座敷わらし

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東北に伝わる座敷わらしのエピソード。
日本昔ばなし~データーベース~より。

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問題文

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(むかしからとうほくちほうには、ざしきわらしという)

昔から東北地方には、座敷わらしという

(こどものすがたをしたかみさまのおはなしがつたわっている)

子供の姿をした神様のお話が伝わっている

(ざしきわらしは、ふるいおおきないえのおくざしきにすんでおり、とたとたとかけまわるおとを)

座敷わらしは、古い大きな家の奥座敷に住んでおり、トタトタと駆け回る音を

(させたり、ざわざわとほうきではくようなおとをさせたりするという。)

させたり、ザワザワと箒で掃くような音をさせたりすると言う。

(また、おきゃくさんがいえにとまったときなど、)

また、お客さんが家に泊まった時など、

(まくらがえしといういたずらをしたりすることもある。)

枕返しという悪戯をしたりすることもある。

(ざしきわらしのようぼうもさまざまで、あるひとのはなしでは、かわいらしいおかっぱあたまの)

座敷わらしの容貌も様々で、ある人の話では、かわいらしいおかっぱ頭の

(おんなのこであったといい、またあるひとははだかのおとこのこだったともいい、)

女の子であったと言い、またある人は裸の男の子だったとも言い、

(あかいちゃんちゃんこをきた12~3のおとこのこだというひともいる。)

赤いちゃんちゃんこを着た12~3の男の子だという人もいる。

(ざしきわらしについては、こんなはなしもある。あるおやしきにおよめさんがきたので、)

座敷わらしについては、こんな話もある。あるお屋敷にお嫁さんが来たので、

(きんじょのこどもたちがおいわいによばれて、おくのざしきであそんでいた。ところが)

近所の子ども達がお祝いに呼ばれて、奥の座敷で遊んでいた。ところが

(あそんでいるうちに、どういうことかこどものかずがひとりふえているのだ。)

遊んでいるうちに、どういう事か子どもの数が一人増えているのだ。

(これは、ざしきわらしがこどもたちのなかにまじっているのだという。)

これは、座敷わらしが子供たちの中に混じっているのだと言う。

(また、ざしきわらしはいえのまもりがみだといわれ、ざしきわらしがそのいえにいるあいだは)

また、座敷わらしは家の守り神だと言われ、座敷わらしがその家にいる間は

(そのいえははんじょうしているが、ざしきわらしがいなくなると、)

その家は繁盛しているが、座敷わらしがいなくなると、

(たちまちおちぶれてしまうといわれている。)

たちまち落ちぶれてしまうと言われている。

(あるひのゆうぐれのこと。ひとりのわかものがかわべりで、)

ある日の夕暮れのこと。一人の若者が川べりで、

(あまりみかけないふたりのおんなのこをみかけた。)

あまり見かけない二人の女の子を見かけた。

(わかものはふしぎにおもい、どこからきたのかとふたりにたずねた。)

若者は不思議に思い、どこから来たのかと二人に尋ねた。

(するとふたりはこういう。「おらたちは、いままでやまぐちのまござえもんのところにおったけど、)

すると二人はこう言う。「オラ達は、今まで山口の孫左衛門の所におったけど、

など

(いまからけせんのいなござわへいきます。もう、あのいえもおわりだもの。」)

今から気仙の稲子沢へ行きます。もう、あの家も終わりだもの。」

(そしてふたりのむすめのいったとおり、なんだいもつづいたちょうじゃのまござえもんのいえは)

そして二人の娘の言った通り、何代も続いた長者の孫左衛門の家は

(あっというまにかたむいてしまった。)

あっという間に傾いてしまった。

(そしてそのころ、けせんのいなござわではよじえもんというおとこが、ゆめのおつげで)

そしてその頃、気仙の稲子沢では与治右衛門という男が、夢のお告げで

(33のはなをつけたゆりのねもとにざいほうをみつけ、たちまちだいちょうじゃになった。)

33の花を付けた百合の根元に財宝を見つけ、たちまち大長者になった。

(ところが、しばらくしてこのいえからもざしきわらしがでていくのをみたというものが)

ところが、しばらくしてこの家からも座敷わらしが出ていくのを見たという者が

(いた。そしてそれからまもなくして、よじえもんのいえもみるみるかたむいていった。)

いた。そしてそれから間もなくして、与治右衛門の家もみるみる傾いていった。

(またこんなはなしもある。あるやどやのおくざしきにひとりのかっぷくのよいおとこがとまっていた。)

またこんな話もある。ある宿屋の奥座敷に一人の恰幅のよい男が泊まっていた。

(よなか、おとこがねているとおとこのこがでてきてうでずもうをいどむ。)

夜中、男が寝ていると男の子が出てきて腕相撲を挑む。

(ところがだいのおとこがいくらちからをこめても、おとこのこはびくともしない。)

ところが大の男がいくら力を込めても、男の子はビクともしない。

(ぎゃくにこのちいさなおとこのこにねじふせられてしまった。)

逆にこの小さな男の子にねじ伏せられてしまった。

(このうわさをききつけて、ものずきなものやちからじまんのおとこたちがやどやにおしかけてきた。)

この噂を聞きつけて、物好きな者や力自慢の男たちが宿屋に押し掛けて来た。

(ところがおとこたちがまてどくらせど、おとこのこはいっこうにあらわれない。)

ところが男たちが待てど暮らせど、男の子はいっこうに現れない。

(おとこたちはあきらめてぐっすりとねこんでしまう。)

男たちはあきらめてぐっすりと寝込んでしまう。

(さて、あさになっておとこたちがおきてめをさますと、いつのまにかおとこたちの)

さて、朝になって男たちが起きて目を覚ますと、いつの間にか男たちの

(かけぶとんはしたに、しきぶとんはうえに、みごとなどんでんがえしをくらっていたそうな。)

掛け布団は下に、敷布団は上に、見事などんでん返しを食っていたそうな。

(ざしきわらしは、ものかげからにんげんのくらしをながめていては、ときにはいたずらにでてきたり)

座敷わらしは、物陰から人間の暮らしを眺めていては、時には悪戯に出てきたり

(なかまにくわわってあそんだりする。しかし、いやになればいつでもぷいと)

仲間に加わって遊んだりする。しかし、嫌になればいつでもぷいと

(いなくなってしまう。ひとびとがであったざしきわらしのすがたは)

いなくなってしまう。人々が出会った座敷わらしの姿は

(むらのこどもたちとちっともかわらず、だからこそいつまでも)

村の子供たちとちっとも変わらず、だからこそいつまでも

(みんなにあいされるかみさまとしてのこっているのだろうか。)

みんなに愛される神様として残っているのだろうか。

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