ダンサーインザダーク　あらすじ①

(びるとりんだふさいは、とれーらーはうすをかくやすでせるまにかします。おなじまちに)

ビルとリンダ夫妻は、トレーラーハウスを格安でセルマに貸します。同じ街に

(すむじぇふというだんせいはせるまがすきで、せっきょくてきにあたっくしますが、せるまは)

住むジェフという男性はセルマが好きで、積極的にアタックしますが、セルマは

(ことわります。じぇふのことがきらいというわけではありません。むしろおっとにするなら)

断ります。ジェフのことが嫌いというわけではありません。むしろ夫にするなら

(じぇふしかいないとおもっています。しかしせるまのさいゆうせんかだいは「むすこ・じーん)

ジェフしかいないと思っています。しかしセルマの最優先課題は「息子・ジーン

(にしゅじゅつをうけさせ、しつめいをまぬかれさせること」で、じぶんのこうふくはにのつぎでした。)

に手術を受けさせ、失明を免れさせること」で、自分の幸福は二の次でした。

(けいこぶたいでは「ｍｙｆａｖｏｒｉｔｅｔｈｉｎｇｓ」をうたいながらおどるので)

稽古舞台では『My Favorite Things』を歌いながら踊るので

(てわたされるやかんのいちもわからないほどです。だいすきなみゅーじかるのぶたいも)

手渡されるヤカンの位置もわからないほどです。大好きなミュージカルの舞台も

(そろそろげんかいにきていました。しごとでも、てっぱんのいちがわかりづらく、あやまって)

そろそろ限界に来ていました。仕事でも、鉄板の位置が分かりづらく、誤って

(２まいぷれすしそうになります。これはきゃしーがいちはやくきづいて、とめて)

2枚プレスしそうになります。これはキャシーがいち早く気づいて、止めて

(くれました。むすこのじーんはがっこうのわるいなかまとつきあおうとしますが、せるまは)

くれました。息子のジーンは学校の悪い仲間と付き合おうとしますが、セルマは

(「がっこうのべんきょうはおおごと」といいきかせます。１２さいのじーんがじてんしゃをほしがり)

「学校の勉強は大事」と言い聞かせます。12歳のジーンが自転車を欲しがり

(ます。くらすでもっていないのはじーんだけです。きゃしーやじぇふ、びると)

ます。クラスで持っていないのはジーンだけです。キャシーやジェフ、ビルと

(りんだふさいがじーんにじてんしゃをぷれぜんとしました。こうかなぷれぜんとはだめと)

リンダ夫妻がジーンに自転車をプレゼントしました。高価なプレゼントは駄目と

(いいながら、せるまはよろこぶじーんのすがたをみてうけとります。りんかのびると)

言いながら、セルマは喜ぶジーンの姿を見て受け取ります。隣家のビルと

(りんだふさいは、いっけんゆうふくそうなくらしをしているようでした。つま・りんだは)

リンダ夫妻は、一見裕福そうな暮らしをしているようでした。妻・リンダは

(よくせるまに「びるはいさんがはいったから」とかねもちだというはつげんをします。)

よくセルマに「ビルは遺産が入ったから」と金持ちだという発言をします。

(しかしあるよる、びるがせるまにぼやきました。じつはそうぞういじょうにりんだがろうひかで)

しかしある夜、ビルがセルマにぼやきました。実は想像以上にリンダが浪費家で

(いさんはとうにくいつぶしてしまっており、ぎんこうがいえをさしおさえているじょうたい)

遺産はとうに食い潰してしまっており、銀行が家を差し押さえている状態

(なのです。せるまはなくびるをなぐさめ、びるもよわねをはいたことをはじました。)

なのです。セルマは泣くビルを慰め、ビルも弱音を吐いたことを恥じました。

(せるまは「わたしもひみつをいっていい？」と、ことしじゅうにしつめいすることと、むすこの)

セルマは「私も秘密を言っていい？」と、今年中に失明することと、息子の

(しゅじゅつのことをはなします。それまでだれにもいわなかったことでした。ちぇこから)

手術のことを話します。それまで誰にも言わなかったことでした。チェコから

(あめりかにわたってきたのは、あめりかでならじーんにしゅじゅつができるからです。)

アメリカに渡って来たのは、アメリカでならジーンに手術ができるからです。

(せるまはじぶんがしつめいするのはそうしょっくではないけれど、めのびょうきがいでん)

セルマは自分が失明するのはそうショックではないけれど、目の病気が遺伝

(するとしっていてうんだむすこ・じーんのめはたすけたいとかんがえていました。ちちへの)

すると知っていて産んだ息子・ジーンの目は助けたいと考えていました。父への

(そうきんもうそで、しゅじゅつのひようももうすぐたまるとびるにつげます。せるまがちょきん)

送金も嘘で、手術の費用ももうすぐ貯まるとビルに告げます。セルマが貯金

(していることを、びるはしりました。こうじょうまでじてんしゃでかようせるまですが、)

していることを、ビルは知りました。工場まで自転車で通うセルマですが、

(じてんしゃのうんてんもあぶなくなってきます。せるまにおもいをよせるじぇふが、くるまに)

自転車の運転も危なくなって来ます。セルマに思いを寄せるジェフが、車に

(のせてかえるといいますが、せるまはこじします。そこへけいかんのびるがやってきて)

乗せて帰ると言いますが、セルマは固辞します。そこへ警官のビルがやってきて

(かわりにつれてかえるといいました。びるはしゃないでせるまにきんのむしんをしますが、)

代わりに連れて帰ると言いました。ビルは車内でセルマに金の無心をしますが、

(せるまはことわります。びるはおいつめられており、いっそじさつでもしようかと)

セルマは断ります。ビルは追い詰められており、いっそ自殺でもしようかと

(かんがえているほどです。しつめいのときはちかくなっていました。ぶたいではせるまの)

考えているほどです。失明の時は近くなっていました。舞台ではセルマの

(だいやくとしてしんじんのじょせい・すーざんがきまり、ためしにつぎのにちようにせるまと)

代役として新人の女性・スーザンが決まり、試しに次の日曜にセルマと

(すーざんがおどってみせます。じぶんのしつめいがちかいせるまはあせり、ないしょくをふやして)

スーザンが踊ってみせます。自分の失明が近いセルマは焦り、内職を増やして

(こうじょうのやきんもいれました。きゃしーはやきんにはんたいしますが、せるまにやめるきが)

工場の夜勤も入れました。キャシーは夜勤に反対しますが、セルマにやめる気が

(ないとしると、ふぉろーにきてくれます。まいにちのろうどうはきびしいけれど、)

ないと知ると、フォローに来てくれます。毎日の労働は厳しいけれど、

(せるまにとってはこうじょうのぷれすのさぎょうおんも、だんすのえんそうにきこえました。)

セルマにとっては工場のプレスの作業音も、ダンスの演奏に聞こえました。

(せるまははたらきながら、そのおとにあわせておどるくうそうをします。しんやまではたらいた)

セルマは働きながら、その音に合わせて踊る空想をします。深夜まで働いた

(せるまを、じぇふがむかえにきていました。せるまはじぇふに、きゃしーをおくって)

セルマを、ジェフが迎えに来ていました。セルマはジェフに、キャシーを送って

(くれとたのみ、ひとりでとほでかえります。もうそのころにはせるまはじてんしゃにのれず、)

くれと頼み、一人で徒歩で帰ります。もうその頃にはセルマは自転車に乗れず、

(れーるのあいだにたってりょうあしでれーるをけりながらいえまでかえります。れーるを)

レールの間に立って両足でレールを蹴りながら家まで帰ります。レールを

(けるのは、まっすぐあるけているかのかくにんでした。ほぼしつめいじょうたいにあることを、)

蹴るのは、まっすぐ歩けているかの確認でした。ほぼ失明状態にあることを、

(つよがるせるまはしゅういのじんぶつにあかしませんが、しゅういのにんげんはきづきます。やきんの)

強がるセルマは周囲の人物に明かしませんが、周囲の人間は気づきます。夜勤の

(あいだむすこ・じーんをみてくれたびるが、かえったふりをしていえにとどまりました。)

間息子・ジーンを見てくれたビルが、帰ったふりをして家に留まりました。

(せるまはびるによびかけ、こえがないのをきたくしたのだとおもいこみ、ふくろから)

セルマはビルに呼びかけ、声がないのを帰宅したのだと思い込み、袋から

(そのひのきゅうきんをとりだして、たなのうしろにあるかくしだなからおかしのかんをとりだし、)

その日の給金を取り出して、棚の後ろにある隠し棚からお菓子の缶を取り出し、

(つめこみます。びるはせるまのかねのかくしばしょをしりました。ぶたいげいこもうまく)

詰め込みます。ビルはセルマの金の隠し場所を知りました。舞台稽古も上手く

(いかなくなったせるまは、こーちのさみゅえるにまりあやくをおりるといいだし)

いかなくなったセルマは、コーチのサミュエルにマリア役を降りると言い出し

(ます。しつめいしたといいたくないせるまは、やるきがうせたとうそをつきました。)

ます。失明したと言いたくないセルマは、やる気が失せたと嘘をつきました。

(やきんでみすをしてきかいをこわしたせるまは、こうじょうをくびになります。とほでかえる)

夜勤でミスをして機械を壊したセルマは、工場をクビになります。徒歩で帰る

(せるまをおったじぇふは、せるまがしつめいしたことをしってしょっくをうけますが)

セルマを追ったジェフは、セルマが失明したことを知ってショックを受けますが

(せるまは「もうみるものはなにもない」といいました。くうそうではめがねをかわにすて、)

セルマは「もう見るものは何もない」と言いました。空想では眼鏡を川に捨て、

(ひつようなものはみたからもうじゅうぶんだと、くうそうでおどりながらうたいます。きたくした)

必要なものは見たからもう十分だと、空想で踊りながら歌います。帰宅した

(せるまはかんのなかみがぬきとられたことをしり、びるのしわざだときづきました。)

セルマは缶の中身が抜き取られたことを知り、ビルの仕業だと気づきました。

(りんかをおとずれるとりんだはいかっておりとれーらーはうすからでていけといいます。)

隣家を訪れるとリンダは怒っておりトレーラーハウスから出て行けと言います。

(びるはかねをうばっただけでなく「せるまにせまられた」とりんだにうそを)

ビルは金を奪っただけでなく「セルマに迫られた」とリンダに嘘を

(ついたのです。２かいにいるびるにかねをかえしてほしいとつげたせるまは、びると)

ついたのです。2階にいるビルに金を返して欲しいと告げたセルマは、ビルと

(こうろんになりました。けいかんのびるはじゅうをもちだしてせるまをおどします。びると)

口論になりました。警官のビルは銃を持ち出してセルマを脅します。ビルと

(せるまはもみあいになり、びるにたまがあたりました。びるはけついをきめます。)

セルマは揉み合いになり、ビルに弾が当たりました。ビルは決意を決めます。

(びるは「しんでもじぶんとつま・りんだをまもろう、そのためにはせるまをわるものに)

ビルは「死んでも自分と妻・リンダを守ろう、そのためにはセルマを悪者に

(したてあげよう」ときめました。かいかのりんだにつうほうしろといってひがいしゃを)

仕立て上げよう」と決めました。階下のリンダに通報しろと言って被害者を

(よそおい、りんだがいなくなったすきに、せるまにじぶんをうてときょうようします。)

装い、リンダがいなくなった隙に、セルマに自分を撃てと強要します。

(うたないとかねをわたさないといわれ、せるまはむがむちゅうでうちます。びるが)

撃たないと金を渡さないと言われ、セルマは無我夢中で撃ちます。ビルが

(かねからてをはなさなかったので、せるまはかしきんこでびるをやみくもになぐり、やっとかねを)

金から手を離さなかったので、セルマは貸金庫でビルを闇雲に殴り、やっと金を

(とりもどしました。びるがぽーちにいれたかねをもつと、せるまはゆうじん・じぇふと)

取り戻しました。ビルがポーチに入れた金を持つと、セルマは友人・ジェフと

(まちあわせしているばしょにいきます。そのあしでがんかいにしゅじゅつだいをはらいにいった)

待ち合わせしている場所に行きます。その足で眼科医に手術代を払いに行った

(せるまは２０５６どると１０せんとをわたし、「のヴぃ」となのるものがあらわれたら)

セルマは2056ドルと10セントを渡し、「ノヴィ」と名乗る者が現れたら

(しゅじゅつをしてくれとたのみました。いしゃはのヴぃというなが、ちぇこではゆうめいな)

手術をしてくれと頼みました。医者はノヴィという名が、チェコでは有名な

(たっぷだんさーだとしっていました。しばいのけいこにいったせるまは、けいかんに)

タップダンサーだと知っていました。芝居の稽古に行ったセルマは、警官に

(たいほされます。せるまのさいばんがはじまり、「もっともざんにんでよういしゅうとうにけいかくしていた」)

逮捕されます。セルマの裁判が始まり、「最も残忍で用意周到に計画していた」

(「しょうがいをかくれみのにしゅういをあざむいていた」「れいこくむひ」と、ひどいいわれようです。)

「障害を隠れ蓑に周囲を欺いていた」「冷酷無比」と、ひどい言われようです。

(さいばんはふりでした。せるまはしつめいしたことをしゅういにかくしていたのがうらめに)

裁判は不利でした。セルマは失明したことを周囲に隠していたのが裏目に

(でます。またせるまがびるのいたいを３４かしょもきずつけたのは「みえないから」)

出ます。またセルマがビルの遺体を34か所も傷つけたのは「見えないから」

(なのですが、せけんにはざんにんなこういにうつりました。きょうさんしゅぎのちぇこからのいみん)

なのですが、世間には残忍な行為に映りました。共産主義のチェコからの移民

(ということもひなんのたいしょうとなります。さらにそうきんしたというかくうのちち)

ということも非難の対象となります。さらに送金したという架空の父

(おるどりっち・のヴぃ（ちぇこではゆうめいなたっぷだんさー）もしょうかんされ、)

オルドリッチ・ノヴィ（チェコでは有名なタップダンサー）も召喚され、

(ちちではないとしょうげんしました。あこがれののヴぃにあったせるまは、ほうていでのヴぃと)

父ではないと証言しました。憧れのノヴィに会ったセルマは、法廷でノヴィと

(おどるじぶんをくうそうします。せるまにだいいっきゅうさつじんざいとしてこうしゅけいがいいわたされます。)

踊る自分を空想します。セルマに大一級殺人罪として絞首刑が言い渡されます。

(めんかいにきたゆうじん・きゃしーにせるまは「１３さいのたんじょうび（くりすますのころ）が)

面会に来た友人・キャシーにセルマは「13歳の誕生日（クリスマスの頃）が

(きたらだいじなてがみがとどくから、よんでやってくれ」「びょういんでは「のヴぃ」と)

来たら大事な手紙が届くから、読んでやってくれ」「病院では『ノヴィ』と

(なのらせてくれ」とたのみました。)

名乗らせてくれ」と頼みました。