マザリンの宝石 2

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投稿者投稿者大樹野いいね4お気に入り登録
プレイ回数3221難易度(5.0) 4624打 長文
【シャーロック・ホームズの事件簿】より
長文なので、読書感覚でお楽しみください

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問題文

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(「そうらしいな」「いっていいよ、びりー。あのぼーいはもんだいだな、わとそん。)

「そうらしいな」「行っていいよ、ビリー。あのボーイは問題だな、ワトソン。

(どれくらいかれをきけんにまきこんでもいいものか?」「なんのきけんだ、ほーむず」)

どれくらい彼を危険に巻き込んでもいいものか?」「何の危険だ、ホームズ」

(「とつぜんしだ。こんやなにかがあるとよそうしている」「なにをよそうしているんだ?」)

「突然死だ。今夜何かがあると予想している」「何を予想しているんだ?」

(「ころされることさ、わとそん」「まさか、じょうだんだろう、ほーむず!」「いくらぼくに)

「殺される事さ、ワトソン」「まさか、冗談だろう、ホームズ!」「いくら僕に

(ゆーもあのせんすがなくてももうすこしましなじょうだんをいえるさ。しかし、)

ユーモアのセンスがなくてももう少しましな冗談を言えるさ。しかし、

(しばらくのあいだゆっくりしようじゃないか?さけはだいじょうぶか?たんさんすいせいぞうきと)

しばらくの間ゆっくりしようじゃないか?酒は大丈夫か?炭酸水製造機と

(はまきはむかしのばしょにある。いつものひじかけいすにすわっているところをもういちど)

葉巻は昔の場所にある。いつもの肘掛け椅子に座っているところをもう一度

(みせてくれ。もちろん、ぼくがぱいぷでなげかわしいたばこをすうのをいやがったり)

見せてくれ。もちろん、僕がパイプで嘆かわしい煙草を吸うのを嫌がったり

(しないよな?ここのところこれがしょくじがわりだ」「なぜたべないんだ?」)

しないよな?ここのところこれが食事代わりだ」「なぜ食べないんだ?」

(「くうふくだとあたまのはたらきがさえるからさ。まあ、いしゃとして、わとそん、きみもきっと)

「空腹だと頭の働きが冴えるからさ。まあ、医者として、ワトソン、君もきっと

(みとめなければならない。しょうかにけつえきのきょうきゅうをしなければならないことは、)

認めなければならない。消化に血液の供給をしなければならないことは、

(ずのうにとってはひじょうなそんしつになるんだ。ぼくはずのうだ、わとそん。それいがいの)

頭脳にとっては非常な損失になるんだ。僕は頭脳だ、ワトソン。それ以外の

(ぼくはただのおまけだ。だからぼくがかんがえなければならないのはずのうだ」)

僕はただのおまけだ。だから僕が考えなければならないのは頭脳だ」

(「しかしそのきけんというのはなんだ?ほーむず」)

「しかしその危険というのは何だ?ホームズ」

(「ああ、そうだ。きけんがげんじつになったばあいにそなえて、ちょっとめんどうだが)

「ああ、そうだ。危険が現実になった場合に備えて、ちょっと面倒だが

(きみにさつじんはんのなまえとじゅうしょをおぼえていてもらったほうがいいかな。)

君に殺人犯の名前と住所を覚えていてもらったほうがいいかな。

(それをろんどんけいしちょうにおしえてくれ。ぼくのあいとわかれのあいさつをそえてな。)

それをロンドン警視庁に教えてくれ。僕の愛と別れの挨拶を添えてな。

(なまえはしるびうす、・・・・ねぐれっと・しるびうすはくしゃくだ。かきとめてくれ。)

名前はシルビウス、・・・・ネグレット・シルビウス伯爵だ。書き留めてくれ。

(かきとめるんだ!ほくせいくむーあさいどがーでんず136。かいたか?」)

書き留めるんだ!北西区ムーアサイドガーデンズ136。書いたか?」

(すぐにかんじょうがおもてにでるわとそんのかおはしんぱいでひきつっていた。)

すぐに感情が表に出るワトソンの顔は心配で引きつっていた。

など

(かれはほーむずがかってでるとほうもないきけんについてしりすぎていた。)

彼はホームズが買って出る途方もない危険について知りすぎていた。

(そしてかれのはつげんはおおげさにいうよりもひかえめのほうがおおいことがひじょうによく)

そして彼の発言は大げさに言うよりも控えめのほうが多い事が非常によく

(わかっていた。わとそんはつねにこうどうのおとこだったため、かれはとっさにはんのうした。)

分かっていた。ワトソンは常に行動の男だったため、彼はとっさに反応した。

(「わたしにもてつだわせてくれ、ほーむず。いちにち、ふつかすることがないんだ」)

「私にも手伝わせてくれ、ホームズ。一日、二日することがないんだ」

(「きみはあいかわらずそこうがよくないな、わとそん。いろいろなあくぎょうにうそが)

「君は相変わらず素行がよくないな、ワトソン。色々な悪行に嘘が

(くわわったぞ。きみがいそがしいいしゃだということはからだぜんたいがかたっている、まいじかん、)

加わったぞ。君が忙しい医者だということは体全体が語っている、毎時間、

(おうしんかんじゃをかかえている」「たいしてじゅうようなものはない。)

往診患者を抱えている」「大して重要なものはない。

(しかしそのおとこをたいほさせることはできないのか?」「そうだな、わとそん、)

しかしその男を逮捕させることはできないのか?」「そうだな、ワトソン、

(やろうとおもえばできる。かれはそれをおそれている」「じゃあ、)

やろうと思えばできる。彼はそれを恐れている」「じゃあ、

(なぜそうしないんだ?」「だいやもんどがどこにあるかわからないからさ」)

なぜそうしないんだ?」「ダイヤモンドがどこにあるか分からないからさ」

(「ああ!びりーがいっていた、・・・・・きえたおうかんのほうせきか!」)

「ああ!ビリーが言っていた、・・・・・消えた王冠の宝石か!」

(「そうだ。みごとなきいろのまざりんのほうせきだ。ぼくはあみをなげさかなをとらえた。)

「そうだ。見事な黄色のマザリンの宝石だ。僕は網を投げ魚を捕らえた。

(しかしほうせきをつかんではいない。やつらをつかまえてなんになる?)

しかし宝石を掴んではいない。奴らを捕まえて何になる?

(やつらをとうごくすればよのなかはもっとさっぱりするだろう。)

奴らを投獄すれば世の中はもっとさっぱりするだろう。

(しかしそれはぼくがもとめているものではない。ぼくのもくてきはほうせきだ」)

しかしそれは僕が求めているものではない。僕の目的は宝石だ」

(「このしるびうすはくしゃくというのがきみのさかなのいっぴきか?」「そうだ、)

「このシルビウス伯爵というのが君の魚の一匹か?」「そうだ、

(そしてかれはさめだ。かれはかむよ。もうひとりは、さむ・まーとん。ぼくさーだ。)

そして彼は鮫だ。彼は噛むよ。もう一人は、サム・マートン。ボクサーだ。

(さむはあくにんじゃない、しかしはくしゃくがかれをつかっている。さむはさめじゃない。)

サムは悪人じゃない、しかし伯爵が彼を使っている。サムは鮫じゃない。

(かれはおおきくばかでとんまなかまつかというところだ。しかしぼくのあみのなかで)

彼は大きく馬鹿でトンマなカマツカというところだ。しかし僕の網の中で

(おなじようにはねまわっている」「そのしるびうすはくしゃくはどこにいる?」「ぼくは)

同じように跳ね回っている」「そのシルビウス伯爵はどこにいる?」「僕は

(ごぜんちゅういっぱいやつのすぐそばにはりついていた。ぼくはろうばのかっこうをしていた、)

午前中いっぱい奴のすぐ側に張り付いていた。僕は老婆の格好をしていた、

(わとそん。これいじょうないしんにせまったへんそうだった。かれはじっさいいちどぼくにひがさを)

ワトソン。これ以上ない真に迫った変装だった。彼は実際一度僕に日傘を

(ひろってくれた。「おわすれですよ、まだむ」かれはいった。かれは、はんぶんいたりあじんの)

拾ってくれた。『お忘れですよ、マダム』彼は言った。彼は、半分イタリア人の

(ちをひいている。そしてきげんがいいときはみなみのにんげんのじょうひんなたいどだ。)

血を引いている。そして機嫌がいい時は南の人間の上品な態度だ。

(しかしそうでなければあくまのけしんになる。じんせいはふうがわりなできごとで)

しかしそうでなければ悪魔の化身になる。人生は風変わりな出来事で

(みちているな、わとそん」「たいへんなことになったかもしれないじゃないか」)

満ちているな、ワトソン」「大変なことになったかもしれないじゃないか」

(「そうだな、もしかすればそうだったかもしれんな。ぼくはかれをまいのりーず)

「そうだな、もしかすればそうだったかもしれんな。僕は彼をマイノリーズ

(にあるすとらうべんざのこうぼうまでつけていった。すとらうべんざはくうきじゅうを)

にあるストラウベンザの工房までつけて行った。ストラウベンザは空気銃を

(つくっていた、ーーひじょうにみごとなできばえだった。ぼくがしらべたかぎりでは、)

作っていた、――非常に見事な出来栄えだった。僕が調べた限りでは、

(このしゅんかんにもむかいのまどにあってふしぎじゃないな。にんぎょうをみたか?)

この瞬間にも向かいの窓にあって不思議じゃないな。人形を見たか?

(もちろん、びりーがきみにそれをみせたんだな。そうだな、いつこのみごとな)

もちろん、ビリーが君にそれを見せたんだな。そうだな、いつこの見事な

(あたまをだんがんがうちぬくかもしれん。ああ、びりー、それはなんだ?」ぼーいは)

頭を弾丸が撃ち抜くかもしれん。ああ、ビリー、それはなんだ?」ボーイは

(めいしをおいたとれいをもってまたへやにはいってきた。ほーむずはそれを)

名刺を置いたトレイを持ってまた部屋に入ってきた。ホームズはそれを

(ちらりとみてまゆをあげてたのしそうにほほえんだ。「あのおとこがみずからおでましか。)

ちらりと見て眉をあげて楽しそうに微笑んだ。「あの男が自らお出ましか。

(これはほとんどよそうしていなかったな。よろこんでうけてたとうじゃないか、)

これはほとんど予想していなかったな。喜んで受けて立とうじゃないか、

(わとそん!だいたんなやつだ。もしかするときみもかれのおおものうちのひょうばんを)

ワトソン!大胆な奴だ。もしかすると君も彼の大物撃ちの評判を

(きいたことがあるかもしれない。もしかれがぼくをえものにくわえれば、)

聞いたことがあるかもしれない。もし彼が僕を獲物に加えれば、

(かれのみごとなしゃげきせいせきのなかで、ほんとうにかがやかしいけっかになるだろう。)

彼の見事な射撃成績の中で、本当に輝かしい結果になるだろう。

(これはぼくがかれにすぐそこまでせまっているということのしょうめいだな」)

これは僕が彼にすぐそこまで迫っているということの証明だな」

(「けいさつをよぼう」「おそらくそうすることになる。しかしいますぐじゃない。)

「警察を呼ぼう」「おそらくそうすることになる。しかし今すぐじゃない。

(しんちょうにまどのそとをちょっとみてくれるか?わとそん。)

慎重に窓の外をちょっと見てくれるか?ワトソン。

(そしてとおりにだれかたむろしていないかみてくれ」わとそんはようじんしながら)

そして通りに誰かたむろしていないか見てくれ」ワトソンは用心しながら

(かーてんのはしからみまわした。「ああ、とびらのちかくにあらっぽいかんじのおとこがひとりいる」)

カーテンの端から見回した。「ああ、扉の近くに荒っぽい感じの男が一人いる」

(「さむ・もーとんだろう、ーーちゅうじつだがちょっとあさはかなさむだ。)

「サム・モートンだろう、―― 忠実だがちょっと浅はかなサムだ。

(このしんしはどこだ?びりー」「ひかえしつです」)

この紳士はどこだ?ビリー」「控え室です」

(「ぼくがべるをならしたらうえにとおしてくれ」「わかりました」)

「僕がベルを鳴らしたら上に通してくれ」「分かりました」

(「もしぼくがへやにいなくても、かまわずなかにいれてくれ」「わかりました」)

「もし僕が部屋にいなくても、構わず中に入れてくれ」「分かりました」

(わとそんはとびらがしまるまでまち、そのごあせってほーむずのほうをふりかえった。)

ワトソンは扉が閉まるまで待ち、その後焦ってホームズの方を振り返った。

(「いいか、ほーむず、これはとにかくむちゃだ。こいつは、じぼうじきになった)

「いいか、ホームズ、これはとにかく無茶だ。こいつは、自暴自棄になった

(おとこだ。なんでもやろうとしている。きみをころしにきたのかもしれないぞ」)

男だ。何でもやろうとしている。君を殺しに来たのかもしれないぞ」

(「そうだとしてもおどろかんな」「ぜったいにきみといっしょにいる」)

「そうだとしても驚かんな」「絶対に君と一緒にいる」

(「おそろしくじゃまになるんだ」「かれのじゃまに?」)

「恐ろしく邪魔になるんだ」「彼の邪魔に?」

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