O・ヘンリー「賢者の贈り物」3/5
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問題文
(ああ、それから、ばらのようなつばさにのって2じかんがすぎていきました。なんて、)
ああ、それから、薔薇のような翼に乗って2時間が過ぎていきました。なんて、
(つかいふるされたひゆはわすれてください。でらはじむへのおくりものをさがしておみせを)
使い古された比喩は忘れてください。デラはジムへの贈り物を探してお店を
(めぐっておりました。そしてとうとうでらはみつけたのです。それはたしかにじむの)
巡っておりました。そしてとうとうデラは見つけたのです。それは確かにジムの
(ため、じむのためだけにつくられたものでした。それほどすばらしいものは)
ため、ジムのためだけに作られたものでした。それほどすばらしいものは
(どのみせにもありませんでした。でらはぜんぶのみせをひっくりかえさんばかりに)
どの店にもありませんでした。デラは全部の店をひっくり返さんばかりに
(みたのですから。それはぷらちなのとけいくさりで、でざいんはしんぷるでじょうひんでした)
見たのですから。それはプラチナの時計鎖で、デザインはシンプルで上品でした
(ごてごてしたかざりではなく、そざいのみがそのかちをしゅちょうしていたのです。)
ごてごてした飾りではなく、素材のみがその価値を主張していたのです。
(すべてのよきものがそうあるべきなのですが。そのくさりはかれのとけいにつけるのに)
すべてのよきものがそうあるべきなのですが。その鎖は彼の時計につけるのに
(ふさわしいとまでいえるものでした。そのくさりをみたとたん、これはじむのものだ)
ふさわしいとまで言えるものでした。その鎖を見たとたん、これはジムのものだ
(とでらにはわかりました。このくさりはじむににていました。かもくだが、かちがある)
とデラにはわかりました。この鎖はジムに似ていました。寡黙だが、価値がある
(このひょうげんはくさりとじむのりょうしゃにあてはまりました。そのくさりには21どるかかり、)
この表現は鎖とジムの両者に当てはまりました。その鎖には21ドルかかり、
(でらは87せんとをもっていえにいそいでかえりました。このくさりをとけいにつければ、)
デラは87セントをもって家に急いで帰りました。この鎖を時計につければ、
(どんなひとのまえでもちゃんとじかんをきにすることができるようになるでしょう。)
どんな人の前でもちゃんと時間を気にすることができるようになるでしょう。
(とけいはすばらしかったのですが、くさりのかわりにふるいかわひもをつけていたため、)
時計はすばらしかったのですが、鎖の代わりに古い皮紐をつけていたため、
(じむはこそこそとみるときもあったのです。)
ジムはこそこそと見るときもあったのです。
(でらがいえについたとき、こうふんはややさめ、ふんべつとりせいがあたまをもたげてきました。)
デラが家に着いたとき、興奮はやや醒め、分別と理性が頭をもたげてきました。
(へああいろんをとりだし、がすをつけると、あいにきまえのよさをくわえてしょうじた)
ヘアアイロンを取り出し、ガスを着けると、愛に気前の良さを加えて生じた
(ひがいのあとをしゅうぜんするさぎょうにかかりました。そういうのはいつもたいへんなしごとなの)
被害の跡を修繕する作業にかかりました。そういうのはいつも大変な仕事なの
(ですよ、ねえあなた、とてつもなくおおきなしごとなのですよ。)
ですよ、ねえあなた、とてつもなく大きな仕事なのですよ。
(40ぷんのうちに、でらのかみはちいさくあつまったかーるでおおわれました。かみがたの)
40分のうちに、デラの髪は小さく集まったカールで覆われました。髪型の
(せいで、まるで、ずるやすみしたがくどうみたいにみえました。でらは、かがみにうつる)
せいで、まるで、ずる休みした学童みたいに見えました。デラは、鏡にうつる
(じぶんのすがたを、ながいあいだ、ちゅういぶかく、ためつすがめつみつめました。)
自分の姿を、長い間、注意深く、ためつすがめつ見つめました。
(「わたしのことをころしはしないだろうけれど」とでらはひとりごとをいいました。)
「わたしのことを殺しはしないだろうけれど」とデラは独り言をいいました。
(「じむはわたしのことをみるなり、こにーあいらんどのこーらすがーるみたい)
「ジムはわたしのことを見るなり、コニーアイランドのコーラスガールみたい
(だっていうわ。でもわたしになにができるの。ああ、ほんとうに1どる87せんと)
だって言うわ。でもわたしに何ができるの。ああ、ほんとうに1ドル87セント
(でなにができるっていうの?」7じにはこーひーのよういができ、ふらいぱんは)
で何ができるっていうの?」7時にはコーヒーの用意ができ、フライパンは
(すとーぶのうえにのり、ちょっぷをやくじゅんびができました。じむはけっしておくれる)
ストーブの上にのり、チョップを焼く準備ができました。ジムは決して遅れる
(ことはありませんでした。でらはとけいのくさりをてのなかでにじゅうにまき、かれがいつも)
ことはありませんでした。デラは時計の鎖を手の中で二重に巻き、彼がいつも
(はいってくるどあのちかくのてーぶるのすみにすわりました。やがて、じむがはじめの)
入ってくるドアの近くのテーブルの隅に座りました。やがて、ジムがはじめの
(かいだんをのぼってくるあしおとがきこえると、でらはいっしゅんかおがあおざめました。でらは)
階段を上ってくる足音が聞こえると、デラは一瞬顔が青ざめました。デラは
(まいにちのちょっとしたことでもちいさないのりをしずかにとなえるしゅうかんがありましたが、)
毎日のちょっとしたことでも小さな祈りを静かに唱える習慣がありましたが、
(このときは「かみさま。どうかじむがわたしのことをいまでもかわいいとおもって)
このときは「神さま。どうかジムがわたしのことを今でもかわいいと思って
(くれますように」とささやきました。)
くれますように」とささやきました。