【洒落怖】変な約束
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問題文
(ちゅうがくにねんのおわりにひっこすことになった。)
中学二年の終わりに引越すことになった。
(ひっこしのぜんじつ、)
引越しの前日、
(いえのまえをどうきゅうせいのmくんが)
家の前を同級生のM君が
(ぶつぶつひとりごとをいいながらあるいているのをみつけた。)
ブツブツ独り言を言いながら歩いているのを見つけた。
(mくんとはようちえんからちゅうにまでおなじがっこうでいえもきんじょだったが、)
M君とは幼稚園から中二まで同じ学校で家も近所だったが、
(しょうがっこうのていがくねんいらいはなすことはほとんどなかった。)
小学校の低学年以来話すことは殆どなかった。
(mくんはこぶとりでうんどうしんけいがにぶく、)
M君は小太りで運動神経が鈍く、
(きのよわい、ともだちのすくないたいぷで、)
気の弱い、友達の少ないタイプで、
(わたしはにがてだった。)
私は苦手だった。
(だからなぜあのときmくんにこえをかけたのか、)
だから何故あの時M君に声をかけたのか、
(じぶんでもわからない。)
自分でも分からない。
(でも、そのときのかいわははっきりおぼえている。)
でも、その時の会話はハッキリ覚えている。
(「なにぶつぶついってんの?」)
「何ブツブツ言ってんの?」
(「へんなやくそくしちゃったよぉ、)
「変な約束しちゃったよぉ、
(へんなやくそくしちゃったよぉ」)
変な約束しちゃったよぉ」
(「だれと、どんなやくそくしたの?」)
「誰と、どんな約束したの?」
(「やくそくだからいえない・・・)
「約束だから言えない…
(でもてんこうするんだっけ?)
でも転校するんだっけ?
(じゃあいいかなぁ。)
じゃあいいかなぁ。
(おれがおれじゃなくなるんだ・・・)
俺が俺じゃなくなるんだ…
(あ~やっぱだめだ。)
ア~やっぱダメだ。
(やくそくだからいえない」)
約束だから言えない」
(そしてmくんはいってしまった。)
そしてM君は行ってしまった。
(せんげつ、ちゅうがくにねんまでざいせきしていたちゅうがくのどうそうかいがあった。)
先月、中学二年まで在籍していた中学の同窓会があった。
(とちゅうでてんこうしたわたしもしゅっせきさせてもらった。)
途中で転校した私も出席させてもらった。
(なつかしいめんめんのなか、しらないかお。)
懐かしい面々の中、知らない顔。
(しかもかっこいい。)
しかもカッコイイ。
(わたしはともだちに)
私は友達に
(「あのひとだれ」)
「あの人誰」
(とたずねた。)
と尋ねた。
(ともだちは)
友達は
(「mくんだよ」)
「M君だよ」
(とおしえてくれた。)
と教えてくれた。
(わたしはびっくりして、)
私はビックリして、
(「mくんかわったね。べつじんみたい。)
「M君変わったね。別人みたい。
(むかしはどんくさかったよね」)
昔はドンくさかったよね」
(といった。)
と言った。
(するとともだちは)
すると友達は
(「え~、mくんむかしからにんきあったじゃん。)
「え~、M君昔から人気あったじゃん。
(いまとぜんぜんかわんないよ」)
今と全然かわんないよ」
(と。)
と。
(ほかのともだちすうにんも、)
他の友達数人も、
(mくんはすぽーつばんのう、りーだーてきそんざい、もてもて・・・など、)
M君はスポーツ万能、リーダー的存在、モテモテ…等、
(わたしのきおくとはまったくちがうことをいっていた。)
私の記憶とはまったく違うことを言っていた。
(そのひはmくんとかいわすることはなかった。)
その日はM君と会話することはなかった。
(いえにかえり、)
家に帰り、
(mくんのうつっているはずのくらすしゃしんや、)
M君の写っている筈のクラス写真や、
(しょうがっこうのそつあるをさがしたがみつからない。)
小学校の卒アルを探したが見つからない。
(やっとみつけたいちまいは、)
やっと見つけた一枚は、
(ようちえんのときのしゃしん。)
幼稚園の時の写真。
(こぶとりのmくん。)
小太りのM君。
(ははやあねにmくんであることをかくにんし、)
母や姉にM君であることを確認し、
(いんしょうをきいてみると、)
印象を聞いてみると、
(わたしのきおくとおなじ。)
私の記憶と同じ。
(で、ちゅうがくのともだちにちゅうがくのそつあるをかりてきた。)
で、中学の友達に中学の卒アルを借りてきた。
(そこには、)
そこには、
(どうそうかいでみたmくんのおもかげがあるかっこいいmくんがうつってた。)
同窓会で見たM君の面影があるカッコイイM君が写ってた。
(わたしがさいごにあってからいちねんくらいしかたっていないしゃしんなのに。)
私が最後に会ってから一年くらいしか経っていない写真なのに。
(ははやあねも、)
母や姉も、
(「これmくんじゃないよ」)
「これM君じゃないよ」
(とおどろいていた。)
と驚いていた。
(そして、あるばむにかいてあったmくんのよせがきのことばは、)
そして、アルバムに書いてあったM君の寄せ書きの言葉は、
(「おれはおれさ。やくそくだからな」)
『俺は俺さ。約束だからな』
(だった。)
だった。
(ほかのともだちにはなしたら、)
他の友達に話したら、
(「すこしみないうちにげきてきにかっこよくなっちゃうやつっているじゃん。)
「少し見ないうちに劇的にカッコ良くなっちゃう奴っているじゃん。
(それじゃないの?」)
それじゃないの?」
(っていわれた。)
って言われた。
(でも、ちゅうがくのともだちとのきおくのちがいや、)
でも、中学の友達との記憶の違いや、
(mくんとさいごにかわしたかいわがきになって、)
M君と最後に交わした会話が気になって、
(ついおかるとてきのことをかんがえてしまう。)
ついオカルト的のことを考えてしまう。
(で、ちょくせつほんにんにきこうとおもっているんだけど、)
で、直接本人に聞こうと思っているんだけど、
(なんてきいていいかわからない。)
何て聞いていいか分からない。
(とつぜん)
突然
(「あんた、ほんもののmくん?」)
「あんた、本物のM君?」
(てきいたらへんだしね。)
て聞いたら変だしね。