【洒落怖】一人多い
問題文
(よにんでiけんにりょこうにいったときのはなしです)
四人でI県に旅行に行ったときの話です
(よにんいっしょにおおきめのわしつにとおされたのですが)
四人一緒に大きめの和室に通されたのですが
(へやをみてみると)
部屋を見てみると
(ゆかたとゆのみがいつつずつよういされていました)
浴衣と湯飲みが五つずつ用意されていました
(まあそのときは)
まあそのときは
(りょかんのひとがかずをまちがえたんだな)
旅館の人が数を間違えたんだな
(くらいにしかおもってなくて)
くらいにしか思ってなくて
(ともだちと)
友だちと
(「そうなんしてへやのよすみをまわるかいだんあったよね。)
「遭難して部屋の四隅を回る怪談あったよね。
(ひとりふえてたり・・・」)
一人増えてたり…」
(とふざけてました)
とふざけてました
(かんこうしたつかれもあって、)
観光した疲れもあって、
(じゅうじくらいにはもうぜんいんねたんですが)
十時くらいにはもう全員寝たんですが
(ねたのがいつもよりはやいせいか)
寝たのがいつもより早いせいか
(よなかにめがさめて)
夜中に目が覚めて
(わたしひとりでそっとといれにいきました)
私一人でそっとトイレに行きました
(かえってきてふとんにはいろうとしたら、)
帰ってきて布団に入ろうとしたら、
(もうなかにだれかはいってるんですよね)
もう中に誰か入ってるんですよね
(さいしょ)
最初
(「ふざけてだれかふとんにはいってきたな」)
「ふざけて誰か布団に入ってきたな」
(とおもってりょうどなりをみたら、)
と思って両隣を見たら、
(どっちにもねてるんですよ)
どっちにも寝てるんですよ
(で)
で
(「あれっ?」)
「あれっ?」
(とおもってへやのいちばんすみのふとんにめをこらしたら)
と思って部屋の一番隅の布団に目をこらしたら
(そこにもねてる)
そこにも寝てる
(みんなわたしにせをむけてねてて)
みんな私に背を向けて寝てて
(うしろすがたのかみのけしかみえません)
後ろ姿の髪の毛しか見えません
(ぞーっとなって)
ぞーっとなって
(ふとんめくりかけたままうごけなくなりました)
布団めくりかけたまま動けなくなりました
(じぶんのふとんにねてるのがいまにもねがえりうちそうで)
自分の布団に寝てるのが今にも寝返りうちそうで
(かといってうごいたらこっちをむきそうで)
かといって動いたらこっちを向きそうで
(こわくてそのままずっとじっとしてました)
怖くてそのままずっとじっとしてました
(そしたらとつぜん)
そしたら突然
(「うーっ」)
「うーっ」
(ってこえがうしろからきこえて)
って声が後ろから聞こえて
(びくっとなってふりかえったら)
びくっとなって振り返ったら
(ともだちがねごといいながら)
友だちが寝言言いながら
(ねがえりうってるところでした)
寝返りうってるところでした
(それであわててじぶんのふとんのほうにむきなおったら)
それで慌てて自分の布団の方に向き直ったら
(なにもいなくなってて)
何もいなくなってて
(すぐにたってでんきつけたら)
すぐに立って電気つけたら
(やっぱりよにんしかいませんでした)
やっぱり四人しかいませんでした
(でもそのひはもうねむれませんでした)
でもその日はもう眠れませんでした
(ぼうとうのかいだんばなしでも)
冒頭の怪談話でも
(ほんきでいやがるようなこわがりのこがおおかったので、)
本気で嫌がるような恐がりの子が多かったので、
(よくじつはなにもいわずにたちました)
翌日は何も言わずに発ちました
(ひとりよりおおにんずうでとまるほうがあんしんだとおもってましたが、)
一人より大人数で泊まる方が安心だと思ってましたが、
(そうでもないですね)
そうでもないですね