町のネズミといなかのネズミ
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問題文
(あるひ、いなかのねずみが、まちにすんでいるともだちのねずみを)
ある日、いなかのネズミが、町に住んでいる友だちのネズミを
(じぶんがすんでいるのはらにまねいた。やってきたまちのねずみは、)
自分が住んでいる野原にまねいた。やってきた町のネズミは、
(おおむぎのつぶとつちくさいねっこのゆうしょくをみて、がっかりした。)
大麦の粒と土臭い根っこの夕食を見て、がっかりした。
(「きのどくに!」と、まちのねずみはいった。)
「気のどくに!」と、町のネズミはいった。
(「きみは、ここで、まるでありのようなくらしをしてるんだね。)
「君は、ここで、まるでアリのような暮らしをしてるんだね。
(ぼくのところにきたまえ。いっしょにぜいたくをあじわうことにしよう」)
僕のところに来たまえ。一緒に贅沢を味わうことにしよう」
(こうして、まちのねずみは、いなかのねずみをまちへつれてかえると、)
こうして、町のネズミは、いなかのネズミを町へ連れて帰ると、
(ちーずやはちみつ、おーとみーる、いちじくやなつめやしでいっぱいの)
チーズやはちみつ、オートミール、イチジクやナツメヤシでいっぱいの
(しょくりょうしつをみせた。いなかのねずみはびっくりし、さっそくごうかなしょくじを)
食料室を見せた。いなかのネズミはびっくりし、さっそく豪華な食事を
(たのしもうと、こしをおろした。ところが、ごちそうにくちをつけたとたん、)
楽しもうと、腰をおろした。ところが、ご馳走に口をつけた途端、
(しょくりょうしつのどあがあいて、だれかがはいってきた。)
食料室のドアがあいて、誰かが入ってきた。
(にひきのねずみはおどろいて、いちばんちかくのあなににげこんだ。)
二匹のネズミは驚いて、いちばん近くの穴に逃げこんだ。
(ようやくしずかになると、にひきは、おもいきってあなからでた。)
ようやく静かになると、二匹は、思いきって穴からでた。
(だが、またもや、べつのだれかがはいってきたので、あわててにげだすはめになった。)
だが、またもや、別の誰かが入ってきたので、慌てて逃げ出すはめになった。
(いなかのねずみは、もうたくさんだとおもった。)
いなかのネズミは、もうたくさんだと思った。
(「さようなら。ぼくはおいとまするよ。きみがぜいたくにくらしているのは)
「さようなら。僕はおいとまするよ。君が贅沢に暮らしているのは
(わかったけど、いつもきけんととなりあわせで、ぼくにはむかないや。)
わかったけど、いつも危険と隣り合わせで、僕には向かないや。
(ぼくはかえることにする。つつましくとも、こころおだやかにしょくじをたのしめるわがやにね」)
僕は帰ることにする。慎ましくとも、心穏やかに食事を楽しめる我が家にね」