきをさしだす。) もう片方の手で僕に受話器を差し出す。 (「うらいさんに、って」) 「浦井さんに、って」 (きた。) きた。 (やばいって。ほんとに。) やばいって。ほんとに。 (ぼくもなきたくなったが、いのあたりをおさえたますたーにそんなかおをされると) 僕も泣きたくなったが、胃の辺りを押さえたマスターにそんな顔をされると (うけとらないわけにもいかない。しんこきゅうをして、じゅわきをみみにあてる。) 受け取らないわけにもいかない。深呼吸をして、受話器を耳に当てる。 (「・・・・・もしもし?」) 「・・・・・もしもし?」 (おんなのこのこえだ。こんどはさいしょからすこしよくようがおかしい。) 女の子の声だ。今度は最初から少し抑揚がおかしい。 (いつひょうへんするかわからないあやしいゆらぎをひそめているようなこえ。) いつ豹変するか分からない妖しい揺らぎを潜めているような声。 (「はい」) 「はい」 (「うらいさんですか」) 「浦井さんですか」 (「・・・・・はい」) 「・・・・・はい」 (「つぎのかーどはなんですか?」) 「次のカードはなんですか?」 (ししょうはまだか。) 師匠はまだか。 (わかるわけがない。) わかるわけがない。 (ますたーがみるが、かおのまえでてをこうそくにふっている。) マスターが見るが、顔の前で手を高速に振っている。 (ひかりさんはなぜかくちぶえをふきながらほうきをてにしてゆかをはきはじめた。) ひかりさんはなぜか口笛を吹きながら箒を手にして床を掃き始めた。 (「もしもし?もしもし?もしもし・・・・・」) 「もしもし?もしもし?もしもし・・・・・」 (じわじわとこわいろがかわっていく。それとどうじにぞくぞくするような) じわじわと声色が変わっていく。それと同時にゾクゾクするような (おかんがこみあげてくる。) 悪寒が込み上げてくる。 (なにかいわないといけない。) なにか言わないといけない。 (なにを。) なにを。
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