田山花袋「少女病」 1

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問題文
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(やまのてせんのあさのしちじにじゅっぷんののぼりきしゃが、)
山手線の朝の七時二十分の上り汽車が、
(よよぎのでんしゃていりゅうじょうのがけしたをじひびきさせてとおるころ、)
代々木の電車停留場の崖下を地響きさせて通るころ、
(せんだがやのたんぼをてくてくとあるいていくおとこがある。)
千駄ヶ谷の田畝をてくてくと歩いていく男がある。
(このおとこのとおらぬことはいかなひにもないので、)
この男の通らぬことはいかな日にもないので、
(あめのひにはでいねいのふかいたんぼみちにふるいながぐつをひきずっていくし、)
雨の日には泥濘の深い田畝道に古い長靴を引きずっていくし、
(かぜのふくあさにはぼうしをあみだにかぶってじんあいをさけるようにしてとおるし、)
風の吹く朝には帽子を阿弥陀にかぶって塵埃をさけるようにして通るし、
(えんどうのいえいえのひとは、とおくからそのすがたをみしって、)
沿道の家々の人は、遠くからその姿を見知って、
(もうあのひとがとおったから、あなたおやくしょがおそくなりますなどと)
もうあの人が通ったから、あなたお役所が遅くなりますなどと
(しゅんみんいぎたなきしゅじんをゆりおこすぐんじんのさいくんもあるくらいだ。)
春眠いぎたなき主人を揺り起こす軍人の細君もあるくらいだ。