【洒落怖】少女の目

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プレイ回数1213難易度(3.0) 1568打 長文 かな
洒落怖-002
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1 Shion 3727 D+ 3.7 98.4% 425.7 1613 26 54 2024/10/11

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問題文

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(わたしのいえのよくしつは)

私の家の浴室は

(すりがらすのとびらとみずあかでよごれたかがみがむかいあっていて、)

磨りガラスの扉と水垢で汚れた鏡が向かい合っていて、

(そのあいだにからだをあらうすぺーすがわずかにあるぐらいの)

その間に体を洗うスペースがわずかにあるぐらいの

(しっそなものだった。)

質素なものだった。

(あるひかえりがふだんよりもおそくなってしまい)

ある日帰りが普段よりも遅くなってしまい

(わたしがいちばんさいごにふろにはいることになったひがあった。)

私が一番最後に風呂に入ることになった日があった。

(つかれていたわたしは)

疲れていた私は

(すぐにゆにつかり)

すぐに湯に浸かり

(しばらくうつらうつらとした。)

しばらくうつらうつらとした。

(はっとめをさますと)

ハッと目を覚ますと

(そとはもうくらくなっていた)

外はもう暗くなっていた。

(いそいででないと、とおもい)

急いで出ないと、と思い

(あたまをあらいおえたところで)

頭を洗い終えた所で

(わたしはとうとつにせなかにしせんをかんじた。)

私は唐突に背中に視線を感じた。

(すりがらすごしにひとのけはいはせず、)

磨りガラス越しに人の気配はせず、

(きこえるのは、)

聞こえるのは、

(じゃぐちからすいてきがしたたりおちるぽたぽたというおとだけだった。)

蛇口から水滴が滴り落ちるポタポタという音だけだった。

(きのせいか、とおもいながらふとかおをあげると)

気のせいか、と思いながらふと顔を上げると

(すりがらすのとびらをうつしたかがみがめにはいった。)

磨りガラスの扉をうつした鏡が目に入った。

(そうぞうどおりとびらのむこうにかげはみえず)

想像通り扉の向こうに影は見えず

など

(わたしはしぜんとためいきをついた。)

私は自然とため息をついた。

(わたしはきをとりなおして)

私は気を取り直して

(ふたたびからだをあらいだそうとした。)

再び体を洗い出そうとした。

(だが、そのとき、)

だが、その時、

(こんどはよりはっきりと、)

今度はよりはっきりと、

(わたしのせなかをじっとみつめるしせんをかんじた。)

私の背中をじっと見つめる視線を感じた。

(わたしはとっさにすりがらすのほうにふりかえってしまった。)

私は咄嗟に磨りガラスの方に振り返ってしまった。

(ふりかえってしまったのだ。)

振り返ってしまったのだ。

(めだった。)

目だった。

(わたしはめがあった。)

私は目が合った。

(やはりわたしはみられていたのだ。)

やはり私は見られていたのだ。

(めに、めに、めに、)

目に、目に、目に、

(あれはしょうじょだ。)

あれは少女だ。

(しょうじょのめだ。)

少女の目だ。

(すりがらすごしにわたしをみつめてくるめだ。)

磨りガラス越しに私を見つめてくる目だ。

(しょうじょは、)

少女は、

(すわっているわたしにめせんをあわせるようにかがんでいる。)

座っている私に目線を合わせるようにかがんでいる。

(わたしをただじっとみつめてくるめに、)

私をただじっと見つめてくる目に、

(わたしはそむけることができなかった。)

私は背けることが出来なかった。

(めを、めを、めを、めを、めを、めを、)

目を、目を、目を、目を、目を、目を、

(きがついたとき、)

気がついた時、

(わたしはゆにつかっていた。)

私は湯に浸かっていた。

(みょうになまなましいゆめだった。)

妙に生々しい夢だった。

(そうわたしはおもった。)

そう私は思った。

(わたしはあんどしたが)

私は安堵したが

(わたしはどうじにきがついた。)

私は同時に気がついた。

(かみがぬれていたのだ。)

髪が濡れていたのだ。

(かみからしたたるすいてきは)

髪から滴る水滴は

(それがゆめではなかったことをなによりものがたっていた。)

それが夢ではなかったことを何より物語っていた。

(いらいわたしはふろというものがきらいになった。)

以来私は風呂というものが嫌いになった。

(よくしつにはいるたびにおかんがはしる。)

浴室に入るたびに悪寒が走る。

(それがきおくによるものか)

それが記憶によるものか

(それともあれいらいずっと)

それともあれ以来ずっと

(わたしをみつめつづけているのかはかんがえたくはない。)

私を見つめつづけているのかは考えたくはない。

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