【童話】赤ずきんちゃん 1/3
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問題文
(むかしむかし、あるところに、ちいちゃいかわいいおんなのこがいました。このこの)
昔々、あるところに、ちいちゃい可愛い女の子がいました。この子の
(おばあさんは、このこをとてもかわいがっており、なんでもしてあげました。)
おばあさんは、この子をとても可愛がっており、何でもしてあげました。
(あるとき、おばあさんは、あかいびろーどで、このこに)
あるとき、おばあさんは、赤いビロードで、この子に
(ずきんをつくってあげました。それがまたよくにあうので、そればかり)
ずきんを作ってあげました。それがまたよく似合うので、そればかり
(かぶるようになり、まわりからあかずきんちゃんとよばれるようになりました。)
かぶるようになり、まわりから赤ずきんちゃんと呼ばれるようになりました。
(あるひ、おかあさんはこのこをよんでいいました。)
ある日、お母さんはこの子を呼んで言いました。
(「さあ、あかずきんや、ここにおかしがひとつと、ぶどうしゅがひとびんあるね。)
「さあ、赤ずきんや、ここにお菓子がひとつと、ぶどう酒がひと瓶あるね。
(これをおばあさんのところへもっていっておくれ。おばあさんはびょうきで)
これをおばあさんのところへ持っていっておくれ。おばあさんは病気で
(よわってしまっているが、これをわたせばきっとげんきになるよ。さあ、そとが)
弱ってしまっているが、これを渡せばきっと元気になるよ。さあ、外が
(あつくならないうちにいっておいで。そとにでたらきをつけて、やたらに)
暑くならないうちにいっておいで。外に出たら気をつけて、やたらに
(しらないよこみちへはいっていったりしたらいけないよ。そんなことをして)
知らない横道へ入っていったりしたらいけないよ。そんなことをして
(ころびでもしたら、せっかくのおみやげがだいなしになってしまうからね。)
転びでもしたら、せっかくのお土産が台無しになってしまうからね。
(それから、おばあさんのおうちへはいったら、まず、おはようございます、を)
それから、おばあさんのお家へ入ったら、まず、おはようございます、を
(いうのをわすれずにね。いきなりへやのなかをきょろきょろみまわしたらいけないよ」)
いうのを忘れずにね。いきなり部屋の中をきょろきょろ見回したらいけないよ」
(「そんなことしないわ。あたし、ちゃんとできるもの。」と、)
「そんなことしないわ。あたし、ちゃんとできるもの。」と、
(あかずきんちゃんはおかあさんにそういって、ゆびきりしました。)
赤ずきんちゃんはお母さんにそう言って、指切りしました。
(ところで、おばあさんのおうちは、むらからはんりもはなれたもりのなかにあります。)
ところで、おばあさんのお家は、村から半里も離れた森の中にあります。
(あかずきんちゃんがもりにはいろうとしたところに、おおかみがひょっこり)
赤ずきんちゃんが森に入ろうとしたところに、おおかみがひょっこり
(でてきました。でも、あかずきんちゃんは、おおかみがどんなわるいけものか)
出てきました。でも、赤ずきんちゃんは、おおかみがどんなわるい獣か
(しらなかったので、べつだん、こわいともおもいませんでした。)
知らなかったので、べつだん、怖いとも思いませんでした。
(「あかずきんちゃん、こんにちは。」と、おおかみはいいました。)
「赤ずきんちゃん、こんにちは。」と、おおかみは言いました。
(「こんにちは、おおかみさん」「こんなはやくからどこへいくんだい?」)
「こんにちは、おおかみさん」「こんな早くからどこへ行くんだい?」
(「おばあちゃんのところへいくのよ。」「まえかけのしたにもっているものは)
「おばあちゃんのところへ行くのよ。」「前かけの下に持っているものは
(なんだい?」「おかしにぶどうしゅよ。おばあさんがびょうきでよわっているから)
なんだい?」「お菓子にぶどう酒よ。おばあさんが病気で弱っているから
(おみまいにもっていってあげるの。これでおばあさん、きっとよくなるわ」)
お見舞いに持っていってあげるの。これでおばあさん、きっとよくなるわ」
(「おばあさんのおうちはどこだい?あかずきんちゃん」「これからまた、ずっと)
「おばあさんのお家はどこだい?赤ずきんちゃん」「これからまた、ずっと
(あるいてね、もりのおくのおくで、おおきなかしのきが、さんぼんたっているしたのおうちよ。)
あるいてね、森の奥の奥で、大きなかしの木が、三本立っている下のお家よ。
(おうちのまわりに、くるみのいけがきがあるから、すぐわかるわ」)
お家のまわりに、くるみの生け垣があるから、すぐわかるわ」
(あかずきんちゃんは、こうこたえました。おおかみは、こころのなかでかんがえていました。)
赤ずきんちゃんは、こう答えました。おおかみは、心の中で考えていました。
(「わかい、やわらかそうなこむすめ、こいつはあぶらがのって、おいしそうだ。)
「若い、柔らかそうな小娘、こいつは脂が乗って、おいしそうだ。
(ばあさんよりは、ずっとあじがよかろう。ついでにりょうほうくっちまおう。」)
ばあさんよりは、ずっと味がよかろう。ついでに両方食っちまおう。」