楠山正雄「ジャックと豆の木」4/8
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問題文
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(やがて、おひさまがにしにしずむころ、じゃっくは、なるほどおしろのように)
やがて、お日さまが西にしずむころ、ジャックは、なるほどお城のように
(おおきないえのまえにきました。まず、とんとんともんをたたくと、なかから、)
大きな家の前に来ました。まず、とんとんと門をたたくと、なかから、
(めのひとつしかない、おにのおかみさんがでてきました。きみのわるいかおに)
目のひとつしかない、鬼のお上さんが出て来ました。きみのわるい顔に
(にあわず、おにのおかみさんは、じゃっくのひもじそうなようすをみて、)
似合わず、鬼のお上さんは、ジャックのひもじそうなようすをみて、
(かわいそうにおもいました。それで、さもこまったようにくびをふって、)
かわいそうにおもいました。それで、さもこまったように首をふって、
(「いけない、いけない。きのどくだけれど、とめてあげることはできないよ。)
「いけない、いけない。きのどくだけれど、とめてあげることはできないよ。
(ここは、ひとくいおにのうちだから、みつかると、ばんのごはんのかわりに、)
ここは、人くい鬼のうちだから、みつかると、晩のごはんのかわりに、
(すぐたべられてしまうからね。」といいました。「どうか、おばさん、)
すぐたべられてしまうからね。」といいました。「どうか、おばさん、
(しれないようにしてとめてくださいよ。ぼく、もうくたびれて、ひとあしも)
知れないようにしてとめてくださいよ。ぼく、もうくたびれて、ひと足も
(あるけないんです。」と、たのむように、じゃっくはいいました。)
あるけないんです。」と、たのむように、ジャックはいいました。
(「しかたのないこだね。じゃあこんやだけとめてあげるから、あさになったら、)
「しかたのない子だね。じゃあ今夜だけとめてあげるから、朝になったら、
(すぐおかえりよ。」こういっているさいちゅう、にわかにずしん、ずしん、)
すぐおかえりよ。」こういっているさいちゅう、にわかにずしん、ずしん、
(じひびきするほどおおきなあしおとがきこえてきました。それはしゅじんのひとくいおにが、)
地ひびきするほど大きな足音がきこえて来ました。それは主人の人くい鬼が、
(もう、そとからかえってきたのです。おにのおかみさんは、おおあわてにあわてて、)
もう、そとからかえって来たのです。鬼のお上さんは、大あわてにあわてて、
(じゃっくを、だんろのなかにかくしてしまいました。おには、へやのなかにはいると、)
ジャックを、だんろの中にかくしてしまいました。鬼は、へやの中にはいると、
(いきなり、ふうとはなをならしながら、だれだってびっくりしてふるえあがる)
いきなり、ふうと鼻をならしながら、だれだってびっくりしてふるえ上がる
(ようなおおごえで、「ふん、ふん、ふん、いぎりすじんのかおりがするぞ。)
ような大ごえで、「フン、フン、フン、イギリス人の香りがするぞ。
(いきていようがしんでようが、ほねごとひいてぱんにしょぞ。」と、いいました。)
生きていようが死んでようが、骨ごとひいてパンにしょぞ。」と、いいました。
(すると、おかみさんが、「いいえ、それはあなたが、つかまえて、つちのろうに)
すると、お上さんが、「いいえ、それはあなたが、つかまえて、土の牢に
(いれてあるひとたちの、においでしょう。」といいました。けれどおにのおおおとこは、)
入れてあるひとたちの、においでしょう。」といいました。けれど鬼の大男は、
など
(まだきょろきょろそこらをみまわして、はなをくんくんやっていました。)
まだきょろきょろそこらを見まわして、鼻をくんくんやっていました。
(でも、どうしても、じゃっくをみつけることができませんでした。)
でも、どうしても、ジャックをみつけることができませんでした。
(とうとうあきらめて、おには、いすのうえにこしをおろしました。そしてがつがつ、)
とうとうあきらめて、鬼は、椅子の上に腰をおろしました。そしてがつがつ、
(がぶがぶ、たべたりのんだりしはじめました。そっとじゃっくがのぞいて)
がぶがぶ、たべたりのんだりしはじめました。そっとジャックがのぞいて
(みていますと、それはあとからあとから、いつおしまいになるかとおもうほど)
みていますと、それはあとからあとから、いつおしまいになるかとおもうほど
(かっこむので、じゃっくは、めばかりまるくしていました。さて、たらふく)
かっこむので、ジャックは、目ばかりまるくしていました。さて、たらふく
(たべてのんだあげく、おかみさんに、「おい、にわとりをつれてこい。」)
たべてのんだあげく、お上さんに、「おい、にわとりをつれてこい。」
(といいつけました。それは、ふしぎなめんどりでした。てーぶるのうえにのせて、)
といいつけました。それは、ふしぎなめんどりでした。テーブルの上にのせて、
(おにが、「うめ。」といいますと、すぐきんのたまごをひとつうみました。)
鬼が、「生め。」といいますと、すぐ金のたまごをひとつ生みました。
(おにがまた、「うめ。」といいますと、またひとつ、きんのたまごをうみました。)
鬼がまた、「生め。」といいますと、またひとつ、金のたまごを生みました。
(「やあ、ずいぶん、とくなにわとりだな。おとうさんのおたからというのは、)
「やあ、ずいぶん、とくなにわとりだな。おとうさんのおたからというのは、
(きっとこれにちがいない。」と、したからそっとながめながら、じゃっくは)
きっとこれにちがいない。」と、下からそっとながめながら、ジャックは
(そうおもいました。)
そうおもいました。